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玄関ダッシュ五秒の女子高にオレひとり  作者: なるるん
女装・DE・デート:おさげ子先輩
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第39話:これはデートでは無いと主張したい


「あら? 雨、降って来たみたいね」


 ふと、外を見て、おさげ子先輩が。


「あ、ほんとですね……」


 おっしゃる通り。


 窓の外、わりと勢いよく、雨が降り始めたと思ったら。


「ちょっと、えらい雨降ってきたじゃないのっ」

「傘持って来なかったぁ」

「もぉ、ふたりとも……天気予報、ご覧になってませんでしたの?」


 どやどや、と。


 この場では聞きたくないが、聞き覚えのある声が聞こえてきた。


 声のする方。


 喫茶店の入り口。


 三人の、女性。


 『しの女』の制服二名と、ラフな私服の幼女風教師。


「え?」


 どうして、ここが?


 と、一瞬思うも、すぐに察する。


 おさげ子先輩に、確認する。


「まさか?」


「ええ、そうよ。ずっと後ろから見られてたわよ」


 うぉおおおおぃっ!


 今の話からすると、おさげ子先輩はもともと気付いていた。


 もしくは、最初から、その予定が組まれていた?


 いつから?


 もう、最初から、だよね、多分……。


 全然、気付かなかったよ……。



「相席、よろしいかしら?」


 雨に濡れていないぱっつん子先輩が声をかけてくる。


 金髪子先輩とエリ先生はまだ入り口付近で濡れた髪を拭いている。


「だめって言っても座るんでしょ?」


「ええ、もちろん、ですわ」


 おさげ子先輩とぱっつん子先輩のやりとり。


 やっぱり、最初から、だな、これは。


 まぁ、でも。


 別に、特に、何も恥ずかしいコトはしてないし。


 あぁ、ランジェリーショップに入ったところ、ぐらいか?


 それ以外は、まぁ。


 至って健全、至って純粋。至極、普通の。



 …………普通の?


 …………。


 え?


 あ!


 気付いてしまった。


「デートで天丼は無いでしょう、天丼は……」

「えー? 別にいいじゃない、好きなもの食べただけだし」

「まぁ、確かに、美味しゅうございましたけど、天丼……」


 全然、そんな風に思いもしていなかったけど。


 男女が休日に繁華街で過ごす。


 うわぁ……。


 そう気付くと。


 急にめちゃめちゃ、恥ずかしく。


 赤面していたら。


「パフェ食べよう、パフェ。先生の奢りで」


 金髪子先輩も着席。


「そんな訳ないでしょ、奢りませんよ?」


 エリ先生も椅子を持って来て、お誕生日席にして着席。


 三人の様子を見て、店員さんが注文を取りに現れる。


「店員さん、わたくし、こちらのショートケーキとレモンティをホットでお願いしますわ」

「ウチはこのチョコレートパフェ~」

「わたしはブレンド、ホットで」


 三人が注文。


「あ、すみません、わたしもこのモンブランと、ブレンド追加で」


 おさげ子先輩も、追加注文。


「園っちも、パフェ、食べるぅ?」


 あー……。


「コーヒーおかわり、で……」


 追加注文して。


 八時間目の授業の、休日の課外授業。



 まぁ、当初の目的部分は前半で、ある程度。


 後半は、がやがやと。


 前半の感想大会?


 天丼の突っ込み以外にも、いろいろと突っ込みやら、ダメ出しされたりするも。


 そもそも、デートじゃない、と、主張。


 それに、ウチそっちのけで、先輩同士。


「ツグミん、電気屋さんで買ったマッサージ器、使った感想、教えてねっ」

「あー、はいはい、了解」


 とか、とか。



 注文した飲み物、食べ物も空になる頃。


 そろそろ、お開きか、と言ったところで。


 金髪子先輩が。


「じゃぁ、次は、ウチとお(ウチ)デートだねっ!」



 えー……。



 いきなり、まさかの大型テレビ見学?





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