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02_執行神の夜は遅い?

 ――死刑執行神の夜は遅い。


 グビ、グビ、グビ……。


「ぷはー!やっぱりお風呂の後のコーラは旨い!!今日もリア充を集中的にブッコロした後の一杯は旨いね!」

 

 執行神は今日の仕事に満足しているようだ……!


「って!なるか!!何!?なんでリア充死に過ぎじゃん!!アホか!!日本だけで398件もリア充案件とかドジっ子過ぎる!普通に死ね!てか、走馬灯に来るな!!」


 彼女がいるセカイは『走馬灯:アルカトラズ』生者と死者の狭間にあるセカイ。


 老衰と病死の場合は『走馬灯』ではなく、『三途の川:の川』へ行く。余談になるが、三途の川に行くと戻れない。だが、彼女がいるアルカトラズからは『リリィ』の判断で帰る事ができる。


 ――彼女は可憐な美少女だ!

 沢山の人々を死へと導いているとは思えない……幼さが有り余る容姿……。


「お前!いま、鉄板だとか貧だとか言わなかっただろうな!」


 ――っと、容姿は人間の幼い子供のように見えるが、とてもとても偉大な御方である!


「……セーフ……か?セフトか!?」

「……まあ、セーフにしといてやるか」


 ここアルカトラズは生死の狭間に堕ちた者達を導く館だ!


 アルカトラズの主『リリィ=アマリリス』は、走馬灯に堕ちた人々を審判し、導く。


 ――ただ……。


「入るわよ!リリィ!」


 ギーっとアンティークの扉を開き由良ゆらがリリィの寝室兼リビングである『リリィの居室』へ入室してきた。


「もう……リリィ……今日も!リア充は容赦なく地獄送りにするのはどうなの!?」

「幸せに暮らしている人々に優しさとか無いの!」


 そう、リリィはリア充は容赦なく地獄送りにするのだ!


 ……?

 そういえば、3案の男子学生は『幸せを掴んだ』はずだが……?


「結局、3案も男の娘……ホモ堕ちじゃない!しかも受けで、相手はデラックスじゃない!」


「……ま、まあ……可愛いけどさ……あの娘……」


 ――クッころ案件以上に悲惨だった!

 DTを捨てられず漢に処女を捧げた人生だった……!しかも巨漢デブに心まで蹂躙された!


「別にいいじゃん!あいつの住んでるアパートの一階は『肛門科』にしてあげたじゃないか」

「素晴らしき温情!」


 ――と、リア充は仮に生き延びたとしてもマトモな余生を過ごすことは出来ないのだ!


 可憐な容姿とは裏腹に、あぐらをかき鼻をホジホジしながら反対の手を使いポテチを頬張っている。

 『I♡死刑』とプリントされた愛用のTシャツに袖を通し、コーラをガブ飲みしてキメる!

 可憐な金髪の髪は風呂上がりで乾かさず、ボッサボサになっていた。



 可憐な……!


「可憐可憐うるせー!」


 バーンっと机の上に置いていたコーラがあらぬ方向に飛翔しぶつかった!


「って、私だって鬼じゃないわ……3案は幸せな人生を送れたじゃないか。しかも可愛い男の娘に仕上げたわ!」


 由良ゆらはヤレヤレ感を100%出して答える。


「あのね……いくら容姿端麗でも内面がヘドロの様なリリィには幸せなんて来ないから!!……って言いたいところだけど、そもそも、『リリィが求める相手』は手に入らないから!それは犯罪……というか、鏡に写った自分でも観てオナってたらいいじゃない?」


 どうやら、この執行者は小さい女の子を所望するようだ……!


「おい!私はロリコンではないぞ!!」


 どうやら、幻聴が聞こえるようだ……!


「……し、し、し、死……!」


 御方は偉大なり!


「……ちぇ……根性無しが!」


「リリィはちょっと殺しすぎだよ?着任から3ヶ月で歴代年間執行記録をアッサリ更新しちゃってるんだから」


「由良ちゃんは甘いのよ……というか、チタマの連中は『宗教』とやらをまだ信仰してるんだろ?」

「文明が出来てから何年経過してる?そろそろ『神様』信じるとか卒業しとかないと?バカじゃね?」


 ――いやいや!あんた『神』だろ!ちゃうのか?


「それ、神様が言う!」

 由良は正しいツッコミをした!


「ええ……面倒くさいな……神様なんて異世界転生モノでよくある胡散臭い連中じゃん!」

「というか、最近の異世界モノでも女神の扱い酷すぎ!」


 かくいう、リリィも大概だが……。


「チョット!異世界転移?そんなのあり得ないし!ウチ、死刑専門!由良、災害専門!」


 なにその……リーサル的返し……。


「OKゴット!グラスにコーラチャージして!」


「……ビールジョッキ弐コーラWOチャージ島須!」


 ――全自動でビールジョッキにコーラがチャージされた!


「ふむ、さすがAIビールジョッキ。炭酸キマってるコーラがチャージされた!」


 ――一応、リリィは未成年の為ビールはチャージできないようだ!


「いやいや……神の加護をコーラのチャージに使う!聖杯でコーラをオートチャージって……」


 ……AIビールジョッキではなく、『聖杯』だった!聖杯の在り方を巡り戦争が起きる!


「驚くなよ?由良!この聖杯、コーラしかチャージできないんだぜ!」


 ……人々はキンキンに冷えた美味しいコーラが飲めるビールジョッキの為に戦争や殺戮を繰り返したのだった……!


 ――めでたしめでたし。


 え!?2話これで終わり!?

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