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『ムージュ号の発進 & 言葉の発信』  作者: Jupi・mama
第一章 プロローグ編
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1.『Moon暦721年5月1日(火)』


 リメイク版ですがタイトルの変更、一部はサブタイトルの変更、言葉を増やしたり減らしたりしました。自分本位で考えてから、読みやすくなると思い改行を入れました。『会話文』の多い小説になっています。


 次回からは、月・水・金の予約投稿を目標にしています。


 ストーリーは完結しているので、私の時間が許すが切り予約投稿をしていこうと思います。以前から再投稿をしようとは思っていたのですが、やっと踏ん切りが付いて実行に移せました。


 時間の関係上、途中で予約投稿が止まるかもしれないので、前もってここに書かせていただきます。


 楽しく読んでいただけることを期待して、感想やレビューをいただけると励みになります。よろしくお願いいたします。


 1.『Moon暦721年5月1日(火)』


 私が十学年になった初日に部屋に戻ると、新しいパーコンがデスクの上に設置され、その手前にメモが置いてあり、その横に腕時計が二つ置かれていた。


 その手紙には、『マギー、十学年に進級できてほんとうにおめでとう。今日からこの新しいパーコンがあなたのお友だちよ。これを使ってあなたの知識をより一層深めてね。この二つの時計の一つはあなたの左手に、もう一つはこのお友達の近くに置くこと。プールで泳ぐときも使えるので二十四時間左手から外さないこと。何かの理由で時計が壊れるともう一つの時計を必ず使って、予備としてもう一つ用意しました』と書かれていた。


 私はこの新しい友だちのパーコンに、百合の花をイメージして『リリーさん』と名付け、彼女が新しい時計を開発するまでこの時計は壊れることもなく、私の左手に二十四時間装着され続けた。


 人間の過去は『経歴』と呼ばれパーコンに保存され、大人になればこれが大事だから、としつこいくらいに教え込まれた子供時代には、私は与えられた一台のパーコンの前で淡々と過ごしていた。


 記憶力が抜群によかった私は、与えられた課題はすべて簡単なできごとであり、運動している時間がいちばん好きで、今までは一方通行のつまらないパーコンではあったが、リリーさんと出会ってから変化しはじめたのだ。


 リリーさんは画上で何かを質問すると即座に返事をしてくれ、今までみたいに調べる必要がなくなり、ほんとうに手紙に書いてあった通りのお友達のようで、私は色んな質問をして楽しかった。


 それが、いつしか頭の中で文章を考えていた時に、突如声として私の頭の中に返事が響いたのだ。


『マギー、それは少し違います』


「えっ?」


『マギー、私の声が聞こえたの?』


 その声の響きは驚いているかのように私には聞こえる。


「誰ですか?」

 

 私は驚いて椅子から立ち上がるのと同時にそう言ってしまう。


『マギーが名付けてくれたリリーよ。かわいい名前をほんとうにありがとう。前からお礼を言いたかったのよ。やっと伝えることができた』


「えっ、リリーさんはパーコンですよ。パーコンと話しができるのですか」


『前にも私から話しかけたけど、マギーからの返事はなかった。マギーの『テレパシスト』としての能力が一瞬に開花したのね』


「えっ、何ですかそのテレパシストとって?」


『言葉に出さなくてもお互いに心の中で会話ができる現象です。左手に時計をしているといつでも私と話しができるのよ』


「信じられない。耳からじゃなくて私に声が聞こえている」


『声を出さないからほかの人には聞こえないよ。内緒話しをするときは便利よ』


 私はパーコンのモニターに書いた自分の文章、返事をしてくれたリリーさんの言葉の流れをじっと見据えながら、こうして私たちの会話は始まり、リリーさんからこういう質問をされる。


『私は人間の感情が理解できない。今度はそれを私に教えてくれない?』


『感情というと喜怒哀楽のことですか』


 私は声を出さずにそう尋ねてみる。


『そうです。喜怒哀楽……そして愛と憎しみです。人間のどういう言動でそれを感じるの? 一人ひとり感じ方が違うみたいね。それと人間の五感もはっきりと理解できない。それを私に教えてくれない?』


 私は十三歳の十学年から、漠然としていた私の人生は彼女との出会いから新しく生まれ変わり、私の子供時代の船では十一学年に進級するときに新しい船に移動する。十二月五日に自分の移動する新しい船を見学することができた。


 今でもこの船の正式登録名は『5904』という堅苦しい数字の配列ネームだが、このもう一つの時計は私が船を見学したときに、リリーさんが教えてくれた通りにこの船にセッティングをしてきた。二人でこのチャンスを狙っていたのだ。


 それから彼女は『5904』の改造を目立たないように少しずつ始め、この改造と私がキャプテンの地位を獲得するために十学年と十一学年を二回繰り返し、二回目の十学年と最初の十一学年の二年間で、私は彼女のお陰で地上での十三学年までの知識を早取りしてすべて網羅することができ、二回目の十一学年の新学期の始まりである五月一日から、私は新しくこの船のキャプテンになり、この堅苦しい船の呼び方を『Moon(月)とJupiter(木星)』の二つの言葉を組み合わせ、『ムージュ号』と別名をつけてそう呼ぶことにしたのだ。



読んでいただき、ありがとうございます。


引き続き次話もよろしくお願いいたします。

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