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あたしを傷つけた。
心の中にキミはもういない。
泣いたあの後、あたしの世界はいかに虚無であったか。
きっとキミは知らない。
知る必要がない。
教えたくない。
キミが思っているほど、あたしは…。
JR新宿駅の、あの自分の世界に逃げ込んで待っていたもの。
それを抱えて眠る。
ここにさっきまでのあたしはいない。
キミも、いない。
どこに行ったの?
知る必要がない。
聞きたくない。
JR新宿駅は、あたし達の現実と虚構が入り混じる。
キミが思っているほど、あたしは弱くない。