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高校の制服がスカートだった件  作者: humihumi1234
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理恵ちゃんの家

11月の勤労感謝の日の前日の昼休みお弁当を食べた後、理恵ちゃんからちょっと話があると言って、人気のない非常階段に呼び出された。

「蒼ちゃん、明日うちに来ない?12月になったらすぐに期末テストだから今のうちから勉強しておこう。部活は午前中に終わるから、午後からうちにきて。」

「うちに来ないって理恵ちゃんの家?祝日だからご両親いるでしょ?いいの?」

「ちゃんと親には話しているから大丈夫だよ。家の外で何しているかわからないより、家の中の方が安心だって言ってた。」

「私がスカート履いているってことも知ってるの?」

「もちろん知ってるよ。むしろ二人とも会ってみたいって言ってた。」


 とくに断る理由もなかったので、結局明日理恵ちゃんの家に行くことになった。今まで女の子同士のような付き合いだったので考えていなかったが、彼女の家に行くことになり彼氏として、男としての、自分を再認識させられる。話はしているとしても、理恵ちゃんの両親が蒼の事を受け入れてくれるか不安だ。

 その夜お風呂上りにブラジャーとショーツを付けた時に、洗面所の鏡に自分の姿が映るのが見える。男性としては細いが、女性としては筋肉質で胸もない体にピンクのブラジャーをつけているのをみて、知らない人からみたら変だよなとは思う。相変わらず男でも女でもない自分を再認識して嫌になる。

 

 翌日着替えるときになって、理恵ちゃんのご両親に会うということで何を着ていこうか悩み始める。制服で行くか、私服で行くかでも悩んだ末、私服で行くことにした。私服にするなら、かわいい系よりキレイ系でシンプルにまとめておいた方が印象がいいかなと思い、スカートはキレイ目な感じのグレーのスカートにした。トップスを白かピンクで悩んだが、ピンクにした。白だと無難だと思うが、理恵ちゃんはかわいいピンクの方が好きだし、ピンクでも上からコートを着れば目立たなくてすむ。

 メイクも派手ではない程度にして、もう一度姿見で確認してみる。やっぱり制服にすればよかったかなとも思うが、もう時間もないので学校指定のコートを羽織り、出かけることにする。玄関に向かうためリビングを通ると、母が紙袋を手渡してきた。

「これ、手土産で渡してきてね。何が好みかわかなかったから、日持ちのする焼き菓子にしているから。くれぐれも失礼ないようにね。」

そういいながら、蒼を送り出してくれた。


 理恵ちゃんの家に向かう途中の電車の車内で、蒼はスマホで「彼ママ」「彼のご両親」などを検索しながら、挨拶の仕方などを調べていた。よく考えれば蒼の方が彼氏なのに、普段から理恵ちゃんに頼ってばかりなので、つい自分の方が彼女の立場だと思ってしまう。

 検索して出てきた挨拶の仕方などを練習しているとあっという間に目的の駅に着いた。


 電車からバスに乗り換え、バスが昨日理恵ちゃんに教えてもらったバス停に着き、そこでバスを降りると理恵ちゃんがすでに待っていた。今日の理恵ちゃんは、パーカーにジーンズのカジュアルなスタイルに蒼と同じ学校のコートを羽織っていた。

「迎えに来てくれありがとう。」

蒼が言うと、理恵ちゃんは蒼の手を握ってきた。そして、理恵ちゃんと手をつなぎながら一緒理恵ちゃんの家に向かって歩き始めた。


「理恵ちゃんのご両親に会うの、すごく緊張する。服これでよかったかな?制服の方がよかったかな?」

蒼は歩きながら理恵ちゃんに尋ね、コートを少しめくり、今日のコーデを理恵ちゃんに見せた。

「大丈夫、二人ともむしろ楽しみにしているみたい。服もピンクでかわいいよ。」

理恵ちゃんにそう言われて、蒼はやっぱりピンクしておいて良かったと思った。


 バス停から五分ぐらい住宅地を歩いたところで理恵ちゃんの家についた。理恵ちゃんはチャイムを鳴らした後に玄関のドアを開けた。

「お母さん、蒼ちゃん連れてきたよ。蒼ちゃんも入って。」

理恵ちゃんはそう言って、蒼に中に入るように促した。

 蒼は電車の中で調べていた、コートは玄関に入る前に脱いで畳んでから入るという訪問時のマナーを思い出し慌ててコートを脱いだ。

 玄関にはすでに理恵ちゃんの母親が待っており、挨拶する。

「森田蒼です。理恵ちゃんにはお世話になっています。心ばかりの物ですが、よろしければ召し上がってください。」

 蒼は来る途中に何回も練習した挨拶をしながら、母から持っていくように言われた手土産の焼き菓子セットを理恵ちゃんの母親に手渡した。

「こちらこそ、いつも理恵がお世話になっています。お気遣いありがとう。本当に男の子なの?女の子みたいでかわいい。寒かったでしょう。さあ入って。」

「ありがとうございます。お邪魔します。」

蒼はお礼を言いながら、ハードルを一つ越えたことにほっとしていた。

 その後、リビングにいた父親にも挨拶して、2階の理恵ちゃんの部屋に向かった。


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