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玄関ダッシュ五秒の女子高にオレひとり  作者: なるるん
女子会パジャマパーティ in 別荘
287/349

第287話:ほっぺスリスリ、おなかペタペタ



 ソファに腰掛けて。


 両サイド、それに背後を、女子先輩に固めれられて。


 緊張のためか、背筋はピーン。


 お行儀よく揃えたお膝に、手を置いて。


 その腕も、ピーン。


 半ば、硬直した状態で。


 さらに、目を閉じて。


 左右から金髪子先輩と、おさげ子先輩の、頬ずりを堪能……じゃ、なくて、これは、頬ずりの刑?


 そのほっぺスリスリの感触が、ふっ、と、消えて。


「ほい、サクラの番~」

「はい、では、いざわたくしも」


 左側から金髪子先輩の声のあと。


 背後からぱっつん子先輩の、声。


 目を閉じていても、体温? 熱量? そんな、気配が。


 背後から、顔の右側へと、近付いて来て。


「んっ」


 ぴたり、と、頬に触れる感触に、また少し、ドキっとしてしまう。


「ふむふむ、指で触れるよりも、ずっと刺激的、ですわね……」


 すり、すり。


 指先と違って、距離感を掴みにくいのか、そこそこ、がっつり。


 頬と、頬が、触れあって。


 それに、耳元近くでささやかれる、声の響きもあって。


「あぁ、この、痛いような、くすぐったいような、不思議な感触……クセになってしまいそうですわね……」


 すり、すり。


 ぞくぞくっ。


 鳥肌が立ちそうなくらいに。


 ほっぺたと言う『面』での肌の接触に加えて。


 短くとがった髭の一本一本の『点』での接触が。


 ほっぺ全体に過剰なまでの感触を生み出す。


 その感触は。


 熱くなっている身体が、また、少し体温を上げるのにあわせて。


 少しづつ、眠っていた感覚を、思い出させてしまって。


「あ」


 つい、クチを突いて、出てしまう。


「ん? どうしたの真綾(まあや)


「な、なんでもない……です」


「そ? じゃあ、次は……」


 目を閉じているので、表情は、わからないけれど。


 左側の、金髪子先輩の、声と同時に。


 頬の感触が、すぅっと、離れて。


 接触を解かれた肌が、ひんやりと、する。


「おなか! おなかをさわってみよー」


「え」


「はいほらパジャマの前開いて開いて」


「え? え?」


 金髪子先輩と、おさげ子先輩に、左右から。


 パジャマのボタンを外されて。


 前を開かれても、Tシャツは着てるから、まだ素肌を晒すまでは無いと思ったのもつかの間。


「はい、シャツめくってー」


「ふわぁっ」


 ぺろん。


 これまた、左右からシャツの裾を、めくりあげられて。


「サクラ、シャツ押さえておいてー」

「了解、ですわー」


 背後のぱっつん子先輩の、体温がまた、近付いて。


 いや、近付くって言うか、これ。


 ぺったり。


 ソファの背もたれがあるのが、救い?


 肩から首筋、後頭部にかけて、ぱっつん子先輩……サクラ先輩の、身体が、あちこち、触れて。


 その体温が、直接、伝わって来て。


 さらに。


「はわぁっ!」


 思わず、目を開けてみれば。


 左右から伸びた手が、おなかを。


 ぺたぺた。


 すりすり。


「おぉ、意外と柔らかーい」

「もっと固いと思ってたけど」


 ぷにぷに。


「でも、女の子に比べると少し固いかな?」


 ちらりと、おさげ子先輩の方を見ると。


 自分のパジャマの裾をめくりあげて。


 素肌を、直接、ぷにぷにしているのが一瞬見えたけど。


 見なかった事にして、また目を閉じて。


「せんぱぁい、これ、いつまで続けるんですか?」


 目的は聞いたけど。


 目標は、聞いてない。


 どうなったら終わるの?


「んー、どうだろう」


「とりあえず、次はわたくしですわ。この位置からだと上手くさわれませんから、前に回らせていただきますわね」


 背後のぱっつん子先輩の体温がふっと離れて。


 ととと、と、足音が動いて。


「あぁ、テーブルが邪魔ですわね……少し移動させませんと」


 まだしばらく。


 この拷問? は、続くのか、な?



 ひぃ。





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