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玄関ダッシュ五秒の女子高にオレひとり  作者: なるるん
最終章:あたしの未来、オレの未来
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第340話:みんなの想い、金髪子先輩の想い



 エリ先生、おさげ子先輩、シズさん、と、少し会話して。


 続いて。


「お嬢様、真綾さまをお連れいたしました」


 シズさんに金髪子先輩の部屋の前まで案内されて。


「おー、どーぞーどーぞー」


 いつもの通り、元気な声が帰って来れば。


 玄関ならぬ、お部屋の扉を開けて。


「お邪魔します」

「よっ、いらっしゃい」


 待ち構える、男子姿の、金髪子先輩。


 Tシャツに半ズボンは、少女にも見えるけど。


 ショートカットの金髪を、後ろで結って、それっぽく。


 ベッドの端に、腰かけて。


「これの話、だよな」


 片手に掴んで、あたしに見せるのは。


 オレンジ色の。


 お守り。


 『子宝祈願』の、お守り。


 直接、そのお守りの話では、無いにせよ。


 当たらずとも、遠からず。


「このお守りガチャの前に、神社でお祈りしたろ?」

「ええ、そうでしたね」


「あん時さー」


 手にしたお守りを、あたしの方から、自分の方に向けなおして。


真綾(まーや)の子供を授かれますように、って、お祈りしたんだよなー」


 え。


「その直後に、コレだろ? もう、笑うしかなかったぜー」


 訊くよりも、先に。


 金髪子先輩から語られる、事実。


 いや、事実ではなく、後からの捏造の可能性も、あるか……。


「前の夜、三人で色々話しててさー。いずれその内、近い将来に、って、ね」


 さらに、語られる。


「帰って来てからシズの話やらエリちゃんと沙綾さんの話まで混ざって、雪枝さんと美里さんにもいろいろ相談して、じゃあ、みんなまとめてって、沙綾さんにお願いしたわけ、さ」


 って。


 母さんとエリ先生の話まで。


 バレてますやん。


 そっか。


 逆に、そうじゃないと、話のつじつま合わないよね。


 学校にバレたらまずいってところは、みんな同じ。


 なるほど。


 じゃ、なくて。


「いつから、とか、なんで、とか、訊きたいコトはいっぱいありますけど」

「おー、なんでも聞いてよいぞ」


 両手を広げて、ウエルカムをアピールする金髪子先輩。


「いえ、全部聞いちゃったら、逃げられなくなりそうなんで今は遠慮しておきます」

「ぐっ、さっさと観念しろー」


 言葉と、ゼスチャーだけで。


 あたしには、一歩も近付かず。


 ベッドの端に、腰かけた、まま。


「このままここに居たら襲われそうなんで、そろそろ次、行きますね」

「あー、シズが止めに入ってくれるから大丈夫だろ」


 いやいや。


「シズさんと一緒になって襲われたら、二対一だし、あたし勝ち目無いじゃないですか」

「おぉっ! その手があったかっ!」

「お呼びでしょうかっ、お嬢様っ」


 どかっ。


 扉の外で聞き耳立ててたとしか思えない、シズさん乱入。


 これ、マジ、やばい?


 と、思いきや。


「なーんて、いけませんよ、お嬢様。無理やりは、ご法度です。めっ! ですわ」


 シズさん……。


「わたくしも我慢しているのですから、お嬢様も我慢なさって下さいまし」


 シズさんっ!?


「わーってるよー」


 実際。


 金髪子先輩も、ベッドの上から微動だに、せず。


 どこまで冗談なのか、微妙なところもあれど。


 本気で、今、そういう事をするつもりは、さらさらなさそうで。


「あー、でも、真綾さまが、お嬢様を、と申されるのでしたら、このシズ、助太刀致します、わよ?」


 シズさぁあああああん!


「このひと、絶対、キャラ変わってる……」


 って。


 あ。


 クチに出てしまった。


 あわてておクチにチャックするも。


「あはは、シズは元からこういうキャラだぜー」

「あら、いやですわ、お嬢様、それはご内密にと」


 あぁ、これは、これは。


 やっぱり、シズさんのこと、もっと、もっと、知る必要、あるなぁ。


 むぅん。


 まぁ、でも。


 それは、さておき。


「はぁ……、あたし、次があるんで、そろそろお(いとま)します、ね」


「おぅ、そっかそっか、じゃぁ」

「わたくしが玄関までお見送りを」


「先輩、また、ね」

「あぁ、また、な」


 手を振りあって。


 金髪子先輩の部屋を、出て。


 廊下、階段を、シズさんに案内されて、玄関まで。


「それでは、真綾さま、お気を付けて」

「はい、お邪魔しました」


 ぺこり。



 さて、と。






毎度のごとく、月末のため、話数と日付をシンクロさせるため、明日の3/31は休載とさせていただきます。



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