２
（夢か 夢だよな）
（しかし リアルな夢だな まさか くそゲーの夢を見るなんて）
（そうだ 夢なら 何してもいいんだよね 村長の娘がいたはず）
俺は宿を出て 村長の家の方へと
（いた おおっ 可愛い ゲーム画面ではよく分からなかったけど さすが 俺の夢）
長い金髪に青い瞳の可愛い少女が村長の家の庭でいた
俺は村長の娘 メリダに近づき
抱きしめる
柔らかい肌に いい匂い
メリダは恐怖に引きつった顔で悲鳴を
「きゃあああ～ 助けてください～」っと
俺は構わずに メリダの唇を奪う
気持ちいい いい夢だ
っと思った瞬間
目の前にステータス画面が現れ
ダメージを受けたとのログが表示される
痛みはないのだが 衝撃はある
ステータス画面に表示されている体力が減っていく
振り返ると俺は木の棒で殴られていた
背中を捕まれ 地面に叩きつけられ
「うわああっ 何だこいつらは」
蹴りが俺の腹を 何度も何度も
痛みはないのだが ステータス画面の体力が減っていく
体力が１になり 画面が真っ赤になると
俺は腕を捕まれ
そして
牢に
・・・
その時は まだ夢だと思っていたのだが
覚めない夢
まったく覚めない
・・・
さすがにおかしいと思ってきたのだが どうすることも出来ずに 牢の中でじっとして過ごす
・・・
１日が経っても 牢の中
・・・
食事は朝と晩に 不味い飯が少しだけ
風呂等は もちろんない
狭い牢の中で 何もすることが出来ない
・・・
２日目も
・・・
３日目も
・・・
・・・
俺の人生は終わったと思っていたのだが
日曜日の夜
眠りにつくと
俺の目の前に画面が現れた
セーブ と ロード
（えっ これって まさか）
俺は慎重に ロードを選ぶ
こんなところでセーブを選んでしまえば 終わりだからね
・・・
（あれっ ここは どこだ？）
俺は いつの間にか眠っていたようだ
（あっ ここは）
この部屋には見覚えがあった
（そうだ ヤドルの村の宿だ セーブをしていた場所）
俺は宿を出て村の中を歩く 村長の家の前を
そして メリダと目が合うが
他人を見るように すぐに目をそらされた
（おっ 無かったことになっているのか）
・・・
俺の記憶は残るが ロードをすれば セーブした場所から再スタート出来るようだ
・・・
