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高校の制服がスカートだった件  作者: humihumi1234
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バレンタインデー~森本涼介~

 2月13日の日曜日、涼ちゃんこと森本涼介は姉と一緒にお菓子作りをしていた。

「涼ちゃん、そろそろオーブン予熱しておいて、180度にして。」

そう言われ、涼介はオーブンの予熱を設定して、開始ボタンを押した。姉を見てみると真剣な表情で、小麦粉や砂糖を1g単位で正確に計っている。

「お姉ちゃん、そんなに正確に測らないといけないの?」

涼介が質問してみると、

「お菓子作りは1g、1度で変わってくるから、レシピ通りに作らないとうまくいかいの。料理はだいたいでも作れるけど、お菓子はだいたいではダメね。」

 姉は、涼介にお菓子作りの難しさを教えた。涼介は大変だなと思うとともに、一つ一つ工程を指示通りにこなしていくことに面白さも感じた。


 明日のバレンタインデー、涼介はチョコを渡して理恵ちゃんに告白するつもりだった。姉に相談したところ、市販品よりも手作りの方が気持ちが伝わるからと、それで朝から姉と一緒にビスコッティを作っている。

 ようやく生地が出来上がり、オーブンに入れる。姉と話をしながら、焼き上がりまでの20分を待つ。

「明日告白する子って、前から言っていたポニーテールの子?」

「そう、理恵ちゃんって子。上手くいくかな?」

「やらない後悔より、やる後悔だよ。」

 姉はそうやって、期待と不安が入り混じる涼介を応援してくれた。


 いつも姉は涼介のことを応援してくれる。子供の時なかなか自転車に乗れなかった涼介に、乗れるまでずっと練習に付き合ってくれた。また受験の時、成績が伸び悩んでいた涼介に、姉は一緒に勉強に付き合ってくれた。シスコンと言われるかもしれないが、それ言われても構わないぐらい姉のことが大好きだ。


 焼きあがったビスコッティを袋に入れきれいにラッピングして、メッセージカードを添える。カードには「これからも、仲良くしてください。」と書いた。もし、告白が受け入れられなくても、友達としては続けていきたいので保険をかけてみた。


 翌朝バレンタインデー当日、放課後になり理恵ちゃんが教室に入ったきた。

「お待たせ。相変わらず担任の話長くて、ゴメンね。」

 理恵ちゃんはいつも通り陽気な笑顔と元気な挨拶に、涼介は嬉しくなった。

「理恵ちゃん、なんか久しぶりだね。」

涼介は挨拶を返しながら、以前は頻繁に昼休みにお弁当を食べに2組の教室に来ていたが、最近はあまり来なくなってしまった。もちろん廊下ですれ違う時はあるが、挨拶だけで最近あまり話していない。


 勉強会が始まる前に、理恵ちゃんがチョコを配り始めた。かわいい袋を開けると、チョコトリュフとメッセージカードが入っていた。みんなに配っているから友チョコだと思うが、手作りチョコをもらえるだけ嬉しかった。


 その後勉強会が始まり、早速涼介は英語の質問を理恵ちゃんにしてみる。いつも通り、理恵ちゃんは教えてくれる。涼介がどこまでわかっているかを一つ一つ確認していく教え方は、なんとなく姉と教え方が似ている。だから、理恵ちゃんを好きになったのかもしれない。


 完全下校時間の6時半に勉強会が終わりとなり、いつも通り4人で校門をでて、学校前のバス停で蒼ちゃんとはるちゃんと別れた。

 理恵ちゃんと二人になり、いよいよ告白する時が近づいてきた。涼介は鞄から昨日作ったビスコッティの入った袋を取り出し、理恵ちゃんに渡す。

「頑張ってビスコッティ焼いてみたから、良かったら食べて。」

「私のために?」

「お姉ちゃんと一緒に作ったけど、理恵ちゃんに食べて欲しくて。」

涼介はそう答えた後に、告白しようと思っていたが言葉が出ない。

「ありがとう。」

理恵ちゃんからお礼を言われたが、このままだとお菓子を渡しただけになってしまうが、どうしても「好きです」の言葉が出てこない。

「味見もしたけどおいしかったよ。」

「あの、その、」

涼介がなかなか言い出せない中、理恵ちゃんを見るとその言葉を待っているのか、見守るような目で涼介を見ていた。もうすぐバスかきてしまう。覚悟を決めるしかない、

「理恵ちゃん、好きです。付き合ってください。」

勇気を振り絞ってようやく言えた。


 理恵ちゃんが返事を言うまでの一瞬が、永遠にも感じた。

「一つだけお願いがあるんだけど、涼ちゃん3年になったら男に戻るって言っていたけど、女の子のままでいてくれる?」

「わかった。それで理恵ちゃんと付き合えるなら、そうする。」

涼介は即答で返事した。どうしても男に戻りたいわけではなかったので、理恵ちゃんと付き合えるなら、女の子のままでもいい。


 帰宅後すぐに、姉が駆け寄ってくる。

「涼ちゃん、どうだった?」

「OKだったよ。」

涼介は満面の笑みで姉に結果を報告した。姉が、よかったねといっしょに喜んでくれた。それで、女の子のままでいてとお願いされたことを伝えると、さらに喜んでくれた。

 姉に理恵ちゃんの写真を見たいというので、以前撮ったプリクラをみせる。

「かわいい。涼ちゃんにはもったいないな。今度3人で買い物行こう。妹がもう一人増えたみたい。」

 姉が嬉しそうにしている姿を見て、涼介も嬉しくなった。

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