表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/62

初めての料理とウサギ実験。

 

 取り出したウサギ肉を見て気になったこと。

 それは倒したモンスターに対して肉の大きさが小さいということだった。


 いや、ドロップってそういうものなのかもしれないし、気になるようなことでもないかもしれない。

 でも、鶏肉にもも肉やむね肉、手羽があるように、牛肉にローストかヒレとかスネとかあるように、ウサギにもきっと部位があるはずだ。思えば倒してるのは同じなのに、皮が取れて肉が取れないとか、肉が取れて皮が取れないっていうのも、改めて考えたらおかしな話だ。

 もちろん、ウサギとかは現実でも下処理とか冷やすとか血抜きとか必要だったような気もするし、そういうのをとばしているからこそのドロップ品としての画一的な素材獲得なんだろうけど。そこに文句をいうつもりはもちろんないけど、好奇心がうずいてしまったんだから仕方がない。


 ウサギを解体処理したらドロップ、というか獲得できる素材はどうなるのか、ということだ。


 倒してしまうと身体は消えてドロップ品を獲得する。

 でも、先ほどウサギと戦っているときに、石をぶつけたときに気絶したウサギ。そのウサギならば自分で解体のような真似事はできるのではないか?

 そう気になってしまった。


 とりあえず取り出してしまった肉はしまいなおすのも気分的にアレだし、焼きやすいように薄めのステーキみたいに切って、フライパンに一切れ載せた。塩とかは買い忘れたけどセットの中に入っていてよかった。他の調味料はないから塩をふっておく。


 ウサギと戦っていたあたりで拾っておいた枯れ枝とかを使って火を起こした。この辺はリアルだともっと色々必要だろうけど、なんとなく枝を積んで、火打石とセットになっていた火打ち金を使ってなんとなくで火をつけれたから問題なかった。

 その辺は詳しい人とか好きな人じゃないとできなくなっちゃうからね、ありがたい。もしかしたら詳しい人が正式なやり方をしたらそれはそれで何か効果がでるのかもしれないけど自分にはそんな知識はないから、そのまま作業を進める。


 フライパンで肉を焼いていく。油も用意するのを忘れたからないけど、これは普段自炊をすることもあるから問題ない。通常通りでやっていくだけだ。とりあえず火が通ったかな、というところでフライパンをおろす。お皿もないのでそのままフライパンから直に食べることになる。

 焼いた肉を試しに鑑定してみる。


 ウサギの焼肉 レア度1、品質1、よく焼いたウサギの肉。満腹度を20回復。少し焦げている。


 やはり油がなかったのがまずいのか肉をひっくり返したり動かしたりするのに、箸がないからフライパンをゆすったり指でつまんで勢いよくやったのがまずかったのか品質は最低値だった。いや、品質1にマイナスが付くのを知ってるから最低値ではないか。


 手でフライパンからとるとやけどしそうだな。どう考えても熱いだろうから、やけどに気を付けつつつまんで食べる。

 熱い。あとモンスターとして筋肉が発達しているからか、焼き方の問題かちょっと固い。でも簡易食料よりもよっぽど食べてる!って感じがする。あと口がばさばさにならない。

 切って焼いただけでも最初の料理にしてはこんなもんだろう。


 ほどほどにお腹が満たされたから道具を片付けていく。

 使ったまな板と包丁、フライパンは試しにクリエイトウォーターを使って水をかけたらそれだけですぐに綺麗になった。ファンタジー。便利だね。現実でも洗い物って面倒だから結構嬉しい。


 火を起こしたところも、利用が終わったら何事もなかったような状態になっていた。こっちもファンタジー。ゴミが出たら拾おうと思ってたけど、そうはならなかったようだ。


 片付けが終わったことを確認して、再び歩き出す。

 いったん街へ帰ろうかとも思ったけど、さっき気になったことは試してから帰ろう。


 そのために必要になる手頃な石を道すがら拾ってポケットへと入れておく。

 ウサギを見つけたらまず石をぶつける。

 そこで気絶したら実験。気絶せず向かってきたら別のことを試そう。この後のことを想定しながら歩いていると、すこし遠くにウサギを発見した。


 まだ気づかれていない。

 ポケットから石を取り出す。ウサギに狙いをつけて石を振りかぶって思い切り投げた。


 投げた石は逸れてウサギの足元に当たった。さすがにこの距離だと当たらないか。次はもう少し近づいてから投げよう。


 こちらに向かってきたウサギに向かって、失敗したら次に考えていたことを試すべく左手でウサギに向かって手を向けた。


「っし。捕まえた!」


 先ほど運よくできたウサギの両耳掴み、今度は狙ってやったけどうまく掴むことができた。

 実際には左手では顔を掴んでしまったから、右手で両耳を掴みなおした、が正しいけど。


 次に試したいこと。

 解体ではないけど、耳を思い切り切り落としたら、耳は残るのか?だった。


 ウサギが暴れて掴まれた状態で蹴りを入れようとしてくる。そのまま左手で持ち替えて、右手で耳の付け根を狙ってナイフを振りかぶった。


 ボン、という音。


 そして残されたのは何もなかった。

 左手で掴んでいた耳も一緒に消えた。ドロップで落ちていないか確認したけどウサギ耳は入っていなかった。


 失敗。


 でもまだまだ。

 次に遭遇したウサギには、できるだけ息を殺して近づいて先ほどより近い位置から石を投げた。うまいこと頭に石が当たり、ウサギはくたっと倒れこんだ。

 姿は消えていない。うまいこと気絶したようだ。


 さて、グロみたくなったらどうしようかな、と思いつつ、ナイフを皮を剥ぐ感じでその身体に入れた。


 ボン。


 またしてもウサギは消えてしまった。

 また失敗。


 その後も何匹か試してみる中で、うまくいったものは一匹もなかった。ただただ石を当てるのと耳をうまいこと掴むのが上達しただけだった。


 これはできないんだろうか。それとも、解体と言っても知識も何もないからできないんだろうか。試しに冒険者ギルドでやり方を聞いてみるのもありかもな。


 そう思って街へ戻ろうと門の位置をマップで確認する。


「……いや、でも、それなら……」


 もういくつか試したいことができた。

 とりあえずもう1、いや2匹ほどウサギには気絶してもらおう。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ