チート授与式
お約束のアレ
何処だここ?確か...美少女に追いかけられてもみくちゃにされて、グヘヘってしてたら幼女とイチャイチャしなきゃならない使命感があふれて、ええとそれから… うーん、思い出せないぞあれれー。
「いや、拡大解釈の息を超えて歴史改竄してるよキミ」
「誰だ!?」
と人生で使いたい言葉ランキング53位くらいの名言を放ってみたらそこにはなんかブスがいた。
ラノベ特有のお決まりの絶世のブス女である、ん?お決まり?テンプレがさぼってやがる。
そのブス女をこちらが認識したのが分かったからなのか口を開き
「木更津遊汰24歳。出生後すぐに捨てられ天涯孤独。高校卒業後は首席にも関わらず大学には行かずフリーターとなり毎日を怠惰に過ごす」
ブスはいきなり個人情報を漏洩し
「趣味はスロットばかりで友人とよべるのも1人。会社での評価も……ってさっきからブスブスブスってうるさーーい!これは仮の姿だからそー見えるの!」
ブスはいきなり情緒を不安定にし
「だーかーら、もうさっきからふざけすぎ!君は死んだの!頭を打って即死よショック死よ!」
うーん、まぁこの見慣れないブス浮いてるんだよなぁそりゃ納得せざる得ないかぁ。
「死んだのは知ってるけど?で、なに?ブスと喋ると人間強度がさがるんだけど?」
「イラッ……仕方ないわね」
そうブスが呟いた瞬間あたりは光に包まれ眩しく俺の目が、 目がァァァア。
バルス!と心の中で唱えると目の前には初恋の人がそのまま大人になったような姿で浮いている。
「え、っと初めまして!俺は木更津遊汰。趣味は料理で、仕事は公務員してます」
気づいたら自己紹介してしまったそれも盛大に盛りに盛った。
「はぁ。………初めまして趣味は個人情報漏洩したり情緒不安定になることで、仕事は空間に浮いているブスしてます」
なんて独創的な趣味なんだろうか、可愛い。
仕事も浮くとか可愛いなぁ………ん?いや、え、まじか。
「つかぬ事をお聞きしますが先程の?」
「YES」
「なるほど、まったくわからん」
「…そうね、話進めても?」
分からないと言う俺を無視し、逆に疑問形とかコミュ障かよこの神。
美少女だからいいけどとねと思いつつ俺は真摯に
「はい、俺達の結婚の日取りとか進めないとですよね?」
こちらの言葉に喜んだり怒ったり落胆したりと、百面相をする
美少女は落ち着きを取り戻すために深呼吸をした。
「容姿が変わっただけで態度もクルックルに変わるのねアナタ。でも、もう話は勝手に進めることにするわ。私は八百万の神の1柱。名称は無いわ。私達八百万の神は暇を持て余してるものが多くてね、今回君をスカウトにきたんだよ。スカウト!あーゆーおけい?よくある異世界転生のテンプレだよ以上!説明終了」
と自称八百万の神は矢継ぎ早に口にして言葉を吐き出すように勝手に進行し勝手に終わらせた
「おーけい!なるほど!じゃあさ恩恵とかギフトとかあるんですかね?」
「あら、話がはやいわね。この3つのカードの中から選びなさい。1つは万能チートだから安心していいわ。もう1つは少し扱いにくいけど運用次第でで最強にもなれる。最後はね、、アンノウン!完全な運任せ私も知らないわ、だけど君にはお似合いだよ」
なるほどね、堅実か、背伸びした夢をとるか、ワンチャンにかけるかの3択ね、気に入った面白い。
このギャンブル依存症をなめんなよ八百万の神様よ!
「万能チートで」
「…え?」
「堅実で安定したチートで」
時が止まった神にもう一度ゆっくりと伝えてみると美少女神様は咳払いをしてただ居住まいを整えて
「あら話が早いわね。この3つのカードの中から」
「おいこら、無かったことにするな神様」
「いや、だってアナタ、賭け事好きじゃない?だからわざわざ選択制にして面白い演出作ったのに、なんで平均年収や安定や外聞を気にするTheサラリーマンみたいな考えは聞き間違いかと思ったのだけれど」
うむ。
この美少女なかなか俺の事を知っているな!だが男なら誰だって夢に見るのだ。
ハーレム王やチート無双に!安〇先生…チートがしたいです。
「さぁチートはよ」
「そうですか。遊汰君にはチート能力を授けましょう。もちろん異世界でも言語の壁はありません。例外はありますが、基本的なサポートはしてありますので、それから目的などはありません。好きなように生きて下さい。そして質問は残念ながら受け付けません」
美少女神は会社説明会のテンプレよろしく事務的に話を終わらせた。
その際に一瞬だけ似合わない笑みを浮かべたのは俺の思い過ごしだろうと思い次の言葉を待つ。
「………さて、準備も出来ましたし転生させますね(食い下がってこない?おかしいわね)」
「バッチコーイ」
そして転生陣らしきものがあらわれ俺の体は吸い込まれるようにして消えてゆく。
あと少しで頭も消える頃に笑顔の神に伝える。
「…………なぁ嘘つきは1人だけか?」
八百万の神と名乗る可憐な神様には先程の笑みはなく、逆に遊汰はここ一番での笑顔のもと旅立った。
え、小説って難しい無理