悪戯物語
診断がありまして、はい。ごめんなさい×50
一見森にしか見えないけど、うん。この地域、沼だね?かなり深いところがあるみたいだし、嵌まったら死ぬ可能性があるね。致死毒は無い模様、か。まだマシなだけ良いとしようか。致死毒沼に入らないようにする遊びも楽しいけれど、今はさっさとレベルを上げたい。
「沼地は酷くない?もうちょいなんか無かったの。でも、ここはなかったね。他のゲームにも」
「ここは新規エリアだからなぁ。沼地エリアって分かっているのが怖いんだが」
「ムグルマ、零夜に常識は求めるな。スキル無しで隠密、看破、感知とかのができるんだよ。それに、説明はお前も流石にきちんと聞いただろう?」
音緒にも常識は求めちゃダメだろうけどねぇ?隷属することの大好きな天使……今は堕天使だけど、に常識を求めても天使としての常識が返ってくるだけであって人間の常識は手に入らないんじゃないかな?。にしても、動物が多いな……危ない。それ以上は手の内を幾らか明かさないといけないし。
「ムグルマにも音緒兄にも、常識は求めてはならない気がするのは僕だけかな?それより、2人とも見せろ。お前らはちゃんとあるんだろ⁉︎」
「いや、そうだけどそれは逆恨みだろ………今は無理だ。陸翔は、何言ってんの的な反応になっているし」
「あ、そういう系ね。面倒ごととは思ったけどここまでとは聞いていないよぉ」
ムグルマに呆れられているけれど、あと、50ずつ範囲を伸ばしていこう。少し精度を上げただけでも多い……多過ぎる。人が多い。あと、うん。全滅させようか、これ以上は危険。雰囲気からして、良い流れではないのはわかるし。
「音緒、ちょっと1人で狩ってくる」
「分かった。し過ぎるな」
「無理かなぁ?」
今は154。この程度ならすぐに片付く。それに、さっさとしないと迷惑かけるかもだし。迷惑は別に良いんだけれど、最奥のプレイヤー2名はどこか異質だ。流れが全然違う。ただそこに、あるだけだ。
………………
奥が多いか。手前左が23、右13、奥中央118。PKの可能性は無しかな。じゃあ、そうだね、そういう集団か。最奥の2人とは関係のない、盗賊系統の者共か。最奥の2人は、此奴らをどうしようか手を下すまでもないのか、観察中ってとこか。まぁ、僕としては同じ団体としてみなさせてもらいますけど、文句があるなら魔界の魔記神まで。
「見えやすいなぁ。馬鹿みたい」
一振りで簡単に殺せる。消えたからプレイヤー。首に当てやすいし、気付いてない。戦闘なんて、ものじゃない。動物より弱くて酷い。本能的に逃げようとするかしないかの違いもあるのかな?
装備性能が良いという事もあるのだろうけれど、こうも簡単に殺せるのはちょっと、物足りない。後、最近のPKは脳筋が多くて困る。Arbre enchevêtréみたいなやつらいないし。
「あ、奥はマシなんだね」
「マシというかだが、よく気付かれずに来れたね」
「あれで警戒できると思ってたらザル過ぎるよ?誰も気付いてなかった」
まぁ、もう2人を残すのみだけど。もしこれで一流だとでも思っていたのなら、本当に何も分かってない、かなぁ。この2人は一流だし、あの集団を観察していただけだ。それに僕の思っている一流が高いのかもしれない、けどさ。
「悪戯物語、まだふざけてるの?観察はとっても楽しかったようで」
「良いじゃん、楽しいもん」
笑う少女と溜息をつく少年。確率がもしかするとちょっとやばいかも。この2人は上位陣の中でも要注意人物に入る部類の者共の集まりの2トップだから。少年−ノーマ−はまともな人物だが。
あぁ、そういえば少年の方は貴重な常識人の部類には入っていたな。どこか暴走しそうな雰囲気があるにはあるが、常時何言ってんの?と言いたくなるような奴らといて、一般人との会話は懇切丁寧に済ますということのできている人物だ。かなりの苦労性のある人物だったと記憶している。
ハメを外したら危険人物に成り果てるけど、それは聞き分けの悪い奴ら相手にしかならないから、安心安全らしい。『子供110番』なんていう通称がついていたはずだ。やばい奴らにあったなら、「フレファイかノーマに会いに行け」ということを言われるぐらいには信頼されている。




