EPISODE4『新たな世界と変わったモノ』
いつからか瀬麗那は不思議な夢を見ていた。いや、今までの出来事を振り返っていたのかもしれない。
交差点で必死に妹を救った直後に意識を無くしたと思ったら、どこを見ても何もない真っ白な世界で女神と呼ぶ人物と出会って、新たな世界に転生させて貰えることになって短時間で色々あったなと、そんなことを思いながら眼を閉じた。するとしばらくして一気に辺りが明るくなったとおもうと再び意識を失った。
◆◆◇◇◆◆◆◇◇◆◆
「んん……」
意識が回復しゆっくりと目蓋を開けてみる。視界には見慣れた天井が視界に映っていた。どうやら自分の部屋のようだ。なんだ、さっきの出来事は夢だったのかと思いつつ上半身を上げたが、そこである違和感に気付く。
(「あれ……?」)
まず妙に頭が何かに引っ張られるように重いのだ。元々、諸事情で髪が肩まであるから多少は重さを感じている、だが今はそれ以上に重い。そっと手で触れてみるとやはり腰辺りまで伸びていた。そんなすぐに伸びないはずだが、いつの間に伸びたのだろうか。
次に胸部の違和感だ。まさかなと嫌な予感が頭をよぎりながら恐る恐る胸部に視線を移す。
(「あぁ……」)
瀬麗那の予感は裏切られること無かった。パジャマを着ているとはいえ、そこには大きくはないもののしっかりと膨れている2つの丘があった。
もうここまで来ると諦めの方が強くなってきたが、諦めが悪い瀬麗那は最後の望みに賭けて震える手を下部に下ろした。
(「はぁぁぁぁ……」)
瞬間、現実と絶望が瀬麗那にトドメを刺してしまった。
そう、今まで夢だと思っていた出来事は全て現実で、瀬麗那は転生したことで性別が変わり女性になってしまったのだった。