第66話:男子部屋で女子会
「うーん、やっぱり男性と言うより、お巡りさんが怖いのかなー」
「大人の男性、と言う括りかもしれませんわね」
「まぁ、これまで同年代の男子とほとんど合った事がなかったから、解からなかったけど」
「なるほど……わたしの場合も似たようなものなのかな?」
「いや、ちょっと待って? なんでウチの部屋にみんな居るんだよ?」
はい。
男子部屋。
ウチひとりの部屋。
の、はずが。
女子チーム(除く、母さんとシズさん)全員が。
「女子会?」
「ぱじゃまぱーてぃっ!」
「園田さんの意見も聞けた方がよいでしょう?」
意見という意味なら。
「母さんとシズさんも呼んだ方がよくない?」
ウチの提案は、しかし、金髪子先輩情報によれば。
「二人は大人の女子会。お酒を酌み交わしてるっぽいよー」
なるほど。
ウチ含めて、納得の先輩方。
しかし、おひとり。
「ちょっと待って、なぜわたしは誘われてないのかしら?」
エリ先生も、大人と言えば、大人?
「その見た目でアルコールはアウトでしょ」
スルドイ突っ込みおさげ子先輩。ナイス。
エリ先生自身も。
「まぁ、お酒好きじゃないし、呑んだ瞬間に二日酔いになるから呑まないけど……」
なんじゃ、そりゃ。
「ならこっちチームで正解じゃないですの」
納得の、ぱっつん子先輩。
「デスヨネー」
エリ先生自身も、さらに納得。
ウチも、納得。
「と言うか、こんな時間に、こんなにボリボリお菓子食べててよいの?」
皆まで言うと、ケンが立つので言わぬが、ハナと言うもの。
言うんかい。
言わんけど。
「今日は色々あったしねー、食べてないとやってらんないー」
一番小さな金髪子先輩が、一番よく食べてる。
なんで大きくならないのか?
体質?
「まあ、園田氏の言う通りではあるけど、ついつい」
言いながらも、ポテッチをポリポリ、カロリーオフの黒い炭酸ジュースをぐびぐび、おさげ子先輩。
ウチも、ちびちび、と、少しだけご相伴。
「話変わるけど、結局あの三人組、厳重注意だけで無罪放免だったって?」
エリ先生が、唐突に話題を転換。
「シズさんが被害届を取り下げて、厳重注意で、示談って事にしたみたいだねー」
さすがに、金髪子先輩の家の別荘。
一応、家主と言う事でシズさんからも報告があったのだろう。
「それでよろしかったのでしょうか?」
ぱっつん子先輩の素朴な疑問。
ウチもそう思う。
「なんか大学生だったみたいだし、初犯と言うか、慣れない土地だったってところもあって、ジョージョーシャクジョー? みたいな」
「情状酌量、だね」
上場錫杖って、何モノか。
「わたくしたちの精神的ダメージは考慮されなかったのでしょうか?」
かなり怯えてたもんね、エリ先生も含めて、先輩方みなさん。
「でも……抜き打ちの訓練、だと思えば、逆にいい経験だったんじゃないですかね?」
ウチも男だけど、すでに完全な男としては見られてない説もあり。
機会と言う意味では。
さらに、予告なしの突発だったこともあり。
「そもそも男性と面と向かって接触する機会がほとんど無いんでしょ?」
「それなー」
「まぁ、そうだね」
「ですね」
「うーん……何かいい方法は無いものかしらねぇ」
そもそもで言えば。
『八時間目』自体が、先輩方の男嫌いを治すと言うか、男慣れするのが目的だったはずだし。
「とりあえず、それも考えつつ、明日は料理教室だねー」
料理教室とか、してる場合じゃない気がしては来たけど?