宇宙船
宇宙船の進化は、生物の進化に似ている。
最初は単細胞生物。一人から数人のワンルームがやっと。技術が進歩して、操縦席やら寝室なんかの機能別に部屋が増えていく。正しく、細胞分裂していく生物の進化に等しくは無いだろうか。
話は、友達とアニメを見ていた時のこと。えーと、「銀河ヒーロー伝説」とか云う奴。
「数万隻って、凄い大艦隊だね」
「なんかさ、魚の群れって感じだよな」
「魚かぁ。そういえば、魚類のメカとシューティングするゲームがあったよね」
「ああ、あの三画面の大型の奴ね」
「やっぱ進化すると足が生えるのかな」
「そして、モビールスーツの登場って訳ね」
「マク○スじゃないの?」
(ぴんぽーん)
「あ、誰か来た。はーい……(がちゃ)……え?」
そこに、ロボットが立っていた――いや、違う。これぞ、最新式の宇宙船だ。ロボットの頭がパカッと開いて、宇宙人が出てきたではないか。
すると今度は、私の鼻先がパカッと開いて、出てきたのは米粒ほどの地球人。
母さん、ショックです。僕は乗り物だったなんて。
(後日談)
母さん、僕は就職が決まりました。僕は月への定期便になるそうです。宇宙人が僕を宇宙船に改造してくれました。友達は木星の衛星群を周回する環状線。当分、帰って来れないそうです。僕も負けないようにアンドロメダの超特急になれるよう頑張ります。
今日は宇宙人と地球人の飲み会に付き添いました。僕達は宇宙人さんのロボットと一緒に波動エンジンのエネルギーを注入しています。あ、燃料はビールで良いんだそうです。宇宙人のロボットがお酌をしてくれました。
「イヤァ、オタガイ、クロウシマスナァ」
うるせーよ。まだ自分が地球人じゃ無かったショックに立ち直れてないんだよ……。
(おわり)
体内には100兆個もの乳酸菌が住んでいるそうです。それだけ居れば文明の一つや二つ起こっても不思議は無いですね。腸内に大都市や大帝国が栄えていると思うと胸熱です。