3.再会
すまぬ!!!!!!!!
1ヶ月以上待たせてしまったな。
今後はこういうことがないよう全力で取り組んでいく次第である!!
「なっ! 何ですかこれは!?」
「……見ての通りだ」
彼女_____麻美は檻のような物に入れられていた。
あの実験室(?)から歩いて数分、麻美は地下の檻に厳重に保管されていた。
しかも____
「……ねぇ、私はどうなっちゃうの?」
ベッドで横たわっていた彼女が言った。自分たちにせを向けていて、表情が確認できない。
意識がある。
ちゃんと人間の姿形を保っていて、今は薄汚いタンクトップを着ている。
これは酷い、そう思った彼は青年に言った。
「麻美は、彼女はもう魔人ではないですよね!? だったらもう出してあげてください!!」
「無理だな」
青年は静かに告げた。
「ど、どうしてですか!?」
「……魔人の特性その1だ。覚えておけ。魔人の体はお前が見た通り、あんな化け物みてぇなもんで、ずっといるわけねぇだろ? 魔人だってこの人間界を生きるのに必死なんだよ」
「でも、人間の姿なら危害を加えるようなものはないですよね!?」
「いっても一時的なもんだ。周期は個々で違う。だから、いつ魔人になってもおかしくない。こいつの場合はおそらく三日ずつだろう」
三日であの化け物の姿になると想像した佑都は少し身震いした。だが、隣で麻美を黙ってみている青年の一言で佑都は更に体を震わせることになる。
「……二週間、奴の処刑日時は二週間後だ」
「……え……………?」
佑都の心拍数はとてつもなく速くなっていた。"奴"とは誰のことなのか。麻美、もしくは別の魔人との判断ができるほど今の佑都は冷静にはなれなかった。
「……二週間ってのは、別の魔人ですよね? い、いや~他にもいるなんて思ってませんでしたよ。案外、身近に居るかもしれませんね?」
佑都は自分自身でもわかるほどに、声が震えていた。まるで自分に言い聞かせるように。
しかし、またしても青年は佑都の期待を裏切った。
「残念だが、今回はこの"タイプA-4(タイプエーフォー)"とした。我が実験施設、魔人研究施設……コズミック・ファ・シナリーで一番周期が速いようだからな。組織側としても人材があるのは有り難いが、上からの命令に逆らうことはできない」
「で、でも! "研究"するためには周期の速い魔人も必要ですよね!?」
佑都はどうにか麻美の処刑日時を延ばそうとしたが、全て無駄であった。
「……すまんな、"タイプA"は既に実験対象から外している。過去に同じような例があり、奴は、"タイプA-4"……四人目だ。詰まる所、用無しってわけだ」
「っ! そんな……!?」
遂に佑都は絶望した。どんなに抗っても麻美を助けることはできないと察したからだ。
さすがの佑都も彼女の為に、施設/組織を敵にまわすほど、自分の力はなかった。
(……いや、有るかもしれない………)
まだ不確かだが、あの薬の効果が切れていれば………。
佑都は自分の右肩を凝視した。先ほど麻美に噛まれた場所だ。麻美はある方法で解くことができる、と言っていた。しかし、その方法を、佑都は教えてもらっていない。
だとしても、それでも、少しでも可能性があるのならば…………と、佑都は強く念じた。
麻美を今この場で助けることができなければこの先いつ何回、彼女と会えるかわからない。助けるならばこの瞬間しかないと思い、佑都は決断した。
(……頼むぞ、我が右肩…………)
思い切り全身に力を込め、青年の視界から外れた瞬間__________。
彼は飛び込んだ。右手に妙な感覚を残し、素早く青年の胸元へ。
だが___________、
バンッと短い銃声が聞こえた時、佑都の右腰に冷たい感触があった。
直後、身体をとても重くするような液体が溢れてきた。視界をそちらにやると、そこには真っ赤な液体が。
(………血?)
衝撃の展開に思考が追い付かず、床へ転がった。
おかしな感覚を覚えたのは、その数秒後だった。
「……身体が、動かない………!?」
かろうじて動く首を、青年へと向けた。
その眼は、まるで獣を見るようだった。
どっかにいってしまった麻美をやっと見つけたんだけど、なんか殺される!?
結論、殺されません!!
………書くことない件について。