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お礼と会話

前の話の最後一文を少し変えています

 なんとなく手を外す気にもならず、そのまま手を取られたまま道具屋へ向かって歩く。

 先ほどの場所から少し離れたあたりで口を開いた。


「……あの」

「ん?」

「さっきはありがとう」

「いや、もっとスマートにできたらよかったんだけど」

「あのままだったら私も大きい声出すかなにかしてたと思うから助かったよ」

「そっか」

「ぱっと見子供だから多分どう動いてもスムーズにはいかなかっただろうしね」

「あぁ、それはあるかもなぁ」


「さっき、どうしてウミはあの人に殴られたの?大丈夫だと思ってたから驚いたんだけど」

「あぁ、ハラスメントブロックの設定を指笛の後に一時的に変えたんだ」

「……ちなみにどうしてか聞いてもいい?」

「あの音量の指笛なら衛兵が来るだろうって思ったし、ハラスメントの設定解除したら胸倉ぐらいなら掴まれたりするかなと思って。そしたら周りの人も証言しやすいでしょう?」

「そうなんだ。……ウミ、思ってたより無茶する感じだったりする?」

「そんなことないと思うけどなぁ」


 ただ僕達の姿は今は子供だし、一方的に絡まれただけで悪いことはしていないわけじゃない?言ってることだって向こうの一方的な要望だし。

 それなら分かりやすく向こうが悪いって思ってもらえるならそれでいいかなって。

 まぁ殴られるとは思ってなかったけど。

 殴りに関してはPK禁止でも反応しないんだね。スキルの使用の有無とかかな。


「あ、設定も戻しておかなくちゃね」


 ウミはそんなことを言いながら指も手も動かさずに設定を戻しているようだった。

 器用だな。私はまだウインドウを開くときはなんとなく指を動かしてしまう。

 渡したポーションはまだ使っていないから、その頬は赤くなったままだ。


「そういえばウミはやることしたら一旦ログアウトするって言ってなかったっけ?」

「あぁ、魔術師ギルドに行ってたんだよ。広場に移動しようと思ったらチョッキを見かけたから」

「そうなんだ。ログアウトはいいの?」

「うーん、とりあえず道具屋までは一緒に行こうかな。別に急いでログアウトするわけじゃないし」


 魔術師ギルド。

 場所は教えてもらったから知ってるけど、まだ行ったことのない場所だ。

 魔術師ギルドについても話したいけど、今は他にも聞いてみたいことがある。


「ちなみにさっきの指笛のとき、何か握ってなかった?」

 指笛ってあんなに大きい音出るものなの?


 指笛、二種類ぐらいやり方を知ってるけどリアルでは私はどうしても音を出すことができなかった。指で輪を作って鳴らす方って綺麗にふけるとカッコいい感じがするから子供のころは吹けるようになりたかったんだけど。

 それはいいとして、先ほどちらと見えて気になっていたことを尋ねる。


「あぁ、指笛自体はそれほど大きい音は出ないかな」

 持ってたのはコレだよ。

 大きい声出してもよかったけど、間に入ったのに叫んだり助けを大声で呼んだりってなんかちょっと格好つかないし。


 そう言って再びポーチから何かを取り出して見せてくれる。

 渡されたのは10センチ四方ぐらいの小さな紙だった。


「これは……魔法を発動する文字、かな?」


 渡された紙には、魔法石と同じように記号のように並んだ文字列が書いてあった。

 文字の意味は分からないけど、何らかの意味があるんだろう。

 音を大きくする魔法とかだろうか。


「あ、見たことあるの?」

「いや、見たことがあるのは違うものだけど、なんとなく似てるかなって」

「そうなの?それってどこで見たとか」

「簡易の魔法石に記載されてた内容がこんな感じだったよ」

「魔法石?」

「うん。生活魔法の。……もしかしてこの紙、魔力を通すっていう特殊紙?」

「それも知ってるんだ。魔術師ギルドに売ってるんだ」

「そうなの?私はそっちが気になるよ」

「僕も魔法石とか生活魔法とか気になるかな」

「魔法石なら今からいく道具屋で準備をお願いしてるからもしかしたら見れるかもしれないよ」

「ホントに!じゃあ送ってくだけって思ってたけど、一緒について行ってもいいかな?」

「うん。ウミの時間が大丈夫なら」


 そんなことを話していたら道具屋へ着いた。

 特殊紙に書かれた内容についても聞きたかったけど、その前に着いたから一旦話は中断して道具屋へと足を踏み入れた。


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