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玄関ダッシュ五秒の女子高にオレひとり  作者: なるるん
最終章:あたしの未来、オレの未来
335/349

第335話:みんなの想い、母さんの想い



 二年生になって。


 新・八時間目も、始まって


 ドタバタと、ゴールデンウィークへ突入。


 一番のドタバタは、そう、もちろん、母さんから聞かされた()()()


 ある意味、関係者でもある、雪人さんにも相談して。


 雪人さん自身の過去も聞かせてもらって、アドバイスも、もらって。


 あたしを求めてくれる人たちのことも、想って。


 でも。


 やっぱり。


 きちんと、直接、本人から、その本心を、聞きたい。


 先ずは。


「母さん、ちょっといい?」


 夜、食事もお風呂も終えて、そう、この間と同じ感じで、今度は、あたしから。


「うん、いいよ。じゃあ、お茶、煎れるわね」


 お茶待ち、待機でリビングのソファ。


「おまたせ。何かしら、と、言うか、この間の話、よね?」


 母さんも、察してくれている模様。


「うん、そう、母さんに訊きたいのは……」


 母さんが自分の息子を、まるで道具のように、他人に貸し出そうとしている事について。


「そうよね、良くない事、悪い事だとはわかってはいるわ」


 エリ先生の件は、少し違っている点もあるけど。


 シズさんから、みんなから相談を受けたのは、母さん。


 母さんが、そこで拒否してくれていれば、あたしにこの話は、届かなかったはず。


「エリちゃんとの事もあるけど、シズさん、それにあの子たちの熱意にほだされたって言うのもあって」


 やっぱり、大きなきっかけは、エリ先生との事、だよね。


 そこへ、シズさんが。


 そのシズさんに、あてられたのか、先輩たちまで。


「それに、お母さん自身のこともあって、真綾(まあや)には、きちんと()()()()()、教えてあげたいって、ずっと思ってたの」


 高校時代、合コンで知り合った大学生にお持ち帰りされて。


 あたしを身籠った、話。


「お母さんの元の親って、ね」


 そして、それ以前の、話。


 母さんの元の両親。


 あたしの知らない人たちだけど、その人たちから。


 厳格なしきたり? みたいなもので、がんじがらめにされてて。


 そういった方面の情報からも遮断され。


 女子学校で、男性との接触も制限され。


 何も知らない状態だったから。


「そんな状態でよく合コンとか行けたね」


「ほとんど騙されて連れて行かれたようなものだったのよ」


 恥ずかしながらね、と、少し照れる母さんは、続けて。


「無知ほど怖いものは無いって気付かされたわ」


 そう言った知識が何もなかったが、故に。


 相手に何をされているのかも、理解が追い付かず。


 言われるがまま、されるがまま、ってことだったらしい。


「真綾には、いつかちゃんと、教えてあげたいなーって、思ってたの」


 それは、それで。


 なんか、違うような気もする。


「教えてあげると言うよりは、ちゃんと理解できてるか確認したかった、って言う方が正しいかな?」


 まぁ、普通。


 こんな話、親子でするような話じゃ、ないよね。


 他の家庭だと、どうなの?


 友達同士とかでも、そういう話は禁忌(タブー)みたいなところ、あるし、知る由もないけど。


 なんとなく、親子でそんな話はしてなさそう、って気は、する。


 このご時世。


 ネットを使えば、そういった情報も簡単に検索できるし、ね。


 その情報を、どう活用するのかは、それぞれの判断、だとして


「そこはわかったけど、そういうのを実際にさせるのって母さん的にどうなの?」


 親と、して。


「せっかくのいい機会だから、経験を積ませてあげたかった、じゃ、ダメかしら?」


 それは、それは。


 確かに。


 自分ひとりで。


 恋人を作って、その恋人と、とか。


 うん、想像も、付かないし、なんとも現実味が無く、機会なんてそうそう、無いだろうから。


 ずっとずっと、未来の、夢のような話、みたいな考えはあったから。


 だからこそ。


 降って湧いた、この話。


 道具のように使われる、って感は否めないものの。


 求められた上での、事となれば。


 こちらとしても、やぶさかでは、無く。


 母さんの言う通り、経験を積むと言う意味では、絶好の、機会とも言える。


 それにしても、やっぱり、母さんだけでなく、他のみんなの、それぞれの本心、『想い』を、聞いてから、かな。


 とか、思っていたらば。


「そうだ、ちょうどいいわ。ちょっと待ってて」


 はい?


 母さんが、何か、突然、思い出したように。


 リビングを出て行ったかと思えば、ほんとうにすぐに戻って来て。


 持って来た紙? を、ロウテーブルに置くと。


「真綾がどの程度理解してるか、理解度テストよー」


 はいぃ!?


 って。


 見たら。


 そういう方面の話が、試験問題風に、ズラリ。


「時間は、そうね、三十分かしら、よーい、はじめっ」


 そして、いきなりっ!?





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