ゲーム開始〜出会い〜
不定期投稿で申し訳ありません。
四話目の投稿です。
まだまだ書き始めて日が浅いので、温かい目で見ていただけると幸いです。
受付のお姉さん『冒険者登録されますか?それだけの能力があれば、かなり良いパーティに入ることが出来ると思いますが。』
アレイ『パーティ?』
受付のお姉さん『はい。クエストに行く際に、役割を決めて共に戦うチームのことです。』
へーそんなものがあるのか…パーティに入れば、仲間と一緒に行動できるから安心だな。
アレイ『入りたいんですけど、どうすればいいんですか?』
受付のお姉さん『ではまず、冒険者登録をしていただきます。こちらの登録用紙に、名前と性別、年齢を書いて下さい。パーティへの加入を希望の場合は、パーティ内での役割希望を書いて下さい。そうすれば、パーティの方からあなたにスカウトが行くと思いますので、その時に入るかどうかを決めていただけくという形になります。一回入ってみて、気に入らなかったら簡単に脱退できますので、少しの間体験してみるのも良いかもしれません。』
アレイ『そうですか、分かりました!ありがとうございます。』
この受付の人もえらく親切だな、ありがたい。
アレイ『あのー、希望の役割って例えばどんなものがあるんですか?』
受付のお姉さん『剣士や魔法使い、その中でも前衛後衛や、攻撃魔法使い、回復魔法使いと言った多くの役割が存在します。あなたは身体能力も魔法適性も普通に持っているようなので、なんでも可能だと思われます。なので、役割は要相談…などのように書いておくのもアリかと思いますよ。
それと、あなたが持っているスキルが隠密と幸運なので、それも書いておくとパーティからの評価が上がります。書いておいた方がいいでしょう。』
アレイ『そうですか…ご親切にありがとうございます。』
なるほど…取り敢えず最初は言われた通りに書いておけばなんとかなりそうだな。一度入ってみて合わなさそうだと思えば抜ければいいし、リスクも少ない。
どんなパーティに誘われるのかは分からないけど、話し合いの場とかがあるなら問題はないだろう。
冒険者登録用紙
氏名・・・アレイ
年齢・・・15歳
性別・・・男
パーティ加入希望者・・・◯
身体能力総合評価・・・D
魔法適性総合評価・・・D
スキル
隠密・・・D
幸運・・・A
希望役割・・・要相談
まあこんな感じでいいかな…。
受付のお姉さん『では、お預かり致します。パーティからのスカウトが来ると、すぐにあなたにお知らせ致します。』
アレイ『よろしくお願いします!』
後は連絡を待つだけ…と。さて、今からどうしようかな、何も決まってない。
そういえば昨日から何も食べてないな…そろそろ空腹で倒れそうだ。ついでに此処で食事の出来る場所を教えてもらおう。
アレイ『何度もすみません、この辺りに、食事の出来る場所はありますか?』
受付のお姉さん『それなら、ギルドを出てすぐ左に曲がって4軒目の建物の一階のレストランをご利用ください。』
アレイ『ありがとうございます、行ってみます。
では今日のところはこれで…。』
受付のお姉さん『はい。今日は登録お疲れ様でした。』
受付のお姉さんは手を振って見送ってくれた。
レストランは出て左に4軒目の建物の一階だったな。この世界にはどんな食べ物があるのかな…ロジーの荷馬車に乗っていた野菜とか果物は見たことはなかったけど現実のものに似ていたし、全く違うとかは無いと思うけど、楽しみだなあ。
ん?そういえば俺、お金持ってないぞ…。最悪だ、折角飯にありつけると思ったのに(泣)
空腹と、まだ何も食べられないというショックで倒れそうになったその時、視界の端の方に光るものが見えた。
咄嗟にその方向を見ると、建物と建物の間の狭い隙間に、金色に光るコインが落ちていた。
これは、この世界でのお金だろうか…わからないからその辺の人に聞いてみよう。
アレイ『すみません、ちょっといいですか?』
道を歩いていた男性『ん?なんだい少年。』
少年て…仕方ないけどさ……。
アレイ『これって何か分かりますか?』
俺はそう言って、拾ったコインを男性に見せた。
そうすると、男性は驚いた顔をして言った。
道を歩いていた男性『君は遠くから来たのか?これはこの辺りの街で広く使われている金貨だよ。
価値で例えるとするなら、一枚で君の着ているレベルの装備を一式揃えられるぐらいだ。』
アレイ『そうなんですか!教えてくれてありがとうございます。』
なるほど…金貨か。これ一枚で初期装備一式揃えられる価値があるなら、レストランで食事をするぐらいは容易いだろう。
そう考えると、すごくラッキーなことだ。そういえば俺は、幸運スキルがあって、しかもその能力値がAだったな。この街に来れたのも、親切な人と出会えたのも、この金貨を拾えたのも、全部この幸運スキルのおかげなのかもしれない。
まあ取り敢えずレストランに行って食事をしよう。流石に空腹で限界が近い。レストランはすぐそこだ…。
ガチャッ(レストランのドアを開ける音)
ここがこの世界のレストランか…凄くいい匂いがする。どうやら、バイキング形式の店らしい。美味しそうな料理が数多く並んでいる。
店員『いらっしゃいませ。何名様でしょうか?』
アレイ『一人です。この店の値段を教えていただけますか?』
店員『当店は一名様銀貨3枚で、いくらでもお召し上がりいただけます。』
アレイ『金貨1枚で足りますか?』
店員『はい。金貨1枚は銀貨15枚分の価値がありますので…。』
アレイ『そうですか。なら大丈夫です。』
店員『ではご案内します。』
凄くお洒落な内装で、俺が思っていたゲームの世界とはかけ離れているみたいだ。現実世界でも生で見たことのない、シャンデリアのようなものまである。こんなに高級そうな店でも銀貨3枚で食べられるなんて、金貨の価値は大したものだ。
拾った俺は超ラッキーだけど、落とした人は最悪だろうな…。
俺はそんなことを考えながら、席に案内された。
二人席だった。どうやら、この店に一人席はないらしい。バイキングに一人で来る奴なんてなかなかいないからだろう。
アレイ『よしっ、いっぱい食べるぞー!』
俺はそう言って、サラダにスープ、この世界の主食っぽいパンと、果物のジュース、肉料理など、大量に料理を取った。
食べてみると、サラダはシャキシャキで味が濃すぎず、軽く食べることができ、スープは深みのある、魚介系の味がした。肉料理は、パンによく合う辛めの味付けで、肉自体は鳥のモモ肉のように柔らかく、美味しかった。果物のジュースは食後に飲んだが、爽やかな酸っぱめの味で、口の中が一気にスッキリして、お腹いっぱいだったはずが、まだまだ食べれそうな気分になった。
1時間ほど食べ続け、あとはデザートを楽しむだけぐらいになった時に店員が来た。
店員『只今非常に混雑していて、相席をお願いしているのですが、よろしいですか?』
アレイ『まあ、大丈夫ですよ。』
相席は好きではないが、特に断る理由もないのでOKした。まあもう十分食べたし、変な人が来たらすぐに出よう。そう思っているとすぐに、店員が客を一人連れてきた。
店員『こちらのお席になります。相席となってしまい誠に申し訳ありません。』
〜『いえ、全然大丈夫ですから、お気になさらないで下さい。』
そう言って俺の前の席に静かに座ったのは、この世界での俺と変わらないぐらいの年齢の、美しい少女だった。
読んでいただき本当にありがとうございます。
ご意見、ご感想等ありましたら是非よろしくお願い致します。
不定期ですが頑張って更新していくので、たまにのぞいていただけると幸いです。