第292話:真綾の歳は?誕生日は?
やっぱり。
泊るんじゃなかった、と、後悔先に立たず。
結局また、リビングのソファに、座らされて。
「はい、持って来たよ」
部屋まで携帯端末を取りに行っていたおさげ子先輩が。
金髪子先輩と、ぱっつん子先輩の分も持って戻られて。
「サンキュー、ツグミん」
「ありがとう、ツグミ」
分配。
どうせヒマだし、あたしも。
「あたしも端末、取りに行ってよいです?」
「ちゃんと戻って来なさいよ」
「逃げたら許さないからね」
「はいはい」
あたしにと、用意されている、お部屋。
コンセントから端末を抜いて。
「このままばっくれても気付かれないような」
でも。
気付かれたら、後が、怖いと言えば、怖い。
何をされるやら。
ナニをされるやら。
その件につきまして。
現在、調査中の、先輩方。
しぶしぶながら、一応、リビングに戻ると。
「真綾って今度高二で、今もう、十六歳だよね?」
いきなり、おさげ子先輩に歳を訊かれる。
「はい、先月、十六になりました」
素直に答えると、金髪子先輩が、驚いたように。
「え? 先月誕生日だったの?」
「そういえば、誕生日って聞いた事なかったですわね。いつでしたの?」
ぱっつん子先輩も、加わって、何故かあたしの誕生日の話に。
そういえば、先輩たちの誕生日も、知らなかったりする。
とりあえず、隠すものでもなし、あたしの誕生日は。
「三月十日ですけど」
「あら、わたくしと近いですわね。わたくしは三月二日ですわ」
「ウチは二月二十日~」
「わたしも二月で二十七日、ね」
あらら、皆さん、お近いのですね。
あたしより一年先輩だから、十七歳、か。
「で、あたしの誕生日が、何か?」
素朴な、疑問に、金髪子先輩が。
「いあ、調べてみたらさ、十六歳未満だと、やっぱりアウトっぽいのよね」
「そうそう、なので、十六歳を超えてれば、オッケーらしい」
えぇー。
「未成年って、十八歳未満じゃなかったでしたっけ?」
「っと、真綾も携帯持って来たなら、アドレス送っちゃるわー」
ぴこん。
メッセージアプリを通じて、アドレスが。
タップしてみると。
『未成年エッチ』の検索結果一覧。
未成年、エッチ、って……。
うぅむ。
で、その一番上が。
「警視庁?」
「警察庁ね。そのリストの一番上、開いてみ」
あ、よく見たら、警察庁、か。
開いてみたらば。
あぁ、なるほど。
「十六歳に引き上げられた、ってことは、昔はもっと年齢が低かったってことです?」
「以前は十三歳だったみたい」
どひぃ。
十三って、中二か中三くらい?
「今は、十六歳未満の場合、本人の同意があっても、犯罪」
「十六歳以上の場合は、同意があれば、オッケー」
「つまり、真綾の場合、オッケー」
先輩方のおっしゃる通りの事が、書かれてある、PDF書類。
すごくわかりやすくまとまってる感じ。
警察庁から開いたけど、法務省って書いてあるね。
あぁ、法律的な内容なので、法務省扱いで、取り締まりとかは警察庁、って事か。
なるほど。
じゃ、ない。
「あたしが同意すれば、でしょ?」
ずばり。
あたしが、同意さえしなければ。
って、事で、もう寝ませんか?
さすがに、眠いっす……。
「同意かぁ」
「うーん、やっぱりそこだよねぇ」
あら、先輩方、まだおネムじゃない?
先輩たちも疲れてるはずなのになぁ。
「ところで真綾さん」
はい?
「何でしょう、サクラ先輩」
「男子の格好で『あたし』って、違和感ありますわね」
あ。
※とある理由により、公開時間を18時から17時に変更させていただきます。
いあ、投稿処理する時に、18時だと、時刻バーをスクロールしないといけなくて面倒になってきたんすよねw 17時だとスクロール無しで選択できるw