13日目の記録
私がここに来てから、13日目にも死者がやってきた。
2人目。
会いたいと願う人がいて、待ち続けていた。
前の人もそうだった。
会いたい人がいるからやってきた。
その人は会えなかった。
生者がくぐらなかった。
牡丹様いわく、会いたいと願われている相手の前に、不自然なまでに鳥居が現れるとのこと。
その鳥居をくぐるかどうか。
何度でも願えるって話だったけど、また来るのかな?
……何度も会いたいって願うのは疲れるとおもう。
会えるの確証がないのだから、より……。
牡丹様は。
私がそう呼んでいる神様は、いつだってまっすぐ前を見られている。
強くて、気高い方だと思う。
基本的に話はされてないけれど、私の質問には答えてくださる。
ここでずっとこうやって見られてきたかな。
あの女性は牡丹様のおかげで、心にあったものを吐き出して、顔色も声色も全部明るくなられた。
顔も上がっていた。
……こわかったけど。
お屋敷が壊れるかと思った。
あんな風にガタガタと大きな音がして、風も突風が吹いてて怖くて、真っ暗になって。
牡丹様はお屋敷以外の景色はきた人の心が映し出されるっておっしゃってたけど、何もないっていったから、あの人は何もなかったのかな。
……3日間。
ここで待っている間のその期間。何もなかったなんて辛すぎる。
それでも期間が終わったら強制的に、2人とも、消えていった。
その景色が変わったのかはわからない。
そして私には、ここは青一色の場所。
ものはないけれど、青色だけ。
私の心だとしたら、わからないけれど、
私は、3日以上ここにいる。なのに消えることはない。
もとにいた場所に戻る気配もない。
どうして……。
牡丹様は何も言われない。
私が会いたいと願う方にも会えてない。
ここにいていいのか……。それがわからないから、今日もとりあえず牡丹様と一緒にいる。
牡丹様は机の上にバラバラになっている書類をガサガサと探している姿を見て、書類整理したり、お部屋の掃除をして過ごしているけれど。
いつまでいれるかわからないし、会いたいあの人に会えるかわからないけれど、それでもまだいられる限りいたいな。




