表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/4

0.別れの言葉

新作です。騙されたと思って最後まで読んでみてください。


 「君がどんな姿になっても、俺はずっと君のそばにいるよ……」

 

 その言葉を最後に言いたかった。

 

 その気持ちを最後に伝えたかった。

 

 目の前で笑いながら涙を流している少女を俺はぎゅ、と抱きしめた。

 

 「……あたたかい……」

 

 俺は青白く薄い紅色の彼女の唇に、そっと自分の唇を重ねた。

 

 一頻り彼女を感じていると、彼女から唇を離した。

 

 「私が魔人になっても、あなたは一緒に来てくれる?」

 

 「……ああ、一緒に逝こう……」

 

 身体から溢れるほどに黒印が彼女の肌を塗りつぶしていく。

 

 ついにその時が来たのか彼女は

 

 「……さようなら」

 

 そう言って目を瞑った。

 

 直後、彼女はまるで叫び声のようで唸り声のような声をあげた。

 

 「ゴガァァァァ!!!!!!!!!!」

 

 最早人間の形をとどめていない。目にも留まらぬ速さで一気に距離をつめ、俺に噛みついてきた。

 

 噛まれた場所は……

 

  右肩。

 

 魔人になる前に彼女は言っていた。

 

 "魔人とはゾンビのような存在で、人間のどこか部位に噛みつけば、増殖する"

 

 彼女曰く、魔人の説明は不思議と頭の中に浮かんでくるらしい。

 

 彼女の話が本当なら、俺はいままさに魔人になろうとしている。だが、俺はあらかじめ彼女がくれた"魔人にならない薬"を服用しているため、魔人にはならないはずだが……。

 

 

  [……あなたは一緒に来てくれる?]

 

 

 今、逝くよ……。

 

 俺は魔人の弱点だという右腰にナイフを突き刺した。

 

 「……待ってろ、麻美……」

 

 そう一言だけ言って、俺は目をつぶった。

 

不定期連載となります。

宣伝!!

小説家になろう様にて『天使と悪魔と人間と』(著:同名)連載中です!!!

気が向いたら是非こちらも読んでみてください。本作品と違って、のんびり(?)アクションコメディですので。

次回投稿予定日は未定です。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ