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「ふぁ~あ 今日は火曜日か とりあえず セーブするまでは安全に過ごさないとね~」
俺は一緒に寝ていたフィレのほっぺを指で ぷにゅぷにゅ っと
フィレは目を覚まし 真っ赤な顔で
「ご主人様 おはようございます」っと
俺はフィレの頭を撫でながら
「おはよう フィレ 月曜日までは のんびり観光するつもりだから 今日はフィレの必要な物を買いに行こうか」
「えっ は はい」
フィレには 深く被れる帽子を被ってもらうことにした
通り過ぎる人達から チラチラと見られていたが
エルフの特徴的な耳を隠した途端 注目されることはなくなった
可愛いが耳さえ隠せば幼い普通の女の子に見える
ロリエルフと言っても 18歳の俺より2つ年上の20歳だ
レベル1だがエルフは魔力が高く
攻撃魔法だけでなく回復魔法も覚えることが出来るそうだ
フィレはレベル1だが既に風の攻撃魔法と初級の回復魔法が使える
(さて これから どうしようか 所持金は5億あるから 贅沢をしなければ のんびり何十年も遊ぶことは出来るけど ・・・)
・・・
贅沢をしなければ
・・・
フィレに見栄を張って 毎日 10万エンの宿に泊まり 食事も毎日豪華な物を食べている
(まあ それでも 最低でも5年以上は過ごせるだろうけどね)
日曜日になると街の広場に沢山の露天が出ていた
このテポーノの街では日曜日のみ この広場で誰でも店を構えて物を売り買いすることが出来るそうだ
小物から大きな物まで何でもいいようだな
ポーション等のアイテムを売っている人や剣や鎧等を売っている人等 さまざまな店がある
通常の店は 新品が100%とすると買取出来る物は50% 中古は90%で売っている
この広場では新品の60%~80%くらいで買うことが出来るようだ
(う~ん 鑑定が出来ない人は騙されたりしないのかな?)
俺が使える鑑定は武具も鑑定することが出来て 品質まで分かる
街の店で売っている中古品は修復魔法で耐久度が100%になっているのだが
(あの武器の耐久度は12%か ダメだな)
武具の修復魔法は武具職人だけが使えて レベルが高くなれば 等級の高い修復魔法が使えるようになる
レベル1の武具職人が使える修復魔法Fは耐久度80%以上の武具を耐久度100%に
レベル10の武具職人が使える修復魔法Eは耐久度70%以上の武具を耐久度100%に
レベル30の武具職人が使える修復魔法Dは耐久度60%以上の武具を耐久度100%に
レベル50の武具職人が使える修復魔法Cは耐久度50%以上の武具を耐久度100%に
レベル80の武具職人が使える修復魔法Bは耐久度40%以上の武具を耐久度100%に
レベル100の武具職人が使える修復魔法Aは耐久度30%以上の武具を耐久度100%に
レベル150の武具職人が使える修復魔法Sは耐久度20%以上の武具を耐久度100%に
耐久度が20%未満になれば誰も修復することが出来なくなるそうだ
それに武具職人は高レベルの人が少なく この街の武具職人の最高レベルは51
つまり50%未満だと修復出来ないのだ
レベルが高い武具職人に頼むと料金が高いので レベル1の武具職人に小まめにお願いするのがいいみたいだ
まあ レベル1の武具職人に修復してもらうのは安いのだが それでも1回3万エン
鉄の剣等の安い武器なら使い潰した方が安く済むそうだ
(戦闘中に壊れても困るけどね~ どうなんだろ まあ お金があるから 高い装備を小まめに修復してもらった方がいいのかな?)
見て回っていると フィレが小さな声で
「ご主人様 あれっ」
フィレが指差す店には沢山の武具が並べられている
そして そこには
(おおっ 凄い オリハルコンの剣 S級の剣だね それも2本も)
値段は8万エンと物凄く安い
が
見るからに壊れそうだ
刃こぼれをしていて 傷だらけ
鑑定すると S級の剣 耐久度3%
もう1本は 耐久度2%
俺は小声でフィレに
「壊れそうで使えないよ」っと
すると フィレが
「ご主人様 2本買えば 新しく作れますよ」っと
(えっ そうなのか ・・・ お得なのかな? 素材としての価値はどれくらいなんだろ?)
(まあ 2本で16万エンなら)
「その壊れそうな剣を2本いいかな 練習用によさそうだね」
「2本ですか それなら 15万エンにしますよ 他のはどうですか 安くしますよ」
(他のは いらないかな~)
っと 思っていたのだが
フィレが俺の腕を軽く引っ張り 指差す
そこには
見た目がミスリルの剣があった
値札にはミスリルの剣 1本 1千万エンと書かれている 綺麗に磨かれているが
(俺の鑑定では 鋼の剣となっているんだけどね)
鋼の剣になにか細工をしているのだろうか?
「今はお金がないからね 強くなってから考えようか」
フィレはコクリとうなずく
俺は15万エンを支払い その場を後にした
・・・
「で この剣で新しい剣が作れるのか?」
「はい A級の武具職人ならオリハルコン装備が作れると聞いたことがあります」
「A級? え~っと 」
「あっ レベル100以上の武具職人のことです」
(100 レベル100って そんな武具職人がいるのかな?)
「高レベルの武具職人は少ないって聞いたけど どこにいるか分かるか?」
フィレは首を横に振りながら
「すいません わかりません」っと
(まあ 強い剣の素材が安く入ったということか)
武具職人のことなら 武具職人に聞くのが一番だろうと思い
この街で一番レベルの高い武具職人がいる店に向かう
・・・
すると
「おっ オリハルコンか 小僧 これをどこで それも2本も これをどうするつもりなんだ」
「えっ これで剣を作ってもらおうかと」
「ほう これで剣をか 小僧のレベルはいくつだ まあ 銅プレートなら そこまで高くないだろう レベル80くらいか?」
「えっ その レベル1ですが」
「なっ レベル1だと そっちの譲ちゃんは」
フィレが小さな声で
「1です」っと
おじさんは う~ん と唸りながら
「そうだ 小僧 これを売ってくれ 小僧にはオリハルコンの剣はまだ早い 作っても奪われてしまうだろう う~ん 2本で そうだな 3億でどうだ?」
(えっ えっ 15万エンが3億?)
フィレが首を振りながら
「5億」っと
(えっ えっ)
おじさんは俺を睨みながら
「じゃあ 4億でどうだ」っと
(えっ えっ どうして 睨む って 4億?)
フィレが手を前に出し 拡げ
「5億 ダメなら売らない」
(えっ えっ)
おじさんはため息をつきながら
「分かった 出そう 5億だな」
(えっ えっ 5億?)
おじさんが俺の手におじさんの手を乗せると
画面のログに5億エンっとメッセージが
所持金が5億エン増えていた
・・・
(えっ え~っと いいのかな?)