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高校の制服がスカートだった件  作者: humihumi1234
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体育会

4月中旬のある日の朝、蒼は教室に向かっている途中に廊下に貼られて「チアガール募集」のポスターに目が留まった。5月に行われる2年に1度の体育会にむけて、募集が開始されたみたいだ。一読して、男の自分には関係ないなと思い教室に入った。

 教室に入ると、涼ちゃんから声をかけられる。

「蒼ちゃん、おはよう。ポスター見た?」

「おはよう。見たけど、ひょっとして、涼ちゃんやるの?」

「高校生活の思い出にやろうかなと思って。蒼ちゃんも一緒にやろうよ。」

 結局女の子のままでいることを選んだ涼ちゃんは、女子高生生活を満喫しようとやる気にみちているが、蒼は運動が苦手なので断ろうとした。

蒼が断るよりも早く理恵ちゃんから、

「応援するから、やってみたら。」と言われた。

 4月という月は、何か新しい事を始める気にさせる。本来応援する側のチアガールが応援される事に疑問はあったが、蒼はやってみる気になった。

 スキー教室で他の女子と蒼が仲良くしているところを嫉妬した理恵ちゃんが、女子がいっぱいのチアガールに涼ちゃんが入ることを、理恵ちゃんが止めなかったことが意外だった。理恵ちゃんも別れてから心境の変化があったのかなと蒼は思った。


 あくる週の月曜日に初日の練習があり、蒼はジャージに着替えて集合場所の中庭に向かった。向かう途中、ジャージ姿の坂本さんに出会う。

「森田さんもチアガールやるの?」

「涼ちゃんもやるから、一緒にやろうって誘われてね。坂本さんも?」

「一応私がリーダーだからよろしくね。」

 佐藤さんとの関係の誤解はとけたが、いまだに苦手な坂本さんがリーダーであることに蒼は逃げ出したい気持ちになった。


 練習が開始されたが、ダンスが初めての蒼はなかなか振り付けを覚えられず苦戦していた。手の振り付けに意識が行けば足が止まり、足を動かそうとすると手が止まる。失敗するたびに、坂本さんから「ふざけてるの?」「まじめにやって!!」「こんなの小学生でもできるよ!!」などときついダメだしをうける。

 坂本さんはまだ自分のことを嫌っているのか、それとも蒼がダンスが下手なのがいけないのか、怒られっぱなしのまま2時間が経ち、

「次までにきちんと覚えておいて。」

坂本さんからそう言われて、散々たる初日の練習は終わった。

 蒼は落ち込みながら更衣室に向かう途中、一緒にいた涼ちゃんに話しかける。

「涼ちゃんどうだった?」

「なんとかできたよ。部活みたいで楽しいね。」

 蒼は自分のことで精いっぱいで、涼ちゃんの方を見る余裕もなかったが、涼ちゃんはもともと運動神経がいいのか順調だったみたいだ。蒼は、次の練習は水曜日それまでに覚えられるか不安になる。


 男子更衣室に入り、ジャージを脱ぎ制服に着替え始めた。着替えながら涼ちゃんが話しかけてくる、

「蒼ちゃん、ヒップパッドショーツって知ってる?」

「え、なにそれ。」

「今履いているけど、割といいよ。」

 涼ちゃんの姿をみると、お尻に膨らみがあって女性らしい体つきになっていて、ジャージの後姿でも女の子と認識されそうな感じになっている。

「いいね。私も買おうかな。ところで涼ちゃん、理恵ちゃんと上手くいってる?」

「まあ、順調かな。理恵ちゃんとお姉ちゃんと仲良くなって、家に来てもお姉ちゃんとばかり話している。なんかお姉ちゃんが二人になったみたい。」

「もう家に呼んだんだ。涼ちゃんも理恵ちゃんの家に行ってるの?」

「春休みの宿題、一緒にやろうって言われて、この前行ったよ。で、それでね。あっ、やっぱり言えない。」

 涼ちゃんは、恥ずかしそうに照れて、続きを話してくれなかったが、蒼はなんとなく想像はつく。蒼はあともう少しだったが、涼ちゃんは最後までいったみたいだ。

「えっ、なになに、教えてよ~。」

 蒼は想像がつくと理恵ちゃんと付き合っていたことがバレるので、話をあわせてみる。涼ちゃんは照れて顔が真っ赤になっていった。


 部活終わりのはるちゃんと理恵ちゃんと、校門で待ち合わせとなっていた。いつもは部活があるのではるちゃんとは一緒に帰れないが、今日は一緒に帰れるので待ち合わせをしていた。

 早速、涼ちゃんが理恵ちゃんに、今日のダンスのことを嬉しそうに報告している。二人の時間を邪魔しないように、涼ちゃんと理恵ちゃんとは校門前のバス停で別れて、はるちゃんと駅に向かう。

「蒼ちゃん、チアダンスどうだった?」

はるちゃんが尋ねてくる。

「できなくて、怒られっぱなしだった。」

「最初からできなくてもいいんじゃない。これから頑張ればいいよ。」

そう言って、落ち込んでいる蒼の手をはるちゃんは握ってくれた。

 

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