5/5
- 4 -
目の前の惨劇が。
今、飛び込もうとしていた明日に。
「ごめんね」
そう、彼がつぶやいていた気がした。
待ってよ、なんで彼が謝るの?
あたしが謝ってほしいのは…。
あたしが喋りたいのは。
キミだけなのに。
ケータイが震える。
キミからの着信。
明日、また会える。
終わらない。
終われない。
「ねぇ、あたし、キミにまだ言ってないことあったよ」
存在意義って、何?
きっと、そう。
ただキミに会える明日を守るだけ。
どんなに傷つけられても、キミがいいから。
キミじゃないとダメみたいだから。