表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
玄関ダッシュ五秒の女子高にオレひとり  作者: なるるん
女子会パジャマパーティ in 別荘
291/349

第291話:男でもなく女でもない真綾に荒療治を



 シズさんと、ふたり、別荘の、リビング。


 マンツーマンで、お説教なのか、ご高説なのか、ご指導なのか。


 シズさんと、しては。


 奉公先の金髪子お嬢様と、その幼馴染のお嬢様たちが。


 あたしに危害を加えられないか? って、心配をしていらっしゃる模様。


 それは、あたしから、と、言う可能性と。


 もうひとつ。


 先輩たちから、あたしへ、と、言う、可能性。


 シズさんが言おうとしていたのは、後者の危険性について。


 だと、思う。


 多分。


 そして、おそらく、それは。


 先輩たちのみならず。


 シズさん自身も?



 今、まさに。


 シズさんが、あたしを軽く抱きしめて、耳元で()()()をささやこうとした、その時。


「シズ、まぁや、なにやってんの?」


 リビングに、金髪子先輩が、再登場。


 見れば、金髪子先輩だけでなく、ぱっつん子先輩、おさげ子先輩も。


 シズさんが、さっと、あたしから離れて、先輩たちの方へ向き直り。


「お嬢様、どうされました?」


「いやいや、どうされましたはそっちでしょ。ふたりで何やってたの?」


 何、と、申されましても。


 えーっ、と、ですね。


 どうやって、ごまかそう?


 ちらっ、と、シズさんの方を、見やって。


 目で合図。


真綾(まあや)様がお嬢様方にペタペタされたのに、お嬢様方をペタペタする事ができなかったので、代わりにわたくしにペタペタしていただこうかと」


 って、シズさん!?


 ごまかすどころか、そのまんまですやーん。


 それより、シズさんが『ペタペタ』言うの、なんかカワイイなっ!?


「何それ、それでペタペタしてたの?」


 確かに、金髪子先輩のおっしゃる通り。


 話の流れだと、ペタペタしてたようにも、聞こえますよね。


「いえ、そうご提案申し上げたのですが、いやはや、真綾様ときたら」


「あー、わかる」

「でしょうね」

「さもありなん」


 ぅう。


 そういう風に、思われてる、見られてる。


 でも、それは、間違いではなく、正しい、見解とも、言える。


 自覚も、ある。


「はい。男性として、軽々しくは女性に触れられないと、(かたく)なな意志をお持ちのようですわ」


 ヘタレ、と、言われてもおかしくはない、けれど。


 言わないのは、シズさんの、優しさ、かな。


「さりとて、女性同士のフレンドリーなスキンシップができるかと言うと、そうでもなく」


 はい、おっしゃる通り。


 女の子になりきってるのなら、女の子と、もっと気軽に触れ合えるんだろうなぁ、とは、思います、けど。


 さすがに、そうは行かない部分も、多々。


 シズさんの解説に、先輩たちは。


「あー、男としては、ヘタレ」

「うん、ヘタレ」

「ヘタレですわね」


 ずばり、おっしゃいますか……。


 さらに、シズさんまで。


「はい、ヘタレ、ですね」


 言ってもいいとは思ったけど。


 実際、ずばり言われると。


 なんか、悲しい?


 しょぼん、と、していたらば。


「そこで、ですね」


 改めて、シズさんが。


「多少の()()()も必要になるかと思われる次第で」


 荒療治?


「荒療治、って?」


 ほら、金髪子先輩もキョトンとしてるじゃないですか、シズさん。


 いや、なんとなく、その治療法の全容が、わかっちゃう部分もありますがー!?


「ふむふむ、もっと強制的にペタペタして、慣れさせるって感じかな?」


 おさげ子先輩が、解にたどり着く。


「はい、でも、お嬢様方には、荷が重いと思われますので、ここは、このシズが」


 堂々と、認めちゃったよ、シズさん。


 でも。


「シズさんが、となると、条例違反、犯罪になりませんかしら?」


 ぱっつん子先輩の、起死回生の、フォロー。


「あ」


 固まる、シズさん。


 そう、成人が、未成年に、って、ヤツですよね。


「ウチらがヤる分には問題ないってこと?」


 おぉい、金髪子先輩っ!?


「一応、そうなりますかしら? 詳しいコトはわかりませんが」


 ぱっつん子先輩、知らんのかーい。


 って。


 心の中で、突っ込みまくり。


 リアルで突っ込むと、何が返って来るかわからないので、静観。


「ふむ……ちょっと調べてみましょうか。端末取ってくるわ」


 そう言って、おさげ子先輩が、リビングを出ようとするけど。


「あ、ツグミん、ウチのも持ってきてー」

「わたくしのもお願いしますわ」


 って。


 そうだ。


 この機に乗じて。


「じゃあ、あたしは、これで」


 さっさと、逃げよう。


 逃げるが、勝ち。


 と、思いましたが。


「真綾はココ」


 金髪子先輩に、ソファまで引っ張られて。


 着席。


 とほほ……。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ