2.光と何?
歩きはじめたスズキ君。
腹を強打し、スネを強打し、踏んだり蹴ったりな彼に襲い掛かる白い部屋。
白い部屋のスズキ君。第2話お楽しみください!
僕はある事に気が付いた。
影が無いのである。板の影は落ちていないし、僕自身の影も地面に落ちていない。それどころか地面に着いた手の甲が少し暗く見え、地面に近づければ近づける程手のひらが明るくなった。
つまり、この空間のあらゆる物は白く光っていて、段差も何もかもの陰影が一切ないのだ!
この部屋の中で光っていないのは僕だけなのかもしれない。
もしかしたら他にもあるのかもしれないけれど、溢れんばかりの光の中で隠されてしまっているのかもしれない。
僕は怖くなった。見えているのに見えていないのだ。何も見えない暗闇の中と何ら変わらない。
それでも僕は歩きはじめた。僕は右足を引きずり、左手でお腹をさすりながら。
ガチン!
おでこを打った。
おでこを押さえて悶絶した。
足を引きずる事で前傾姿勢になった瞬間に右側張り出した何かにぶつかった。
もう少し下にあったら目がいっていたと思うとゾッとする。
何に当たったのかと探ると、角がある。立方体の角の様な物がそこにはある。
そして僕は閃いた。
この角を伝って進めば何かにはぶつかるはずだと。
僕はまた歩きはじめた。足を引きずり、お腹をさすり、角を伝いながら。
歩くのをやめてはいけない様な気がした。歩き続けないといけない気がした。
だから歩いた。歩いて、歩いて、歩いた。
すると強い光を感じた。
「・・・・シ・・・・シ・・・・」
音が聞こえた。
少しずつその音の方へと歩みを進めた。
「・・・ロシ・・・ロシ・・・・」
声だろうか?僕はまばゆい光の中、聞こえる声を頼りに声のする方へと歩いた。
周囲の光はその声に近づこうとすればする程明るくなる。
「・・ヒロシ・・・ヒロシ・・・」
僕の名前だ。
かなりまぶしくなってきた。
「ヒロシ!」
聞き覚えのある声だ。
あまりの明るさに僕は目を閉じた。でも歩みを止める事だけはしなかった。
「ヒロシ!!」
あぁ・・・これは母さんの声だ。
「ヒロシ!!聞こえるか!?」
これは父さんだ。
僕は思い切って閉じていた目を開ける事にした。
ここまで読んでいただき誠に有難うございます。
あらすじの最後に書かせていただいた「あなたはスズキ君と同じように歩きはじめる事は出来るだろうか?」と言う問いですが、私は正直歩きだせないかもしれません。仮に歩き出しても途中で歩みを止めてしまうのではないかと思ってしまいます。
皆様はどうなのでしょう?色々な作品を見聞きしている方達ばかりでしょうからきっと大丈夫だと信じております。
次で最後です。オチは大方予想が付いているとは思いますが最後まで読んでいただける幸いです。
この駄文まで読んでいただき本当に有難うございます。
最後に問います「あなたはスズキ君と同じように歩きはじめる事は出来るだろうか?」