第282話:お花見バーベキュー大会終了、からのお泊りですか
途中、ハプニングと言うか、大騒ぎもありましたが。
お花見バーベキュー大会も、終焉。
人海戦術で、後片付けも、さくさくっと、終えて。
「それでは、みなさん! お疲れ様、でしたー。気を付けてお帰りくださーい」
場の責任者、として、金髪子先輩が、締めて。
三々五々。
「それじゃぁ、お先っす!」
レイちゃん川村ちゃん、ミツキさんも一緒に男性チームの車が出発。
「今日はありがとうございました。お先に失礼しますね」
雪人さんファミリーも、ぶるるん、と、会場を後に。
園田家も。
「じゃ、姉さんも気を付けてね」
「ユイナこそ、充分に気を付けるのよ? 陽も落ちて暗くなるし、バイクなんだから、絶対に無理しちゃ、だめよ?」
「わかってるわかってる、イヤと言う程わかってるよ……」
以前に、聞いた話。
ユイナおねえちゃんのバイク仲間で。
事故で亡くなった人が、って。
「うん、大丈夫だとは思うけど、気を付けるに越したことは無いから、ね」
「了解、姉さんこそ、だよ」
「はい、お任せあれ。真綾も乗ってるし、ね。じゃあ、お父さんとお母さんによろしく」
「はいよー、じゃあ、ちょっくら行ってくるねー」
ユイナおねえちゃんが、実家へと向け、バイク発進。
さて、あたしと母さんも。
母さんの運転で。
おじいちゃん譲りで、とっても安全安心、怖くないから。
エリ先生の運転する車に乗った時は。
安全運転すぎて怖かった記憶。
出発しようと、窓を開けて、再度最後のご挨拶、と思ったら。
そのエリ先生が、ととと、と、走り寄って来て。
「沙綾さん、すみませーん、わたしも乗せてもらっていいですか? シズさんたち、今晩ここに泊まって明日帰るらしくて……」
エリ先生は、明日仕事だから帰らなくちゃいけないらしく。
「大丈夫ですよー、どうぞどうぞ、お送りしますね」
母さん、ウエルカム。
「あ、代わりに、真綾ちゃん、置いてってもらえます?」
え?
何、エリ先生、突然。
「え? どうして?」
母さんも、そりゃ驚くわよね。
そこへ、先輩たちが現れて。
金髪子先輩が。
「あー、せっかくだし、新学期からの活動計画とか、じっくり話し合おうかなぁ、って」
って。
初めて聞きましたけど、そんな話……。
「あたし、お泊り用の着換えとか、持って来てませんけど……」
物理。
さすがに、今日着てた服とか、特に、下着とか、そのままは、ヤ。
お手入れグッズも最低限しか持って来てないし……。
「大丈夫、わたし新品の予備と持って来てるし、大丈夫大丈夫、ささ」
おさげ子せんぱーい。
車のドアを開けて、あたしをひきずり出そうとされますけど。
わーい。
って言うか、おいおい。
母さん、たちゅけて……。
「そうね……お部屋も沢山あるし、シズさんもいらっしゃるなら特に問題ないでしょうね。真綾、せっかくだからお付き合いなさいな」
えー。
まさかの、突き放し。
「さぁ、真綾さん、こちらへ」
ぱっつん子先輩に、手を取られて、別荘の方へ。
荷物は、あぁ、おさげ子先輩が持ってくれてる、と、言うか、略奪されてる……。
「母さぁん」
へるぷー。
「じゃあ、真綾ちゃん、ごゆっくりー」
エリ先生、すでに助手席に座って、手を振り振り。
「真綾、おいたしちゃ、だめよー。じゃぁねー」
お母様ぁあああああ。
いやぁああああ。