初級ポーションの納品
前回の終わり部分の行先を生産者ギルドに修正しています
街へ再び戻ったあと、まっすぐに生産者ギルドへ向かう。
ギルドは相変わらず人が多いけど、カウンターに並んで順番を待つ。建物内にいたらウインドウからでも納品はできるけど、職員の人に聞きたいこともあるから待つことにした。
受けている依頼は二つ。今の手持ちの初級ポーションは全て店売りと同じ回復量のもので作ったし、道具屋で納品する分をよけても必要があれば同じ依頼を繰り返すこともできるぐらいの量は十分だ。
納品クエスト
内容:初級ポーションを5個納品する
報酬:初級ポーションレシピ、薬草10個、小瓶5本(先払い)、200ノード
※ただし店売りと同等の回復量のものに限る
納品クエスト
内容:初級ポーションを10個納品する
報酬:薬草20個、小瓶10本(先払い)、1000ノード
※ただし店売りと同等の回復量のものに限る
ウインドウを開いてインベントリや依頼の確認をしていると、しばらくして順番がきたことを声かけられたので案内された席に座る。
「こんにちは」
「はい、こんにちは。今回はどのような用件でしょうか?」
「受けていたクエストの納品になります」
「現在受けられている依頼は初級ポーションの納品二件ですね。こちらに納品するものを置いてギルドカードを渡してください」
「お願いします」
初級ポーションを15本納品した。
「はい確かに。回復量も問題ありませんね」
レシピ付きの納品依頼では回復量の少ないものを提出される方も多いので助かります。その分少しだけですが色をつけて報酬をお渡ししますね。
そう言われて報酬を確認したら、確かに100ノードだけ多めに支払われていた。気持ちばかりでも嬉しい。
「他には何かありますか?」
「ポーションについてですが、まだ不足は続いているんでしょうか?」
「……そう、ですね。店売りと同程度のポーションの納品だと、あまり受けてくださる人がまだ多くなくて」
「そうなんですね」
「もし必要であれば追加で納品の依頼を受けたいんですが、まだ今回受けたものと同じで材料がついてる依頼はありますか?」
「本当ですか?助かります。まだ街全体での不足は続いているので、そちらの依頼も引き続き出しています。」
「それなら…3回、30本分受けてもいいですか?」
「ありがとうございます。作業場を利用されたりしますか?」
「いえ、自分で多めに作った分があるのでこのままこの場で納品します」
いただいた材料はまた追加で作るのに使用しますね。
そう言って依頼を受けて納品、という流れを3回ほど繰り返した。
今回ここで報酬としてもらったのは4,300ノードと初級ポーション30本分薬草と小瓶。
普通にギルドに売ってもいいらしいけど、依頼として達成することでギルドへの貢献度なども上がるし、そのうえ材料も貰えていいこと尽くめだ。
「ありがとうございます。隣街からポーションが一定数届くまでにはまだ何日かかかりそうなので、また追加で引き受けていただけたら助かります」
「そうなんですね。大丈夫です、できればまた持ってくるのでそのときはよろしくお願いします」
小さく会釈をしてから席を離れた。
今回の報酬にニーナ達からポーション代として貰った分があるので、多少は手持ちに余裕がある。何かレシピでも、と思って見ていたけど初級MPポーションのレシピを選んで買うを選択する直前に、そういえば道具屋に納品するなら簡易魔法石の代金もいるなと思い出して買うのをやめた。
あぶなかった。
今なら1つなら余裕を持って買うことができるし、どれくらいで準備ができるか分からないけどもしも用意ができていたら是非買いたい。思い出せてよかった。
生産者ギルドを出て今度は道具屋へ向かうために足を進め始めた。
「お嬢ちゃん」
ゲーム時間で6時からログインしてから結構長く時間が経過したような気もするけど、まだ現実時間では3時間も経っていない。明日に備えて寝るにしろ、まだログアウトするには早い時間だ。そもそも普段ならまだ家にも帰っていない時間だし眠くもない。
道具屋に行ったあとも冒険者ギルドへ行く時間もありそうだ。
「おい、聞いてるのか?」
簡易魔法石、用意できてるかな。それともまだできてないかな。
もし全部用意されてたら最初に欲しいのはクリーンの魔法石だ。これが買えたら試してみたいことがいくつかある。魔法石に書かれた文字や図も確認したい。
「おいそこの!とまれ!」
「無視すんなよ!」
「え、」
目の前に急に影がかかった。下の方に下がっていた目線を正面に向けると男の人が三人立っていた。




