ゲーム開始〜装備調達〜
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書き始めたばかりなのでまだ及ばない点も多くあるかと思いますが、ミスのご指摘等あればよろしくお願いします。
アレイ『ラナ…なのか…?』
魔法使いの女『違う。私はラナの双子の妹、シーナ。』
アレイ『双子…』
まさかラナに双子の妹がいて、それがトライシオンのメンバーの1人だったなんて…。
それにしても本当にそっくりだな…ラナとほとんど同じ顔だ。違うのは目と喋り方だけ。シーナの方は冷たい目をしている。
シーナ『なんであなたは姉のことを知っているの?』
アレイ『それはこの前…』
レオン『ちょっと待て。知り合いのそっくりさんが居たとは言え、リーダーの挨拶を無視するのは感心しないぞ。シーナも、そんなことはどうだっていいだろう。』
アレイ『すみませんレオンさん。』
レオン『分かればいいんだ。早速トライシオンのメンバーの紹介をしようか。俺たちは4人のパーティで、魔法使い2人、剣士2人だ。魔法使いはそこのシーナと隣のシェルバ、剣士は俺と、君の面接を行なったギールだ。』
シェルバ『よろしくね、アレイ君。』
ギール『改めて歓迎するよ、アレイ。』
シーナ『…。』
アレイ『皆さん、よろしくお願いします。』
レオン『さ、顔合わせが済んだところで歓迎パーティといこうか。』
レオンさんがそう言うと、メイドらしき人達が豪華な食事を持ってきた。
レオン『今日は俺がご馳走しよう。みんな楽しんで食べてくれ!』
たった4人なのに、凄く沢山の種類の料理が食卓に並んでいる。
ギール『驚いたか?うちのリーダーはこの辺りで有名な貴族の息子なんだ。』
アレイ『貴族の?』
ギール『そうさ、かなり有名な貴族で…』
レオン『ギール…』
ギール『ああ、無駄話はまた今度にするか。』
レオン『それはそうと、君は魔法や剣がまだ使えないらしいね。後で少し教えてあげよう。』
アレイ『どうしてそのことを?』
ギール『面接の時に言ってただろ?みんなそれを聞いてたからな。』
アレイ『?』
レオン『ギールが腰につけている四角いアクセサリーのような物があるだろう?それが実は魔道具で、その道具の半径5メートルの範囲の音を拾ってここにあるスピーカーに届けてくれるのさ。』
アレイ『魔道具、そんなものが…』
レオン『君はかなり田舎から来たのか?この世界のことをまだ全然知らないみたいだ。後で街に買い物にも行こうか。色々なものが見れるだろう。』
アレイ『はい!』
魔法、剣の修行に、街に買い物か…凄く面倒見の良いリーダーだな。信頼できる。
2時間程話しながら食事を楽しんだ後、俺たちは一度解散して、リーダーと俺は2人で買い物に行くことになった。
スタスタ(アレイとレオンの歩く音)
15分歩くと、大通りから離れた少し細い道に出てきた。
レオン『ここがこの街で一番武器や魔道具が多く売っている通りだ。あまり知られてないが、実力のある冒険者は皆ここで装備を揃えるのさ。』
アレイ『よく知っていらっしゃるんですね!』
レオン『一つのパーティを預かる身だからそれぐらい知っておかないとな。さ、まずは武器屋に行ってどの武器が君に合ってるか見てみよう。』
アレイ『はい!』
武器か…なんだかワクワクするな。
ガチャッ(武器屋に入る音)
武器屋の中に入ると、いかにも武器屋の店主って感じのイカツイ大男が居た。
大男『いらっしゃい。』
レオン『どうも。』
店は、入り口からは想像できないぐらい広い。その広い空間のほとんどに、武器が置いてある。
アレイ『うわあ…』
レオン『凄いだろ、ここは俺のお気に入りなんだ。今は昼過ぎだから空いているが、夜になると混むんだぞ。今のうちにゆっくり見て置いた方がいい。』
アレイ『分かりました。』
中を見て回ると、短剣、長剣、弓、銃のような、魔法使い以外が使う武器の他にも、魔法使い用の杖も沢山置いてあった。
アレイ『杖も置いてるんですね。』
レオン『ああ、杖も立派な魔法使い用の武器だからな。アレイ、君は短剣一つで心もとないだろう、この長剣を買ってあげよう。』
レオンさんはそう言って黒く光る長剣を手に取った。
アレイ『いえ、そんな高価そうなもの貰えませんよ…。』
レオン『私の気持ちだと思って受け取ってくれ。な?』
そう言われると断りづらいな…まあ折角あんな強そうな剣をくれるって言ってくれてるんだから、断る理由もないか。
アレイ『…分かりました。ありがたく使わせていただきます。』
レオン『そう言ってくれて嬉しいよ。』
レオンさんはニコッと笑って、その長剣を俺に渡して、一人で会計をしに行ってくれた。恐らく、高価な剣だから気を遣わせないようにしてくれているのだろう。
レオン『よし、次は魔道具屋だな。』
俺たちは、武器屋を出て、すぐ右にある魔道具屋に入った。
狭い店で、魔道具?らしき見たことの無いものがギュウギュウ詰めに、でも丁寧に並べられていた。店主は若いお姉さんで、一人で営業しているようだった。この人もまたいかにも魔法使いって感じの服装をしている。
店主のお姉さん『いらっしゃいませ。』
レオン『やあ、聞きたい事があるんだけど…いいかな?』
店主のお姉さん『なんでしょう。』
レオン『魔法紙ってあるかな?魔法初心者でも使えるやつ。』
店主のお姉さん『少々お待ち下さい。』
お姉さんはそう言って店の奥に入って行った。
アレイ『マジックペーパー…って、なんですか?』
レオン『魔法紙は、魔力を込めると魔力の大きさに応じた威力の基礎レベルの魔法を修行無しで発動できる特殊な魔道具だ。よく商人が街から街へ移動する際、低レベルモンスターを追い払うために持っていたりするんだ。』
アレイ『修行無しで魔法を…?』
レオン『そうだ、便利だろう?俺がいくつか買ってあげるから帰ったら練習してみるといい。』
アレイ『はい!ありがとうございます。』
そんな魔道具があるのか…修行しないと魔法は使えないと思っていたけど、まさかこんなにすぐ使えるなんてな。
今更だけど、この世界に来れたのは本当に幸せな事だ。元々は異世界なんて全く興味が無かったけど、実際来てみると分かる。現実では絶対に味わえないワクワクがこの世界には溢れている。
〜15分後〜
俺達はパパッと買い物を済ませて帰ってきた。
レオン『じゃあ始めようか。』
いよいよだ…。
レオン『剣は毎日鍛錬して少しずつ成長するものだから取り敢えずは後回しだ。まずは魔法紙を使えるようになろう。』
アレイ『はい!』
レオン『まずこの火玉の魔法紙を両手で持って。』
俺は魔法陣のような模様の書いてある紙を両手でしっかりと握った。
レオン『持ったら、目の前に見えるあの木に魔法紙を向けて手に力を集めるイメージをして、実際に力を込めるんだ。君は魔法適性が一般人より少し高いから簡単に扱えるだろう。』
アレイ『あの木か…手に力を集めるイメージで……。』
手にゆっくり力を込めてみると、紙が揺れ始めた。
次の瞬間、紙からボッと音を立てて火の玉が木を目掛けて飛び出し、木が燃え始めた。基礎レベルにしては、かなり威力が高そうだ。
これが魔力を込める感覚か…現実では感じなかったものだ。新しく使える力の種類が増えた感覚で、力を込めるのとは少し違う。
レオン『やるじゃないか!完全に使いこなしているようだな。』
アレイ『ありがとうございます!』
レオン『そういえば、明日クエストを申し込んでいるんだ。そこまでレベルの高いモンスターではないから、来てみないか?見るだけでもいい勉強になると思うが…。』
アレイ『俺が…クエストに?』
最後まで読んでいただきありがとうございます。
これからも頑張って更新していきますので、たまにのぞいて頂けると幸いです。
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