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玄関ダッシュ五秒の女子高にオレひとり  作者: なるるん
入学式ともうひとりの母さん
311/349

第311話:沙綾お姉様~入学式はじまります



 入学式の、朝。


 ぞろぞろと、先輩たちと一緒に。


 玄関ダッシュはせずに、ゆっくり歩いて、目の前の学校へ。


 入学式自体は、十時半からなんだけど。


 準備やらリハーサルやらで、あたしたちは、九時集合。


 予定では、式の途中に八時間目の活動紹介みたいな感じで、先輩たちと、あたしが壇上にあがる事になるそうな。


 やめてくれー、と、思う反面。


 後から陰口言われたり、変なウワサを立てられるよりは?


 講堂で、エリ先生とも合流したらば、早速。


真綾(まあや)ちゃん、式が終わったら、ちょっと話したいんだけど、ふたりきりで)

(ああ、先生、あたしも、先生と話したかったんですよね)

沙綾(さあや)お姉様から聞いたんだよね?)


 お、お姉様って……。


(はい、一応……)

(まあ、その件で、ね)

(はい、では、また後で)


 そりゃ、まあ、その話になるですよね。


 ただ、今は、まだ、入学式。その準備が、先。


 先生も交えて、生徒会の皆さんとも、打ち合わせ。


 からの、式の流れをリハーサル。


 講堂の壇上へとあがるタイミングだったり、立ち位置だったりを、確認。


 基本的には。


 校長先生の挨拶の中で、あたしの事や新入生のトランスジェンダー女子の話、それに、八時間目の話に軽く触れて。


 生徒会の挨拶からの流れで、八時間目のメンバーの、紹介。


 八時間目の活動については、エリ先生から説明してくれるので。


 あたしと先輩は、その後に軽く自己紹介。


 みたいな、流れを聞いて、実際に壇上に立ってみる。


 生徒会長さんの、指示によると。


「背の順で、大里さん、園田さん、中原さん、小坂さんの順で並んでね」


 との、こと。


 いつもだと、大中小園みたいな並びだったと思うけど。


 何故か今回は、あたしも混ざって、背の順?


 はて?


 そんな段取り確認を、していたらば。


 ぽつりぽつりと、入学生の保護者の方が講堂に集まり始める。


 新入生は、一度教室に集まってから、入学式が始まるタイミングで教室から移動してくるらしい。



 そういえば、あたしが入学した時もそんな感じだったっけな。



 去年の入学式では、壇上に立つまでのことは、なかったけど。


 校長先生が、軽く『今年から共学化して、男子も一名入学している』と、だけ説明。


 今、考えたら、もっとアピールしてもらってもよかったのかもしれないけど。


 当時の格好とか、仕草とか、思い出すと、男全開だったし。


 今だから出来る、って感じもあるかも。


 そういう意味で、八時間目の活動が、役に立ってたって事だよねぇ。


 本意ではなかったかもだけど。


 なんか、流されまくってた気もしなくは、無いけどー。



 そんな事を、思い出してたりしていると。


 やがて。

 

 式の時間が迫ると、あたしたちも先生たちの席の一角に座って待機。



 入学式が、はじまると、新入生が、講堂へと入場。


 ああ、早速、スラックスの子も居るね。ほとんどはスカートだけど、ちらほらと、スラックス。


 新入生たち全員が座り終えて、式の内容へと、移る。


 予定通り。


 校長先生の、挨拶(スピーチ)


 ある程度、決まりきったお話の中。


 共学化を目指して、試行錯誤していること。


 男子、それにトランスジェンダー女子を募集しはじめたこと。


 実際にそんな子が、入学していること。


 ここではまだ、七ちゃん九ちゃんの個人的な話は、せず。


 専用のお手洗いや更衣室がある旨の概要だけを、説明。


 ちょうど、新一年生が教室から講堂に移動する時に前を通って見かけたはずよね。


 校長先生の後は、先生の、紹介。


 それから、生徒会メンバーの紹介、挨拶。


 生徒会長さんは、校長先生と違って。


 いつものごとく、と、言ってもいい感じの、ラフさ加減も醸し出しながら、それでも入学式と言う(おごそ)かな枠からは、大きく外さず。


「さあ、それじゃあ校長先生からもお話のあった八時間目のメンバーを紹介するよー」


 そろそろ。


 あたしたちの、出番。




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