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解体練習再び その後

 

 狼とイノシシの解体の練習が終わったあと、まだ部屋の時間が余っていたからダスティンさんと一緒に椅子に座って話をしていた。


 魔法石は石自体に事前に魔力を入れていれば入れた分の回数は魔力を使わなくてもその魔法が使用できる。でも魔力がきれていても、魔力をその場で使用するだけでも発動はできる。基本的にその場で魔力を使って発動させるなら石を介さなくても普通に自分で発動した方が楽。

 魔法石の話になったときにダスティンさんが教えてくれたことだ。


「クリーンも石に書かれている内容を理解すれば魔法石を使わなくても発動できるってことですね」

「そうだな。魔法石ありきで魔法が使えるんじゃなくて、魔法ありきで便利に使うために魔法石が作られてるからな。魔力がない奴やその属性の魔法を使えない奴だとか、事前に魔力をこめておくことで旅をしている最中に魔力の温存のために使うとか」

「ウミ……、友人が魔法を発動する文字を書いた特殊な紙を持っていたんですけど、それは魔法石とはどう違うんでしょうか?」

「あー…魔力紙とインクのことか?あれは魔法石と同じように事前に魔力をこめて作成されてるが、一回につき一枚使い捨てだな。一回使ったらその紙はなくなる」

「なるほど……」

「何度も使うような生活魔法は魔法石の方が勝手がいいが、戦いの場で使用するときは使い捨ての魔力紙の方が使い勝手がいい。かさばらないしな」

「確かに石だと持ったままか、しまうかしないと駄目ですけどそれだと邪魔ですもんね」

「ただ、売ってる魔力紙は簡単な補助魔法だとか初歩的な攻撃魔法とかぐらいしかないな」

「どうしてですか?必要な魔力が多いものを事前に作った方が魔力の節約になるし便利なんじゃ?」

「その辺は魔術師ギルドとかそっちの管轄の都合とかだろうけど詳しくは興味ねぇから知らないな。ただそういうのが普通に売りに出されると金さえ払えば誰でもいつでも難易度の高い魔法が使えるようになるから、それだと困るとかもあるだろうけど」

「なるほど……」

 自分たちの能力の価値が下がるといけないからとかそういうことだろうか。


「それに魔力紙にきちんと発動するように書き込むことができるっていうのは魔法とはまた別の能力必要だしな。あと難しい魔法になればなるほど書き込み内容が複雑かつ面倒になるから単純にそれをするだけの時間をかける奴がいないとかか」

「うーん、確かに一枚一枚図を書いて魔力をこめるのって大変そうですもんね」


 どれくらい印刷技術が発達してるかまだ書物と出会ってないから分からないけど、手書きしかダメだったら簡単な魔法にしか使わないのも分からないでもない。どの程度綺麗にかけていれば発動するのかにもよるけど、こういうのは得意不得意があるだろうし。


「そういえば火魔法と水魔法でお湯を出すこともできるって言ってたのはどんな感じですか?」

「クリーンとかと同じで複合魔法だな。出す水を火魔法で温めてから出す」

「……確かにクリーンも複合魔法って言えるのか……」


 にしてもダスティンさん、丁寧に説明してくれるときと雑なときとで差が激しいな。前も魔法については言葉で説明しづらいって言ってたし仕方ないかもしれないけど。


「クリーンは発動できる魔法陣を覚えりゃ使えるし、お湯出すだけならそれに必要な図式を組んでそれを発動させればすぐできるぞ」

「魔法陣とか図式ありきってことですか?」

「単発で使いたい魔法のイメージがあるなら魔法陣くむところから試した方が早いときもあるな。感覚的に色々試すこともできるが、練習してるときにできても咄嗟のときに同じことがすぐできないことも多い。魔法陣が完成したらそれを発動させれば誰でも使えるようになるし、魔法陣があることで消費する魔力も一定で済むようになる」

「その場で想像して魔法を使うより魔法陣を使って魔法を使う方が効率がいいってことですか?」

「その辺は人によるかな。そういうのが得意な奴は魔法陣なしで発動させた方が少ない魔力で発動できるし、できない奴はできない」

「スキルとかも関係ありそうですか?」

「前も言ったと思うが、スキルってのは基本的に大っぴらにしないことの方が多いから、その辺は分からないな」


 うーん、色々話したけど分かったような具体的なことは分からないような。

 やっぱり一回魔術師ギルドにも行ってみるかな。もしかしたらヒントになるものがあるかもしれないし、説明されるかもしれない。

 昨日書いてみたライトの魔法陣も、魔力操作ができるようになったし後で発動できるか試してみるのもいいかもしれない。これができればスキルで使えるようになった魔法以外も魔法陣が分かれば使っていけるし。

 なんならクリーンも魔法石無しでダスティンさんみたいにサクッと使えたら便利だ。


 その後は、ダスティンさんの持ってる鞄についても聞いたりした。

 インベントリ的に使える鞄は売っている場所はもっと大きい街じゃないとないし、買おうと思うと小さなサイズでもかなり高価らしい。

 ポーチとかに回復用ポーションだけ入れて置いたら戦闘中でもすぐに使えるし取り出しやすいから、いつかは欲しいな。装備を依頼するときに、ポーションの瓶やロープを何本かセットできるベルトも頼んだけど、やっぱり本数に限りがあるし。

 魔術師ギルドに売ってる魔法紙やインクも気になるし金がないとできないことも多いから金策をもっとできる方法がないか考えたい。とはいえポーションでアコギな商売するのは考えてないけど。


 そうして話していたら解体練習のために部屋を借りた時間が終了した。

 部屋の中を綺麗に片付けてからダスティンさんへお礼をし、冒険者ギルドを後にした。


 今日はイノシシと狼の解体も終わったことだし、ロルフさんから教えてもらった食事処、小鳥亭へ納品をしよう。どんなものが食べられるのかも知りたいし、今の時間でもお酒の提供があるみたいだからお店は開いているだろう。

 その後は魔術師ギルドにも行きたいし、解体で出た内臓を農場へ渡しにもいきたい。農場へ行く途中で、前は売り切れていたパン屋さんとかもやっていたら見てみたい。


 指折りやりたいことを数えながら小鳥亭へと足を進めた。


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