ゲーム開始〜運が良くて悪い日〜
初めての投稿になりますので、誤字脱字等ありましたら、ご指摘よろしくお願いいたします。
話の内容も分かりづらいところ等ございましたらどんどん申し上げてください。
目の前に広がる大自然。明るく照らす太陽。
空を見上げると、
見たことのない大きな鳥?が飛んでいる。
〜『ここは…?』
思わず声が漏れた。
訳がわからない。つい先程まで、いつも通り部屋に居たはずだ。それに、今は深夜2時頃だった。こんなに明るいはずがない…あんな鳥見たことないし…。
一体何がどうなったんだ?!思い出せ!俺!!
〜2時間前〜
ドサッ…ペラペラ(紙をめくる音)
〜『ハァー…仕事が多すぎる。これじゃいつまで経っ ても終わらないな…。』
上司『どうした雨島?お前が文句を言うとは、珍しい事もあるもんだな。』
雨島『いや、そういう訳では…』
俺は雨島怜。30歳独身のごく普通の会社員である。地方の国立大を出て、このヤマモト建設という会社に就職したまでは良かったが、この会社が割とブラックで、毎日大量のノルマを課せられ、終わるまで帰らせてもらえないのだ。その分給料は高いし、ボーナスも出るのだが、毎日そんな生活を続けていると多少の愚痴も出てきて当然だ。
しかも最近は同期でゲーム好きの田中が妙に絡んできて、ゲームを勧めてきたり、アニメの話をしてきたりして、普段あまり人と喋らない俺は更に疲れている。
上司『お前は最近やけに顔色が悪いな…。たまには早く帰って家でゆっくり休んだ方がいい。後は俺がやっておくから安心しろ。』
雨島『…ありがとうございます。今日のところはそうさせてもらいます。』
これはラッキーだ。あの上司が早退させてくれるとは思わなかったな(もう0時を過ぎてるけど…)
まあ折角早く帰らしてもらえるんだからたまには自分の好きなことでもするか…好きなこと……
特にねえな…。
どうしよう…することないなー本当に。
あ、そうだ!田中が勧めてきたゲームでもやってみよう。あいつとは昔から気が合わなくて仕事で連携が取れないことがよくある。勧められたゲームをして距離を縮めてみるのも悪くない。
そうと決まれば、この近くにゲームを売っている店は…お!あった!今日は運がいいな。会社を早退させてもらってゲームを買おうと思った直後に店が見つかるとは…。何を買おうかな。ま、とりあえず店に入るか。
ウィーーン
店に入ると、懐かしいゲーム屋の音楽が聞こえてきた。
ゲームを買いに来るなんて久しぶりだなあ。あ!あれ昔やってた格闘ゲームだ!新作出てたんだ。
お?あれも昔やったことあるやつだ!うわぁ、色々あるなー。何を買うか迷うな…。
ん?俺がここにきた目的は…田中オススメのゲームを買うことだ!危ない危ない…すっかり忘れて他のゲームを買うところだった。
なんていうゲームだっけな…長めのタイトルだったから覚えてないな。確か世界を救うみたいな感じの内容だったような…まあ店員さんに聞けば分かるか。
雨島『あの、すみません。世界を救う的なタイトルのゲームってありますか?』
店員『……。』
え、なんで無言なの。なんか凄い恥ずかしいんだけど。30にもなってこんな質問してる自分が恥ずかしすぎるんだけど!!
店員さーーん!お願い!なんか喋って〜(泣)
雨島『あのー…。』
店員『あーー!!Adventure to Save the Worldの事ですか!』
さっきまで無言だった店員がいきなり大きな声で喋り出したので驚いた。
雨島『え?アドベンチャー…?』
店員『Adventure to Save the Worldですよ。海外のゲームで、直訳すると、世界を救う冒険って意味です。』
雨島『は、はぁ…。』
なんだ世界を救う冒険って…そのまますぎるだろ。もっと何かこう、〜クリスタルだとか、〜ファンタジー、とか色々あっただろ…。
まあタイトルはいいとして、重要なのは内容だな。まあ大体分かるが…。
雨島『これはどういったゲームなんですか?』
店員『それは勿論、名前の通り世界を救うゲームです。詳しく言うと、魔王が現れて魔物が増え、人間達が虐げられた世界で、アイテムや武器、魔法を使って魔物を倒し、最後には魔王を倒して、世界を救います。もっと詳しく言うなら、これはMMO RPGという種類のゲームでオンラインで他のプレイヤー達と協力して、少しずつクエストなどをクリアしていき、ストーリーを進めていきます。最初にどういった能力に特化したキャラクターにするか選び、一人一人が、役目を持って行動します。もっともっと詳しく言うと……』
雨島『もう大丈夫です!ところで、このゲームの値段はいくらですか?』
店員『ソフト自体は5000円ぐらいですが、ゲーム機はお持ちですか?快適にプレイしたいならこのディスプレイもオススメですよ。このヘッドホンを付ければよりゲームに入り込めますし、セットで今ならお安くしておきますが、
如何でしょうか?』
雨島『あ、じゃあ…。』
店員『ありがとうございました!』
ウィーーン
嗚呼、やってしまった…。頼まれたら断れない性格がこんなところで発揮されるとは…。
合計で15万円以上したぞ。やばい。こんだけ払ってこのアドベンチャーナンチャラとか言うゲーム面白くなかったらどうしよう。
それにしてもあの店員、ものすごいお喋りだし、ものすごい沢山売りつけてきたな…。
あの店、もう二度と行かん。怖い。
ガチャッ
雨島『あーやっと家に帰ってこれたよ…。』
時計を見ると、もう既に一時を回っている。今から繋いだり設定したりしてたら、かなり時間かかるな…いつもより寝るの遅くなるんじゃないか?
まあ、たまにはいいか。
〜30分後〜
ようやく買ってきたゲームの設置が完了した。
よし、始めるか!面白いのか心配だけど…
ピコピコ
まずは設定か…キャラの性能についてみたいだな。種類は、剣士・魔法使い・その他両方が少しずつ使える標準キャラ…か。
まず最初は標準キャラで遊んでみるか。ちょっとやって慣れてきたら他のキャラも使ってみればいいし。標準キャラを選択っと。
お?次は顔とかボイス設定か、思ったより凝ってるんだな。ちょっと安心だ。
〜15分後〜
よし、大方設定は終わったかな。やっとゲームを始められる…そう思った瞬間、画面が真っ暗になった。電気も消えたみたいだ。
雨島『あれ?』
ヘッドホンを外してみると、外は大雨で、すごい音がしていた。雷が落ちたようだ。それで停電したのか…。やっとゲームを始められると思った矢先の出来事だったのですごく悲しかった。でもよく考えると、家に帰る途中じゃなくて良かった、ゲームが濡れてしまうのは最もよくないことだからな。そう考えると今日はやっぱり運がいい。
そんなことを考えていると、パッと画面が光った。
雨島『あれ?電気は付いてないのに…なんだ?』
その光はだんだん強くなっていき、部屋中をのみ込んだ。
ここで、冒頭に戻る。
目の前に広がる大自然。明るく照らす太陽。
冒頭で見た鳥のようなものが、不意にこちらに近づいてきた。大きな翼。角に、牙。長い尻尾があり、口からは炎のようなものを出している。
間違いない。ドラゴンだ。そんな筈がない。
そう、思いたい。
雨島『今日は、最低なぐらい運が悪い。』
読んでいただきありがとうございます。
感想等ありましたらよろしくお願いします。
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