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玄関ダッシュ五秒の女子高にオレひとり  作者: なるるん
新学期・新八時間目
319/349

第319話:新・八時間目、はじめましょう



 新学期。


 あたしも二年生。


 教室が、四階から、三階へ、グレードアップっ!


 階が下がってるんだから、グレードダウン、ってわけじゃなくて。


 低い階の方が、確実に、楽なのっ!


 だから、グレードアップっ!


 身体を鍛えるには、上の階の方がいいのかもしれない、けど?


 大した違いじゃない、とも、言えなくも、なく。



 今日はまだ始業式で、午前中の早い時間で、終了。


 八時間目の教室も、二年のフロアだから、あたし的には移動が楽になったけど。


 先輩方は。


「この教室も、三年のフロアに変更してもらわなくちゃ」

「ええ、まずはそこからですわねぇ」


 逆に、二階からのぼってくる必要が発生。


「エリちゃんにジカダンバーンだねー」


 金髪子先輩、それを言うなら、直談判では?


 先輩は、わざとそんな風に言い間違えてる節が、ある。


 成績も悪いわけではなく、むしろかなり良い方だし。


 わかっているが故の、言葉遊び的なものかも。


 そして、ウワサをすれば、影。


 エリ先生も、ご登場。


「おまたせー、真綾(まあや)ちゃん、お昼頼めるー?」


 いきなりだな、ぉい!?


「いきなりなんですか……ありあわせでよければ」


「ありがと、頼むわね」


「あ、じゃあ」


 っと、先輩たち、と言うか、金髪子先輩が何か言い出しそうだったので、先手。


「言っておきますが、先輩たちの分は無いですよ。午後から材料買い出し行かなきゃだし」


「うっ、くっ、そっかー」


 昨日同様。


 今日は物理的に、材料が不足しておりますので、はい。


「んじゃま、今日のと言うか、新年度最初の会、はじめましょうか」


 一応。


 顧問であるところの、エリ先生の音頭で。


 八時間目の、特別カリキュラム。


「とりあえず、今年度の活動計画、みたいなところからかな?」


 きゅきゅ、と。


 黒板に、タイトルを書く先生に対して、おさげ子先輩が。


「それより、この教室、三年のフロアの空き教室に変更できない?」


 さっきの、話ですね。


「え? そんなの無理に決まってるでしょ」


 一刀両断、エリ先生。ある意味、かっけー。


「えー」

「そこをなんとか」

「エリ先生のお力でっ」


 ねばる、先輩方。


「だめだめ、二階の空き教室は文化部の部室になっちゃってるから、移動は無理よ」


 返す刀で?


「えーえー」

「そこをなんとかどーにか」

「是非とも、エリ先生のお力でっ」


 ごねる、先輩方。


「だーめ」


 切り捨て御免。


「ってことで、この教室で、何をやるか考えましょう」


 切り捨てられた先輩方は、でも。


「一応、わたくしたちは夏休みまで、ですからね?」

「うん、そこは変わらず」

「夏休みまでって、夏休みが終わるまで?」


 あー。


 先輩たちの、疑問と言うか、確認ポイント。


「んー……そうねぇ……去年みたいに、夏合宿で最後って形でどうかしら?」


 エリ先生の、判断。


 先輩たちの親御さんが許してくれれば、って気もしますが。


 でも、世間一般的な、大学受験生のイメージを考えると。


「先輩たちは、夏期講習とか行かれないんですか?」


 そう、勉強漬けって考えると、合宿なんてやってる暇、無さそう。


「あー、まー、行った方がいいんだろうけどなー、面倒だなー」

「わたし達の成績なら、推薦狙ってなんとかなりそうだしね」


 いつものごとく?


 金髪子先輩とおさげ子先輩は、余裕の構え。


「まったく、貴女(あなた)たちは……わたくしの面倒も見て下さいましね?」


 ぱっつん子先輩は、少し不安な様相あり。


 でも。


「おぅおぅ、まかしときー」

「おまかせあれ」


 おふたりの、この余裕はどこから来るのか。


 まぁ、潜在能力もさることながら、努力もされてるんだろうな。


 八時間目(こんなこと)やってても余裕なところはすごいと思うけど。


 そして、今年、新年度は。


「先輩たちは夏までとして、一年生の参加はいつごろからなんです?」


 例の、七ちゃん九ちゃんのトランスジェンダー女子二名。


「女子の募集もあるからねぇ、オリエンとか終わって、再来週くらいからかしらね」


「なるほど」


 そういえば、去年の開始もそれくらいの頃だったっけか。


 はじめての、女子校で。


 はじめは、ただ女子の服を来ただけの、男子だったのを。


 より、女子らしく、って。


 いろいろと。


 それが最初の頃の活動内容、だったっけか。


 その後はお料理教室だったり、先輩たちが男装してみたり。


 でも。


 今年の新入生はすでに限りなく女子に近いから、そういうのは必要なさそうだしなぁ。


「今年は、どんな事やります?」


 って、純粋な、質問に。


「お花見合宿で決めたでしょ、例の『同意書』の改良するよー」


 あ。


 そういば。


 そんな話も、あったっけか。


「同意書? って、何よ」


 ただし。


 先生は、いらっしゃいませんでしたね、あの時は。


 先ずは、先生にその『同意書』の話を、しなくちゃ、ですね。






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