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続 ウサギ実験

 

 私の目の前には気絶したウサギ。


 とりあえず触って完全に意識がないのを確認する。ついでに撫でてふわっとした感触を楽しむ。こんなにふわふわで可愛くないともいえない動物をさっきから倒してたかと思うと罪悪感あるな、少しだけど。


 気絶したウサギをインベントリに入れて持って帰る。そして現物をもって実演できる人がいないかを聞く、これが試したいことだった。


 くったりしたうさぎを抱いて、インベントリを開く。

 操作の仕方が違うのかな、と色々いじったけどウサギをインベントリに入れることはできなかった。


 仕方ない、じゃあ次だ。


 ドロップ品のウサギの皮を一枚取り出す。ナイフを使って、自分にできる範囲で細目に裂いていく。目標としては1センチ程度だけど、大体3センチ前後ぐらいの細さの皮をいくつも作る。それらを革細工よろしく、何本かを丈夫なヒモのようなものになるように編んでいく。裂いた分を使って何本かヒモをつくった。


 ちゃんとしたレザーで編んだわけではないわりにはそれらしくできたのでは?本当はロープとかの方がよかったかもしれないけど、買いにいくのも手間だし、試しにこれでやってみよう。


 作ったヒモを試しに鑑定すると、ウサギの皮を編んだ細目のロープ。少し短い。と出ていた。鑑定的にもロープ判定貰えてるなら大丈夫では?


 そう思いつつ、気絶したウサギの前足、後ろ足をそれぞれ作ったヒモで結んで固定する。

 長さが足りないときは、いくつかを結び合わせて長くして使った。前足と後ろ足を縛った部分を更にヒモで結んでくくる。


 このヒモでウサギが起きたときにちぎれないかは気になるけど、とりあえずはこれでいいだろう。ヒモを作っている間に、1匹は目覚めてしまったのでもう一回眠って貰おうとグーで叩いたら石の分のダメージと合わせてか消えてしまった。いま縛ったのは別のウサギだ。

 ごめんねウサギさん。いや、連れて帰ってもやることは解剖だからどっちみち変わらないだろうけどさ。


 ヒモで縛ったあとのウサギをインベントリにしまうために再び操作する。そうすると、今度は縛られたウサギはインベントリに収納されたのだった。


 インベントリに入ったウサギは、表示がウサギ(生け捕り)と出ていた。また、枠は1マスではなく、4マスほど埋まった感じで表示されていた。これは大きさによって使うスペースが違うってことかな?インベントリにしまえたのは起きた後に動ける状態か否かで変わるのかもしれない。


 さてと。そのままだとインベントリにはしまえないこと。

 縛って起きても動けない状態であればインベントリにしまえること。

 革細工とかのスキルを持っていなくとも、リアルでやったことがあれば別にそれらしい物は作れること。

 ウサギはふさふさで柔らかいこと。

 これらが初めての料理以降で分かったことだった。


 同じようにウサギの皮を使ってなんちゃってロープを作り、もうあと2匹ほど気絶させて縛り、インベントリに収納した。

 解体を実演できる人がいた場合、見せてもらうのに1匹、教えてもらう、自分でやってみるでとりあえず最低限は足りるだろう。


 次は街に戻って、解体ができるかどうか。解体できる人がいるかどうかの確認。

 教えてもらえないか、実演してもらえないかを頼む。ついでに依頼達成の報告。

 こんな感じでいいだろう。


 狩った肉で余ったものを食事処におろしていると言っていたから、とりあえず屋台のおじさんに聞いてみてから冒険者ギルドへ行くのもいいかもしれない。


 ウインドウを開いて時間を確認する。

 ゲーム内で4時間ほど経っていた。現実では1時間半弱だ。

 黙々と作業をするのは嫌いじゃない。仕事のこととか考えず、こんなに熱中して何かをするのなんてすごく久しぶりのような気がする。大きなことではないけど、小さいことでもやりたいこととか気になることが出てくるのも嬉しい。


 そういえば仁奈はどうしているだろうか。仁奈も今日明日は休みをとったと言っており、ログインしたら会おうと言われていたけど時間とかは決まっていなかった。

 街へ帰ったら一度ログアウトしてトイレと水分補給ついでにスマホで連絡してみようかな。ゲームを始めてからそんなに経ってないけど楽しいよって伝えられたらいい。


 そんなことを考えながら南門へと足を進めた。


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