6
(え~っと ここは そうか ヤドルの村の宿か)
(面倒だよな~ セーブが週に1回は厳しいよ)
(そうか 盗賊が出る前の街に滞在して セーブすればいいのかな?)
・・・
盗賊が出る前の街 ドレンマに月曜日の朝まで滞在することにした
暇なので ギルドで依頼を見ていると
慌ててギルドに入ってきた男が叫ぶ
「緊急依頼だ 盗賊が出た 数は分からないが 馬車が襲われたらしい 急いで冒険者を募集してくれ」
(おっ 情報が早いな 時間からすると 襲われて まだ1時間くらいしか経っていないだろうに)
通りかかった冒険者が知らせたのだろうか?
(ギルドが討伐してくれるなら 安心だね)
俺には関係ない話だと思っていたのだが
ギルド職員が俺に話しかけてきた
周りには強そうな冒険者が何人もいるのに
「あつし様 討伐部隊に参加してくれないでしょうか」
「えっ 俺ですか 俺は役に立ちませんよ レベルが低いので 他の強そうな冒険者に頼んだ方がいいですよ」
ギルド職員は諦めてくれずに
「そこを何とかお願い出来ないでしょうか」
(えっ ええっ 何で俺にお願いするんだ?)
「いや だから 俺は弱いですから」
俺が必死に断っていると 一人の女性が近づいてきて
「あなたはB級の冒険者でしょ 討伐に加わるべきだと思います」っと
「えっ えっ B級? 俺が?」
女性は呆れたように
「その胸のプレートを見れば誰にでも分かるでしょ あなたがB級の冒険者だってことはね」
(えっ え~っと 意味が分からないよ)
「俺が弱いのは間違いないですが」
女性はため息をつきながら
「私は魔法使いです 鑑定魔法も使えるのですよ あなたのレベルを鑑定することも出来るのですよ」
(へぇ~ 普通は鑑定するのに魔法が必要なのか なら)
「そうなんですか それじゃあ 確かめてください 俺が弱いと分かるはずですよ」
女性は口をパクパクしながら 呆れた顔をしているが
杖を俺に向けて「鑑定」っと唱える
すると女性が驚きながら
「えっ レベル1 レベル1の冒険者がB級冒険者?」
女性とギルド職員だけでなく 周りの冒険者達もざわざわと
(えっ え~っと)
「その B級って B級冒険者ってどうやったらなれるんですか?」
俺が聞くと ギルド職員が
「それは B級以上の依頼を複数回達成することでなれるのですが」っと
(えっ 複数回?よく分からないけど)
「すいません B級の採取の依頼は達成しましたが弱いのは間違いないです 力になれなくて すいません」
俺がそう言うとギルド職員と女性が俺に頭を下げ立ち去る
ギルド職員はプレートを見ながら他の冒険者に声を掛け始めた
・・・
落ち着いてきたのでギルド職員にプレートのことを聞くと
俺が達成したB級の依頼は難易度が高く
それも1人で達成したので 1回でB級になったのだと
依頼には難易度に応じたポイントがあり 依頼を達成したメンバーでポイントを均等に分けるのだそうだ
(B級か 他のギルドでも同じように強いと思われるのかな それなら 胸に掛けないでしまっていた方がいいのかな?)
プレートの等級がいいと いろんな特典が受けられるそうだ
普通の冒険者では入れない場所に入れたり 特別な依頼が受けれたり 優先的に物が買えたりなど 様々な特典があるのだと
その日の夕方に盗賊が討伐されたとの知らせがギルドに入る
ギルド職員の話では 国の兵士もこの街に来ているので しばらくは安全に旅が出来そうだと教えてくれた
月曜日の朝まで この街に滞在しようかと考えていたが
明日の朝の馬車でテポーノの街を目指すことにした