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玄関ダッシュ五秒の女子高にオレひとり  作者: なるるん
新学期・新八時間目
323/349

第323話:はじめましての自己紹介



 いよいよ。


 一年生も加えた『八時間目』の、日。


 いつもは、机を三かける二で六つくっつけて、五人で囲むように座ってるんだけど。


 今日は、顔合わせって事もあって。


 三、二、三、二の長方形に机をくるっと並べて、少し距離を取る感じで。


 三つの席に、先輩方。


 二つの席には、エリ先生と、あたし。


 もう一方の三つの席に、一年生女子ふたり。一個は余り。


 もう一方の二つの席には、トランスジェンダー女子ふたり。


 あたしが入学した時は、後ろの方の席にあたし、前の方に先生と先輩たちみたく、シンプルだったっけな。


 今は。


 先輩たちと、四人で指定の席に着いて。


 去年の事を思い出したりしながら、一年生の登場を、待っていると。


「さ、ここよ、入って」


 エリ先生が、一年生を引き連れて。


「失礼しまーす」

「失礼いたします」


 面識のある、七ちゃんこと七種(さいくさ)さんと、九ちゃんこと、九重(ここのえ)さん。


 続いて。


「失礼します」

「失礼します」


 初見の、女の子。


 片方は、金髪子先輩やエリ先生と同じくらいの背格好。


 もうひとりは、おさげ子先輩やあたしと同じくらい、かな。


 ちなみに、七ちゃんと九ちゃんも、あたしと同じくらい。


「女子ふたりはこっち、ふたりはこっちに座ってね」


 エリ先生に指示された通りに、一年生が、おじぎをして、着席。


 あたしたちは座ったまま、軽く会釈して返して。


 エリ先生も席に着いたところで。


「はい、じゃあ、新年度の八時間目の特別授業(カリキュラム)、はじめますね」


 その先生の音頭で。


「後でそれぞれ自己紹介してもらうとして、まずは先生が軽くみんなを紹介するわね」


 はじまり、はじまり。


 ぱちぱちぱち。


 一応、拍手してみると。


 皆も、つられて? ぱちぱち。


「はいはい、わたしが担当の沢田エリ、担当教科は二年の現国よ」


 そうそう、エリ先生の授業はなかったけど、今年はあるのよね。


「こっちの三人の女子が、三年生の大里さん、中原さん、小坂さんで」


 大中小とは、言わず。


「みんなもう知ってると思うけど、こっちが二年生の男子、園田さん」


 先輩たちもしかり、あたしも入学式でも紹介されたから、知ってるはずだよね。


「それから、新一年生の、女子ふたりが上谷(かみや)さんと下谷(しもたに)さんで」


 おぅ?


 大中小の次は、上下!?


「こっちが、えっと、トランスジェンダー女子でいいかな? 七種(さいくさ)さんと九重(ここのえ)さん」


 七八九の、八っくんは結局、不合格、さもありなん。


「じゃあ、簡単に三年生から自己紹介、お願いね。小坂さんからよろしく」


 去年と違って。


 先輩たちも、いたって、普通に。


「はーい。三年、小坂ミリィ。こんな見かけだけど日本人だよーよろしくねー」

「同じく三年、中原ツグミよ。よろしくね」

「三年、大里サクラ、正真正銘の女子で日本人すわ。よろしくお願いしますわ」


 ぱっつん子先輩、入学式の男子当てクイズを根に持ってらっしゃいますね。


『てめーら、わたくしを男子扱いしたらただじゃおきませんことよ』


 とか、言い出さないだけ、マシか?


 これで男装モードだったらそれはそれで笑えるけど、今日は三人とも普通に女子モード。


 あたしも、ね。


 っと。


 続いて、あたしだね。


「えと、二年、園田真綾(まあや)、こんな見かけだけど、一応、男子です、よろしく」


 少し、男子風味も、少し残しつつ。


「じゃあ、一年は七種(さいくさ)さんから」


「はい、一年の七種(さいくさ)かおる、ですよろしくお願いします」

「同じく、この度入学しました、九重(ここのえ)ゆうと申します。皆さま、よろしくお願いいたします」


 七ちゃん、九ちゃん。


 もうみんな知ってるわよね? って感じで、女子だ男子だとは、言わず。


 続けて、一年女子の、ふたり。


「えっと、次、わたしかな……はじめまして、一年の下谷(しもたに)みどりです、普通の女子です、よろしくお願いします」


 最後、もうひとり、背の低い方の子。


「はい、わたしが最後ですね。はじめまして、一年生の上谷(かみや)()()()()()()()です、わたしも女子です、よろしくお願いしますね」


 は?


 イマナンテ?





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