第6話 時空崩壊の混乱
最後の大物が現れる。これで収集がつくのか?
「ええい、静まれ! 聖徳太子さんのご到着だ!」
司会の「日本史」君が叫ぶと、会場の空気が一変しました。
笏を手にし、耳に巨大な集音装置……ではなく、
神々しいオーラを纏った「聖徳太子」さんが、ゆっくりと壇上に上がります。
「いよっ!その節はお世話になりました!」と挨拶する「バブル経済」君。
「本能寺」君の謀反自慢、「仏教伝来」君の文化論、「弥生時代」翁の米トーク、
さらには「関ヶ原」君と「明治維新」さんの罵り合い。
10人以上の出来事たちが一斉に、自分の手柄をわめき散らします。
「聖徳太子」さんは、目を閉じてそれらすべての声を同時に受け止めました。
そして1分後、カッと目を見開いて言い放ちます。
「全員の言い分、すべて同時に聞きました。……で、だから何?」
「「「ええええええっ!?」」」
「聖徳太子」さんが、手に持っていた笏を壇上で叩き割りました。
「一斉に10人の話を聞いてやれば、どいつもこいつも『バズりたい』だの
『誕生日が不明』だの……。和をもって貴しとなせと言ったのは、
『仲良くふざけろ』という意味ではない!」
「聖徳太子」さんは冷ややかな笑みを浮かべ、笏をペン回しのように回しました。
「私が憲法十七条で『和をもって貴しとなせ』と言ったのを忘れたのですか?
つまり、私が一番偉い。
よって1位から3位まで全部『私(とその時代)』にします。文句ありますか?」
「独裁だ!」「憲法と矛盾してるぞ!」とブーイングが飛び交う。
しかし、後ろで「大化の改新」君や「遣隋使」君「上宮王家滅亡事件」君たちが
そうだそうだとエールを送っています。
しかし、聖徳太子がギロッと、「上宮王家滅亡事件」君を睨み、
「おまえはダメだ!おまえは私の息子を歴史から消した!」と一括します。
「あれは入鹿がヘタレで・・・ぶつぶつ・・・」
それやこれやの騒ぎで、会議室が暴動寸前になったその時――。
「……はい、そこまで。その設定、もう古いですよ」
会議室の扉がスゥ……と開き、現れたのはグレーのスーツに身を包み、
大量の「検定済み」スタンプをぶら下げた女性だった。
(第7話に続く)
厩戸皇子の登場で大円段かと思いきや、さにあらず。どうなる?




