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玄関ダッシュ五秒の女子高にオレひとり  作者: なるるん
最終章:あたしの未来、オレの未来
332/349

第332話:お風呂でいろいろ、色々



 バスルームで。


 水のシャワーを。


 全身にかけると、冷たすぎるから、頭にだけ。


 ん。


 熱暴走しそうな頭が、ちょっと冷やされて、落ち着いたら。


 シャワーの温度を上げて。


 今度は、身体にもかけて、軽く汗を流して。


 湯船に、ちゃぽ、っと。


「はふぅ……」


 肩まで浸かって、さらに、口元までお湯に浸して。


「ぶくぶくぶく」


 エリ先生は、ともかく。


 先輩たちの、言動を思い起こして、みれば。


 ほとんど冗談と言うか、あたしをからかっているとしか、思えないような内容。


 それが、実は。


 本音の混ざった、あるいは、本音そのものだったか。


 例の『同意書』も、(しか)り。


 その『同意書』を使って、訓練? とか、言ってたのも。


 なるほど、母さんの話を聞いて合点(がてん)がいったって感じ。


 シズさんはもっと直球(ストレート)だったしなぁ。


「ぶくぶく」


 エリ先生の場合、そういう様子はほとんど無かったけど。


 母さんと恋仲になって、母さんと『一緒になる』ことからの流れで。


 最も最適な相手として、って事みたいだよね。


「ぶくぶくぶくぶく」


 もちろん。


 みんなに求められる、みんなに選んでもらってる、って。


 すごく、すごく、嬉しい。


「ぷはぁっ」


 鼻呼吸だけだと苦しいね。


「ふぅう……」


 ため息ばっかりなのは。


 ある種の深呼吸?


 そうやって、心と身体を、落ち着かせようって、自己防衛の本能?


 本能、と、言えば。


『子作り』


 意識しないように、と、思いながらも、その行為を想像してしまうと。


 眠らせているはずの、男としての本能が。


 目覚めてしまう。


 覚醒してしまう。


「うぅ……仕方ない」



 とりあえず。



 再度、それを封印すべく、()()()り行えば。




「あ……やば……お風呂の水、入れ替えないと」


 このまま、この後に母さんがお風呂に入ったりしたら、マズい。


 お風呂からあがって、ささっと身体を拭いて。


 お湯を抜いて、湯船を洗って。


 そんな作業をしていたら、少し落ち着きを取り戻すこともできたので。


 着替えて、リビングを通って、部屋に戻ろうとすると。


「おやすみ、母さん」

 

 母さんが、まだ、ぼぉっと、ソファに座っていた。


「ええ、おやすみ、真綾(まあや)


 母さんは母さんで、思うところもいっぱいいっぱいあるだろう。


 ふたりとも、もう、多くは語らず。


 ただ、おやすみの挨拶を、交わして。


 あたしは、自分の部屋へ。


 ぱふん。


 ベッドに倒れ込んで。


 もぞもぞ、と、寝転んで。


 ぼぉっと、携帯端末の待ち受け画面を眺めてみる。


 画面を見てはいるけど、特に何か操作するでも、無く。


 ただ、ぐるぐると、回る、思考。


 みんなの、言葉の裏にあったもの。


 過去の記憶、そこから推察される、憶測。


 経緯から考えるに。


 母さんとエリ先生が、雪枝さんと美里さんに会いに行った時。


 もしくは、その後で。


 先輩たちとシズさんも交えて、女性ばかり集まって。


 そんな話、会合? 会談? 密談? みたいなことをやったんだろうなぁ。


 そこで、お互いに、胸の内を打ち明け合い。


 って、考えてみると、すごいな。


 普通だったらちょっと考えられない話だよねぇ。


 実際問題、本来なら、ものすごく個人的(プライベート)な、話。


 それを、共有して、共同で、協力して、みたいな。


 それだけ、本気、って、事、なのかなぁ……。


 そう言われても、さ。


 こんなの、誰にも相談できないよねぇ。


 一番最初に相談すべき母さんが、そっち側だし。


 男友達にも、こんな話、できるわけ、無いし。


 レイちゃん? ミツキさん?


 ぷるぷる。


 レイちゃんはともかく、ミツキさんになんて話したら、山田くん通してすぐみんなにバレちゃうよねぇ。


 あと、他には……。


「あ」


 雪人さん!


 そうだ、雪枝さん美里さんの入れ知恵だとしたら、雪人さんも、すでに何か知ってるかも?


 そうでなくとも、話せるとしたら、雪人さんくらいしか、居ないよね。


 夜も遅いけど、とりあえずアポだけでも取ってみるか……。


 メッセージアプリを立ち上げて。


 雪人さんにメッセージを。


「こんばんは。夜遅くにすみません」


 送ってみる。





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