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 ここは、あの世とこの世の境目。

 ここで言う「あの世」と「この世」は「死後の世界」と「生前の世界」のこと。


 想像できましたか?


 そして「ここ」は境目、繋ぎ目です。

 なので、これからは「境目」としますね。


 「境目」には、神様がいます。

 その人? 方? は神様ではないと言います。どうやら、「神様」「仏様」「鬼」「えん魔さま」はそれぞれそういうお役目のことらしく、そのどれでもないから違うと言われました。

 私からしたら、「人間」では……少なくともないから、なら「神様」かなと勝手に思っています。

 ただ「神様」と呼ぶと怒ります。

 だから私は「牡丹様」と呼んでいます。そう呼ぶと決めて勝手に呼んでいるのですが、怒られてはいないので、受け入れてくださっています。


 さて、この「境目」についてですね。

 「境目」では、人と死者が会うことができます。

 「境目」だからできることです。

 そういう場所です。

 創作物だって思うでしょ?

 本当ですよ。

 ここはそういう場所です。


『おい』

「あ、牡丹様……。はーい」

『何を書いている』

「……記録です」

『きろく? そんなものつけてどうする?』

「そんなものって……。私の次に来る人のために残しておこうと思って。ここに来て、私はたくさん、たくさん困ったので」

『おまえみたいなのは、そうそういないだろ。……いなくなるのか?』

「はい。少し先ですけど、ここでの働きが評価されたみたいで、転生の順番がはやまったって」

『そうか』

「はい」

『好きにしろ。だが、俺のことを好き勝手書くのだけはやめろ。読むやつなんていないだろうけど、記録ってことは残るってことだ。適当なものにするなよ』

「はーい」


 ……いなくなっちゃった。


 果てしなく続く「境目」に終わりはない。

 基本的にあるのはお屋敷だけ。


 どこからともなく、鳥居が現れて消えていく。

 その鳥居から人がやってくる。


 私は鳥居をくぐった。

 会いたい人がいたから。


「よし、あと少しだけ書いて今日は終わりにしよ」

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