第41話:金髪子先輩と映画鑑賞
金髪子先輩のお宅にて。
八時間目の授業の『課外授業』として。
お家デート?
目的は、特に無く。
金髪子先輩宅の大きなテレビを見せてもらうコトくらい。
まぁ、強いて言えば、金髪子先輩が『男子に慣れる』お手伝い。
こちらは、ある意味、当初の目的なので。
そして、訪れたお宅で拝見したでっかいテレビ。
確かに、電気屋さんに置いてあったものより大きい。
でっかい。
そのでっかいテレビを収めるリビングと言うか、お宅自体が。
かなり。
でっかい。
でっかいだけではなく。
お手伝いさん? 家政婦さん?
和服に割烹着の女性まで。
ザ・お金持ち?
本人のイメージはそうでもないけど。
やっぱり、お嬢様。
その金髪子先輩がタブレットを操作して。
窓にブラインドを降ろして、照明をほの暗くして。
さながら、映画館のようなリビング。
シアターリビング?
でっかい画面に表示された、サブスクのメニュー。
「さて、何、観よっか?」
「うーん、そうですねぇ……先輩は、何か観たいもの、あります?」
「うーん……そぅねぇ……」
おススメ・メニューをスライドして、タイトルを流していると。
「あ」
金髪子先輩が、手を止める。
「ん? コレですか?」
とあるアニメの、劇場版。
「うん。いいかな?」
「いいですよ。このシリーズはウチも結構、観てるんで」
「え? でも、これって……」
そう。
女の子向け。
女児アニメ。
もう、二十年以上続いている、シリーズ作品。
「ウチの母ちゃ……母さんも子供の頃から好きだったらしくて、ウチも日曜の朝に母さんと一緒に観てました」
日曜日の朝に。
女の子が、変身して戦うアニメのシリーズ。
「そうなんだ……」
「先輩も?」
「うん。ママたちも好きみたい。劇場版を映画館に観に行くまでじゃないけど」
「今はサブスクでほとんど観れますからねぇ」
「うんうん、じゃぁ、観よー」
「はい」
と、言う訳で。
金髪子先輩とふたり。
サブスクで最新の劇場版を。
でっかい画面で。
さながら、映画館で観ているかのような、映像と。
さらに、サラウンドな音声の大迫力で。
堪能。
「いやぁ、ウチの知らない子たちもいっぱいだったけど」
「うんうん、歴代の子がいっぱいで。でも、カッコイイっすね、やっぱり」
歴代の作品のキャラが大集合。
人数が多すぎて、さらに、ウチらが観ていない、過去の作品のキャラも沢山で。
でも、そのエッセンスは、当初から今に至るまで、大きくは変わっておらず。
「まさか園っちが観てたなんてびっくり」
「そうですか? 結構、男子でも観てるヤツ居るんじゃないですかね?」
「そうなの?」
「いや、これ、結構、戦闘シーンとか、ストーリーも熱血入って男でも充分観れますもん」
「ほーほー」
などと。
鑑賞後。
明るくしたリビングで。
シズさん? の淹れてくれてたお茶と、それにケーキなど、頂きつつ。
金髪子先輩と、歓談。
「いやぁ、でも、コレがいわゆる『お家デート』かぁ」
あ。
そうだった!