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「依頼のB級の薬草です」
「ま まさか 本当に取ってきてくれたのか」
俺はギルドの依頼でB級の薬草を採取してきた
生えていた場所は この村の西にある 危険な山の頂上付近
強い魔物が沢山いて
レベル80以上の冒険者でなければ厳しい依頼
まあ 苦労はしたけどね
「たくさん 取ってきたので 買いとってくれますか?」
「もちろんだとも おい すぐに 薬職人のビガネさんのところに持っていってくれ」
ギルドのおじさんは若いギルド職員に指示を出す
重病人が出たのだが ポーションが売り切れていた
ポーションを作れる薬職人はいるのだが 上級ポーションを作るための素材 B級の薬草がなかったのだ
この村を拠点に活動する冒険者は多いが
一番強い冒険者でも レベル64
命がけでB級の薬草を採取するよりは 時間は掛かるが他の街から運んだ方がいいということになったのだが
近くの村 近くの街にもB級ポーションはなく この村から離れている大きな街から この村に運ぶのに掛かる日数は5日
患者の体力を考えると 長くても3日
誰もが
・・・
ギルドは 1人の患者を助けるために 冒険者に命がけの依頼を強制的に出すことなど出来ない
それでも 一部の望みをかけて 普段の3倍の報酬で依頼書を作り ギルドの壁に貼っていたのだ
(おっ こんなに貰えるのか 苦労したかいがあったな)
依頼のB級の薬草が1個で30万
残りのB級の薬草が12個で120万
合わせて150万エンに
(凄い 一気にお金持ちだね そろそろ 大きな街に行ってもいいかも?)
俺のレベルは まだ1なんだけどね
レベル上げをしようと考えたのだが
レベル3で死亡してしまって またレベル1からやり直し
それが3回続いて 心が折れてしまったよ
魔物と戦いは 4人で戦うのが基本らしい
まずは 仲間3人を探さないとね
この村のギルドでも仲間募集は出来るのだが
髭面のおじさんばかり
仲間になる自信がないよ
俺は王都の次ぎに大きな街 テポーノに行くことに決めた
理由は
(カジノか いくらでも稼ぐことが出来そうだよね)
この村からだと10日以上かかるそうだが
ここから東にある街 アーノッラから馬車を乗り継いで行くことが出来るそうだ
・・・
うとうとしていると
叫び声が
「と 盗賊だ~ 数が多いぞ」
(えっ 安全に移動出来るんじゃなかったのか?)
・・・
馬車での移動は護衛がいるので 安全だと教えてもらったのだが
護衛の人数は6人
(え~っと 盗賊の人数は ・・・ 30人以上?)
護衛達は誰も戦おうとしていない
(あれっ どうしてだ)
武器を盗賊の方に投げ 手を上げているが
(えっ えっ)
盗賊達は にやにやしながら 近づいてきて
護衛の6人にうつ伏せになるように指示を出し
(げっ 最悪)
抵抗しなかったのに護衛達の首を後ろから剣でザクッと刺し殺してしまった
・・・
乗客達は震えている
誰も戦おうとしている人はいない
(はぁ~ 無理だな なら やるしかないな)
俺は立ち上がり 移動する
そして 抱きつく
(柔らかい~)
乗客の中にいた一番若い女性に後ろから抱きつき
ぎゅっと抱きしめる
女性は意味が分からないといった顔をしていたが
震えるだけで 声を出さない
横には旦那さんもいるんだけど
周りに盗賊がいるからなのか とめようとはしない
しかし 盗賊が
「お おい 貴様 何をしているんだ 状況が分かっているのか さっさと金目の物を全て出せ」
俺は無視して女性を抱きしめ続ける
「貴様 聞いているのか」
もう1人の盗賊が
「面倒だ 殺せ どうせ 男は全員殺すんだろ」
「そうだな」
次の瞬間 俺のステータス画面が赤くなり
体力が0に