第283話:別荘にお泊り、先ずは一緒にお風呂
色々あった、お花見バーベキュー大会の、後。
皆さん、ご帰宅。
あたしは……。
何故か、先輩方と、別荘にお泊りコース。
八時間目の活動内容について話し合おう、って事だそうですが。
さんざん飲み食いしていたので、夕ご飯は、無しで。
先ずは。
「うぅ、焼き肉くさーい、お風呂お風呂~」
とのことで。
「じゃあ、みんなで一緒に入ろうか」
どうぞどうぞ。
「いいね。四人くらいなら皆で入れるよ、ここのお風呂っ」
おぉ、わりと大きいめの、お風呂なのね。
場所的に、温泉、ってことはなさそうだけど。
ん?
と、言うか。
何か、不穏な発言が混ざってたような?
「それでは真綾さんもご一緒に、お風呂に参りましょう」
って。
ぱっつん子先輩が、あたしの背を押して。
金髪子先輩と、おさげ子先輩に、続いて、歩き出す。
いやいやまてまて。
「ちょちょっと、ちょっと、待って下さい」
「何か問題でも?」
金髪子先輩と、おさげ子先輩が振り返って。
何言ってんだこいつ、みたいな顔をされても、ですね。
「いやいや、問題しかないでしょう」
「ふっ」
呆れた、とでも言いたげな、金髪子先輩。
「気付かれたなら仕方ない……でも、これも八時間目の活動の一環って感じではあるんだけどなぁ」
「無理強いはよくないからね。とりあえずお風呂は免除してあげよう」
前門の、金髪子先輩とおさげ子先輩。
「えー、つまんないですわー。真綾さんと一緒にお風呂、楽しみにしていましたのにー」
後門の、ぱっつん子先輩。
「真綾、どうする?」
「後でひとりで入りますっ、お三方は、ごゆっくりどーぞっ!」
とりあえず、脱出。
逃げるが、勝ちっ。
「ちぇっ」
「またいずれ~」
「では、のちほど~」
浴室に向かう先輩方と別れて、リビングへ。
ソファに座って、テレビでも見てるしかないか……。
金髪子先輩宅の、でっかいテレビ程でもないけど。
ここのテレビも、園田家のよりは、はるかに大きいですね。
リモコンもテーブルに置いてあったので、ぽちっと。
チャンネルを切り替えても、うん、面白そうな番組は、やってないなぁ。
ニュースのチャンネルにしておいて。
結局、携帯端末で、ニュースとか、見たり。
実際、テレビって、ほとんど見なくなったしねぇ。
昔に比べて、放送局も減ったらしいし。
ひと昔前に、いくつかの放送局が倒産したり、合併したりして、チャンネル数が徐々に減ってたり、する。
それにしても。
先輩方。
あの口ぶりは、本当にあたしと一緒にお風呂に入りたがってた気配もあり。
マジか……。
それに、八時間目の活動の一環、って、どういう事なのか。
この後……。
あぁ、パジャマパーティ、再来?
夏合宿で海辺の別荘に泊った時も、プチ、女子会、パジャマパーティ。
あの時はエリ先生も一緒だったけど、結局、疲れて寝落ちしてみんなで一緒に寝てたっけな。
思い返すと。
あれもあれで、ひどかったよね。
あたし自身が、何かしようとする訳ではないけど。
やっぱり、年頃の男女が、って考えると。
何気に、ヤバい気が、する。
今日だって、ねぇ。
シズさんがいらっしゃるとは、言え。
母さんもエリ先生も。
するっと許可したけど、さぁ。
どうなっても、知らない、よ?
いや、まぁ、あたしからはどうもしないから大丈夫、だけど。
…………。
何気に、怖いのは、その逆、だよね……。
さっきのお風呂発言も、だけど。
ちょっと警戒。