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高校の制服がスカートだった件  作者: humihumi1234
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体育会 その5

 5月5日、祝日で学校は休みだが、蒼はチアダンスの練習で学校に向かっていた。初夏を思わせる陽気なので、ブレザーはやめてニットだけにした。

 昼食のお弁当とお茶を買うために駅前のスーパーに入り、レジに並んでいると、後ろに別の高校の女子高生が並んできた。

 以前は、こんなとき男とばれないかなと気にして逆に不自然になって、結果ばれて揶揄されたこともあった。スカートを履き始めて1年がたった今では男なのにスカートとは思わずに、自然体でスカートを履けるようになって、バレて揶揄されることもなくなった。


 考えてみれば、自分より髪が短く日焼けもしていて、一見男子にみえる女子高生も街中で目にする。見たからと言って、特別本当に女子だろうかと疑うことはない。蒼も同じように自然にしていれば、意外とばれないということを学んだ1年間でもあった。


 午前中の練習を終えたところで、本番で着る衣装の衣装合わせがあった。蒼は自分の衣装をうけとり、涼ちゃんと一緒に更衣室で着替え始めた。

「チアガールの衣装って、ミニスカートで恥ずかしいね。」

「ミニでも、インナーついているから、私は抵抗ないけど。」

 ミニスカートは私服でも着たことはあるが、そのときは黒タイツを履いていたのであまり抵抗はなかった。足の手入れはしてきたとはいえ、足を出すのは恥ずかしく感じる。

 恥ずかしくて更衣室から出るのに躊躇していると、涼ちゃんに引っ張られ更衣室をでてみんながいるところに連れてこられた。


 女子も全員着替え終わっており、男子がでてくるのを待っていたようで、蒼たちが出てくると一斉にこちらの方に視線を向けた。

 初めてのミニスカートに加えて、注目されることに慣れていないので、照れていると涼ちゃんが

「蒼ちゃん、恥ずかしがっていると余計に変に見えるよ。」

 恥ずかしがって下を向かずに、前を見ることにした。みんな好意的に受け取ってくれ、「かわいい」「似合ってるよ」と言ってくれた。


 山村さんも近寄ってきて声をかけてくれる。

「森田さんも森本さんも、似合ってるね。」

「ありがとう。その髪型かわいいね。」

「編み込みにチャレンジしてみたの。今までやったことなかったけど、やってみると楽しいね。せっかく女の子に生まれたのに、女の子楽しまないと思うようになってきた。森田さん、気づかせてくれてありがとう。」


 山村さんは最近変わった。髪型にも気を付けるようになったのもあるが、性格もいままでの地味な感じから、積極的に自分から話しかけるようになったみたいで、チアダンスのほかのメンバーとも仲良く話している姿をよく見るようになった。


 衣装からジャージに再び着替えて、午後からは4ブロック合同演技の練習となった。蒼たちの赤ブロックのほかに、黄色、青、緑の3ブロックの合同でブロック対抗リレー前に披露する演技の練習のために、集合場所のグラウンドに向かった。

 練習開始を待っていると、黄色ブロックに下田さんがいたので、涼ちゃんと一緒に声をかけてみた。

「下田さん、こんにちは。」

「こんにちは。森田先輩もチアガールやるんですね。うちのブロック、男子私一人だから心細かったですけど、森田先輩と森本先輩に会えて良かったです。」

「赤も私たち二人だけだよ。下田さんも、本番の衣装着た?」

「着ました。ちょっと恥ずかしいですね。でもかわいい衣装だったので、本田さんに見てもらうの楽しみです。」

 本田さんと下田さんの仲も順調のようだ。


 合同練習が始まって、入場の仕方から合同演技、リレー中の応援、退場までの流れの説明があった。合同演技の練習は、あと2回しかできないため各ブロックのリーダーの説明にも熱がこもる。説明の終わりに、

「とくに森田さん。間違えると4ブロック合わせて80人みんなに迷惑かけるから気をつけてね。」

 蒼は坂本さんから名指しで注意を受けた。蒼だけでなくみんなにも緊張感が走り、リハーサル開始まで各自流れと振り付けの再確認が続いた。


 無事にリハーサルを通しで成功させたところで、今日の練習は終わり解散となった。

 まだ時間があったので、5月20日に迫ったはるちゃんの誕生日プレゼントを買いにショッピングモールに行ってみることにした。

 去年はまだ単なるクラスメイトだったが、今年付き合って初めてのはるちゃんの誕生日を迎える。プレゼント何がいいか悩んだが、結論はでずモール内のいろんなお店を回って実際にみながら考えることにした。

 安すぎず、高すぎずできれば、毎日使ってもらえるものがいいかなと思って探していると、スポーツ店の前で夏美ちゃんに出会った。


「森田先輩、こんにちは。」

「夏美ちゃんは、部活終わり?」

「そうです。1年生で練習用のTシャツお揃いにしようって事で、下見にきてます。森田先輩は部活してなかったけど、何か運動始めるんですか?」

「はるちゃんの誕生日プレゼント探してるんだけど、なかなか見つからなくて探してるところ。」

「だったら、このタオルなんてどうですか?部活で毎日使うし、最近お姉ちゃん青色好きだし。」

 そう言って、青色のスポーツタオルを勧めてくれた。値段も手頃だったので、これにすることを決めた。

「ありがとう。」

蒼が夏美ちゃんにお礼を言うと、

「役に立てたら嬉しいです。あと、私の誕生日8月3日です。夏の3みっかに産まれたから夏美です。ちなみにお姉ちゃんは、春との間に産まれたからはるかなんです。」

「そうなんだ。教えくれてありがとう。」


 聞いてしまった以上、夏美ちゃんも誕生日プレゼントあげないといけなくなったと思いながら、良いプレゼント見つけられて良かったと思った蒼であった。

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