第77話:ブラ+キャミ=ブラトップ?
ふみゅぅ……。
友人とつるんだり、先輩たちと絡んだりできる機会もそうそうは無く。
なので、長い夏休み、暇を持て余してしまいがち。
宿題はちゃんとやってるよ?
って言うか、前半でだいたい終わらせちゃったので。
後半は、ぼぉっと、スマホで動画を観たり、音楽を聴いたり、サイトを覗いてみたり。
していたら。
「ん? 何だこれ?」
ふと、おススメの広告に出て来たサイト。
間違ってタップしちゃって、見たら、女性用下着の専門通販ショップ。
いくつか通販した事のあるサイトだから、出て来ちゃったかな?
そのトップページで色々と『特集』されているんだけど。
「ブラトップ?」
って、何?
見た感じ、キャミソールみたいなんだけど。
ふと、興味を惹かれてページの中をちょこっと読んでみたところ。
「カップ付きのキャミソール……」
つまり。
ブラジャーとキャミソールを合わせて着るのではなく、このブラトップが一枚あれば……。
さらに。
「ノンワイヤーで締め付け感が少なくて、楽な着心地……」
ほぅ……。
「ブラジャーのラインが出なくてアウターに響かない……」
…………。
「インナーとしてだけではなく、アウターとしても使える……」
…………。
夏用にキャミソールとブラジャーを用意したけど。
こっちのブラトップの方が値段的にも安上がりだった説。
ぎゃー。
ナンテコッタ。
『先輩方に質問。ブラトップって、知ってます?』
八時間目のグルチャに、質問を、ぽいっと。
『知ってる持ってる家だとだいたいソレ』
おさげ子先輩、早い。
『収まりがあまりよくないので使ってませんわね』
とは、ぱっつん子先輩。なるほど。
中身の大きさにもよるって事かしらん?
『知らなーい何それー?』
『カップ付きのキャミソールみたいなやつ』
金髪子先輩はご存知ない模様。おさげ子先輩がフォローを入れてくれている。
『ブラとキャミじゃダメなの?』
『夏の薄着でブラだと背中の線とか目立つでしょう。ブラより楽だしね』
『ふむふむなるほど』
そして、エリ先生は反応なし。
お忙しそうで、何より、かな?
と、思たら、しばらくして。
『知ってるけど持ってない』
ぼそ、って感じで先生からもメッセージが届く。
『買うの? 買ったの?』
「あ、いや、買ってないし買わないと言うか新しいブラ買ったばっかなんで」
『じゃあ何』
「ネットの広告で出て来たんでちょっと興味出て調べてみて、みんな使ってるのかなぁって」
しばし、沈黙。
『ねえ園田さん』
「はい?」
何でしょう、先生?
『普通は男子が女子にするような質問じゃないって気付いてる?』
あ……。
「いや、まぁ、その」
『まぁ、女子度があがってるって事でヨシ』
いやん。
「あ、そう言えばこの間、中学時代の友達と遊んだんですよ」
ちょい、ごまかしに。
野郎どもと撮った写真を、ぺたり。
『うわ、何これ』
『逆ハーレム?(笑)』
『アラサーの姫?』
『それを言うならオタサーじゃなくて?』
いや、オタクではないと思うけど……。