表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
玄関ダッシュ五秒の女子高にオレひとり  作者: なるるん
女装・DE・デート:女装ショップ
32/349

第32話:女装専門ショップの店員さんに訊いてみた



「いらっちゃいまちぇー」


 またまた。


 お出迎えしてくれるのは、美幼女。


 今日は淡いピンクのワンピース。


 少し長めの髪はツインテールにしていて、歩くたびにゆらゆらと揺れている。


 ウチのウィッグと違って、地毛なんだろうなぁ。


「こんにちは、アキラちゃん」


「むぅ、アキラちゃんちなーう。アキラ()()だもー」


 あ? え? お?


「いらっしゃい」

「いらっしゃいませ」


 例の店員さんご夫妻もお出迎えしてくれる。


 その、奥さんのような旦那さんの方が。


「お母さんから連絡もらってるよ」


「あぁ、すみません。ありがとうございます。その……よろしくお願いします」


「じゃあ、こちらへどうぞ」


 話の内容的に、店先では、と、店の奥へと移動。


 ちなみに。


「アカネ、店番とアキラ番、よろしく」


「あいよー、おまかせー」


 幼女アキラ()()は、店員さんの奥さん(女性)に回収されました。


 激しくややこしいわっ!


「狭いところでごめんね。そこ、座って? コーヒーでいい?」


 テーブルにパイプ椅子がよっつ。


 まわりの壁には棚があって、荷物、と、言うか、これ商品だよね。いっぱい物が積み上がってる。


 一画に、流し台があって、ポットでインスタントコーヒー。


「あ、はい」


 答えながら、パイプ椅子に座る。


 ちなみに。


 母ちゃん命令で、今日は女の子用の私服。


 濃い青……藍色? の、スカートとベージュ色の半袖ブラウスに薄い白のカーディガン。


 女子高生的には質素と言うか、大人しいめ?


 いや、女装男子ならこれでも派手だよ?


「はい、コーヒーどうぞ。今日は可愛い格好だね。いいね、似合ってる」


「そ、そ、そうですか? あ、ありがとう、ございます」


 しどろん。もどろん。


 前にもあったか? しどろんもどろん。


「それに、座り方とか、うん、けっこう、慣れてきた感じかな?」


「そ、そ、そうですか? あ、ありがとう、ございます」


 いや、なにリピートしてるんかな。


 ひとりだし、やっぱりちょっと緊張する。


 母ちゃんにも一緒に来てもらえばよかったか?


『女装男子同士、オンナのお母さんには話せないこともあるでしょうし?』


 ってことで、単騎突入を余儀なく。


 テーブルを挟んで向かいの椅子に座った、店員さん。


 そういえば、名前、まだはっきり聞いてなかったかも?


 息子さんの名前アキラくんと奥さんの名前アカネさんは漏れ聞いてわかってるけど。


 その店員さんが、コーヒーを一口つけてから。


「それで……お母さんからは『女性らしい話し方』や『女性らしい考え方』について、アドバイスが欲しい、ってことで?」


「あ、はい」


「んー、えっとね……」


 ごくり。


 なんか、極意(ごくい)とか、あるのかな?


「結論から言うとね」


 極意(ごくり)!?


「必要、無いよ」


 え?





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ