表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
玄関ダッシュ五秒の女子高にオレひとり  作者: なるるん
新学期・新八時間目
320/349

第320話:先生は同意書に同意できません



 同意書。


 雪人さんのお店のWebサイトに掲載されていたもの。


 あらかじめ同意の上、どういった事をするのか設定して、その通りに実行しよう、と言う文書?


 直接的にはあまり言いたくないものの。


 まぁ、ようは、男女の触れ合い方についての、あれやら、これやら。


 どうも、雪人さんとアカネさんが実際に使ってたモノっぽい。


「はい、これ、コンビニのコピー機でプリントしてきました」

「一部が雪人さんオリジナルで、もう一部がウチらで修正したヤツね」


 携帯端末の小さな画面じゃ見にくいだろうって事でしょうね。


 用意周到、おさげ子先輩、ナイスです。


 カバンから取り出したコピー用紙を、エリ先生と、あたしに手渡され。


 先輩たちは自前で持ってるみたいで、それぞれカバンから取り出して。


 あたしは一度画面で見ているので、おおよその内容はわかってるけど。


 やっぱり、改めて見てみても、雪人さんのこれは。


 そのままだと、えげつない、よねぇ……。


 そして、そんなえげつなさを、エリ先生は。


「何よこれ! こんなの学校に持って来ちゃダメでしょ! 何考えてるのよあんたたち」


 これまた、一刀両断。


 だがしかし。


 先輩方も、ただ切られるわけもなく。


「だから、修正版はCのところは全部カットしてるし」

「Bのところもマイルドにして拡張してるでしょ」


 見比べてみると、同意書の文章そのものはほぼ変わらないものの。


 別紙付表の方の、記述や図解が、かなり変わってる。



――――――――――――――――――――

       別 表 (1)

――――――――――――――――――――

     氏名      氏名

行為者: ()        ()

承認者:

――――――――――――――――――――

       行 為 計 画

開始予定日時:  年 月 日 時 分~

予定行為:

□直接 □着衣

□B01 □B02 □B03 □B04 □B05 

□B06 □B07 □B08 □B09 □B10

□B11 □B12 □B13 □B14 □B15

□B16  □B17 □B18 □B19 □B20

  (※詳細は別表)  ((2)を参照)



――――――――――――――――――――


 い、いつの間に……。


 おっしゃる通り、Cがなくなって、Bの内容もかなり変わっている。


 別表の方も簡素化されて、図解も大きく変わっている。


 オリジナルでは四十九個の図だったものが、簡略化したヒトの正面と後ろ姿の、ふたつ。


 その図の各部位に番号が示されている。


 肩が01で、頬が02とかって感じで、前後あわせて、16番まで。


 なるほど、どの部位に触れるかを、あらかじめ『同意』しましょうってことなのね。


 17~20はハグとか、おんぶとか、動作だね。


 しかし、あたしが居ないところで、三人でこれを?


 うーむ。


 この熱意を勉強方面に向けた方がよくないですかね、先輩方?


 と、あたしが突っ込まなくても、そこはわかった上で、って、事よね。


 でも、先生のおっしゃる通り。


 この、雪人さんと言うか、多分、アカネさんオリジナルの内容は。


「没収よ、没収、こっちのオリジナルのは完全アウトよアウト」


 そう言いながら、先輩たちとあたしから資料を取り上げる、エリ先生。


「まったく、まだ未成年で学生なんだから、こういうのは成人(おとな)になってからにしなさい」


 意外と。


 普通に、大人の先生の対応だな。


 なんか乗って来て、悪乗りするかとも思ったけど。


「それに、親の気持ちも考えてみることね。()()()()()()()()()()見てたら、どう思うか」


 はぅうん、って、感じで。


 先輩たちも、反抗は、せず。


 しょんぼり、素直に資料を先生に、渡す。


「まぁ、そっちの改良版の方は、女子校の女子同士の悪ふざけ程度ってところで許してあげるけど」


 先生は、回収した資料を重ねると、もともと持っていた他の資料に挟んで。


「ただしこっちの改良版も『直接』とか無しよ、無し。服の上からならいざしらず」

「でも、ほっぺとか、腕とかは直接でもいいでしょ別に」


 ここは先輩も反論。


「うっ、そっか、それなら、直接NGの項目をちゃんと明示しなさい」

「はーい」


 ここは先輩も、納得?


「あと」


 先生、まだ何か?


「一応、オリジナルの資料のURL、教えておいて頂戴。今度雪江さんたちと会う機会があるから、この資料のお話も訊いてみるわ」

「はいはーい」


 どういう意図で?


 と、言うか、母さんとふたり、雪枝さんと美里さんに会いに行くって言ってたな、そう言えば。


 それはいいとして。


 この同意書、ほんとに使うの?



 まぁ。



 同意しなければいいだけ、かな?





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ