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慌ただしい開戦

約一週間ごとに更新して行こうと思います

 眩いばかりの蒼い光が消えた時、俺の目に映った光景は木で作られた天井だった。

 ここがどこか分かる、学園の近くの教会の丁度裏手にある月詠の家の客間だ。

 月詠が運んでくれた後、手当をされてベッドの上に寝かされたらしい。

 その際に血だらけになった制服は着替えさせられたらしく、新しいカッターシャツに着替えさせてもらえた。

 ちなみに、何故この場所に俺がいるのかここまでハッキリと分かるのも、俺が眠っている間の事を全て炎青が映像として見せてくれたからに他ならない。

 その他にも、炎青は俺にもう一度生きるチャンスを・・・挽回のチャンスを与えてくれた。

 それに応えるためにも、すぐに行動を始めないと・・・そう思って俺は身体を起き上らせると、胸に違和感を覚えた。

 何かが丁度胸の真ん中にある感じだ。

 カッターのボタンを外し、包帯を引き裂いて確認してみたが何も無い。

 気のせいだと思ってカッターのボタンを止め直して立ち上がった瞬間、急にドアが開いて少女見覚えのあるツインテールの少女が部屋に入ってきた。

 ツインテールの少女は俺を見るなり・・・


「お兄ちゃーーーーーーーーーーーーーーーーん!!!!!!」


 そう言って満面の笑みで抱きついて来ようとしたが、俺はツインテールの少女の抱きつきを、まるで闘牛士の様に回避した。

 俺に避けられ、ツインテールの少女は俺が今まで眠っていたベッドの上に顔から思いっきりダイブした。

 流石に痛かったらしく、「ふにゃ~」とか言いながら顔を手で覆っている。

 ちなみに、このツインテールの少女は俺の妹で、名前は『夏目なつめ 水佳すいか』。

 高校一年生にしてランク4(一年生の平均ランクは2)のメモリーズで、一年生の女子の中でもトップクラスの実力を持っていて学業も優秀。

 俺と同じ色の長い黒髪をツインテールにし、透き通った綺麗な瑠璃色の瞳と他者を圧倒する胸(前に一度姉さんが酔っ払った時に92もあると聞いた事がある)に整った顔立ちと、異性にモテル為の要素全てを持っていたりする、俺には出来過ぎた妹だ。

 だが、完璧な人間には何か欠点がある。

 水佳も例外なく欠点があり、身長が平均より少し小さい。

 それともう一つあるんだが・・・その欠点についてはすぐに分かるだろうから、今は放置で。

 そうこう説明してる間に、痛さから回復した水佳が涙目でこっちを見ていた。


竜兄りゅうにぃ、痛いよぉー。何で避けるの?」


 とか訴えてきた。


「普通、怪我人に抱きつくバカがいるかぁ!!」


 俺は常識を思いっきり怒鳴った。

 だが、肝心の水佳はと言うと・・・


「だって、あれだけ重症だった竜兄ぃが起き上ってるんだもん、嬉しかったんだもん」

 

 水佳の場合、今言った事は本心だろう。

 そう、水佳の欠点っていうのは正真正銘、究極の天然である事だ。

 しかもそれはプライベート限定だったりする。

 学校では誰からも頼りにされてる程の優等生なのになぁ、こいつは・・・


「・・・あっ!!」

 

 水佳が唐突に大声を出した。

 こうやって水佳が何か思い出したかの様に大声を上げると・・・決まってロクな事が無い。


「どうした、水佳?」


 恐る恐る聞いてみる。

 そして・・・返ってきた答えが・・・


「怖い男の人達が来たから、竜兄ぃを安全なところまで運びなさいって、シスターメリーに言われてここに来たんだった!!」


 予想の斜め上をいった信じられない答えだった。

 俺は水佳の天然さに呆れかえると同時に大きく息を吸い込むと・・・


「それを先に言えぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!!!」

「ごめんなさぁいぃぃぃ!!」


 思いっきり水佳を怒鳴りつけた。

 水佳も反射的に頭を抱えて俺に謝っている。

 本当はもっと言いたいところだが、今はそんな暇は無い。


「こうしちゃいられねぇ、シスターメリーの所へ行くぞ、水佳!!」


 とにかく、シスターメリーは強い事は知ってるが、俺が撒いた種だ、俺が蹴りをつけに行くのが道理だ。

 ちなみに、シスターメリーってのは月詠の保護者で、詳しくは知らないが無茶苦茶強い。

 俺や月詠が体術を多少なりとも使えるのは、シスターメリーのしごきによるものが大きかったりする。

 シスターメリーについては後々詳しく説明するとしよう。


「ふぇ?行くって・・・逃げるんじゃないの?竜兄ぃは戦えないじゃん」


 水佳に至極まっとうな事を言われる。

 けど・・・多分大丈夫だ。

 ぶっつけ本番になるが、試してみるしかない。


「安心しろ、水佳。勝機はあるさ」


 炎青から貰った力がどんなモノかは分からない。

 けど、やるしかないんだ。

 水佳は俺の突拍子もない言動にキョトンとしていた。

 無理は無いか、俺と月詠がランク0なのは有名だし。


「そんな目をするの久しぶりだね・・・竜兄ぃがそう言うなら良いよ、分かった。けど、無理は駄目だからね」


 しばらくキョトントしていた水佳が俺の無茶な提案を飲んでくれた。

 さて・・・


「ぶっつけ本番だが、やってやらぁ!!」


 俺は部屋から飛び出す様にシスターメリーの所へ向かった。


「何か分からないけど、竜兄ぃカッコイイ!!」


 置いてかれそうになった水佳がにこやかに俺の後に続いた。


誤字脱字があれば教えてください。

すぐに修正します。

感想も頂けると作者のモチベーションが高まるかもですwwww

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