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玄関ダッシュ五秒の女子高にオレひとり  作者: なるるん
春休み、お花見バーベキュー大会
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第267話:永依夢(えいむ)さん




 普段、あまり関わりの無い人も居て。


 どうしても、普段から一緒に居る人たちが集まってしまいがち。


 あたしたち、しの女の面々、男子たちに、雪人さんファミリー、それと、ホンダさんたちが、それぞれ固まってる感じ。


 そんな中。


 我が、叔母(おば)


 ユイナおねえちゃんは単独でホンダさんたちと、バイク談義?


 ホンダさんと鈴木の方菜(かたな)さんとなんだかバイクの前でわちゃわちゃしてらっしゃる。


 レイちゃんと川村ちゃんが、雪人さんたちとお話してる。


 男子たちは……ミツキさんも含めて、ひたすらお肉を食べてますね。さすが。


 先輩たちと先生も、のんびりと、お食事。


 そして、何故か、母さんと、鈴木の蘭さんが。


 少し離れた場所で、何やら、真剣な表情で、お話中?


 妙な、取り合わせとも、言えなくはないけど。


 母さんがホンダさんと結婚とかって事になったら、蘭さんも親戚、って事になる?


 それもあって、蘭さんが母さんの話を、って感じかな?



 あたしは。



 そんな皆を、その後ろの桜を眺めつつ。


 さらに、桜の後ろ、広がる青空を、眺めつつ。


 ぼんやり。


 していたら。


 あたしと同じように、ひとり、ぽつん、と。


 上空を見上げる、女性が目にとまる。


 河崎永依夢(エイム)さん。


 身長もあたしと同じくらいで、わりと小さめ。


 お団子頭に、少し親近感。


 あたしも、暑い時とか、髪が邪魔になるときは、後ろでくるっと巻いて、お団子にしたりしてるし、ね。


 野鳥の写真を撮ってるって、言われてたけど。


 どんな写真なのか。


 ちょっとだけ、興味が、ある。


 あんなに大きくて高そうなカメラだもん、すごく良く撮れそう。


 そっと近寄って。


「河崎さん、ちょっといいですか?」


 声をかけて、みる。


 しかし、反応が、無い。


「河崎さん?」


 少し声を大きくしてみると。


 河崎さんが、一瞬、びくっとして。


 あたしとは、逆の方……左の方を向いて、きょろきょろ。


 ?


「河崎さん、こっちです」


 そう言うと、やっと。


 こっちを向いて。


「あ、はい、何でしょうか……ごめんなさいね、右の耳が聴こえにくくって」


 あ。


 だから、左側から聞こえたようになっちゃったのか。


「ちょっと待ってね、念のため補聴器着けるわ」


 そう言って、ポケットから小箱を取り出して。


 その小箱から、イヤフォンみたいなのを取り出して、右の耳に。


「電池が結構高いから、必要な時しか着けないのよね」


 と、訊いても居ない事だけど。


 なるほど、と。


 それにしても、若いのに補聴器って、何かの、障害、なのかな?


「はい、それで何かしら、えっと、園田さん?」


 うん。そこは、さらっと、金髪子先輩じゃないけど、空気を、読んで、スルーで。


「あ、えっと、鳥の写真撮られてるって、どんな写真なのかな、って思って」


 そう、告げると。


 河崎さんは、ぱぁっと、表情を明るくさせて。


「あ、興味あります? いくつか写真あるので、お見せしますね。ちょっと待ってて下さい」


 そう言って、バイクの置いてある場所へ。


 ユイナおねえちゃん、ホンダさん、方菜さんの居る方へ行かれる。


 バイクに積んであるのね、写真。


 バイクの後部座席に取り付けたバックから、何やら、と、言うか、多分写真の入ったアルバム? みたないものを、取り出して。


 小走りに、こちらに戻って来られる。


「はい、お待たせ、こういう写真撮ってるんですよ」


 手渡される、A四サイズの、クリアファイル。


 そこそこ、分厚い。


 表紙には、何も書かれていない、緑色の、ファイル。


 その表紙をめくってみると……。





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