第266話:自己紹介大会⑤小柄なお団子頭のお姉さんのお名前は
自己紹介も、いよいよ、大詰め。
さいごの、おひと方。
河崎えいむ、さん。
小柄な、お団子頭の、お姉さん。
その、お姉さんのお名前の『えいむ』に、何故か、森本くんと若林くんが、食いついて。
「もしかして、FPS関係!?」
ちょっと、興奮気味の、森本くん。
さっきの、ユイナおねえちゃんと、同じ感じ?
「AIMINGの、エイム?」
若林くんも。
FPSって、確か。
鉄砲で撃ち合う対戦ゲーム、だったっけ?
はて?
「あははー、バレちゃいますよねぇ。そうなんです、両親がサバゲマニアで、FPSにもハマってて、その関係で、付けられちゃいましたーあはは」
あぁ。
蘭さんの、お祖母さんもだけど。
自分の、自分たちの趣味と言うか、好みを、子供の名前に。
あ。
もしかして。
「もしかして、方菜さんも?」
つい、訊いてしまった。
「せやで。ウチの両親もふたりともカタナ乗りでなー、カタナが縁で結婚しよって、ほんで生まれたウチに、そのまんまの名前、付けよってン」
あら、まあ……。
「じゃあ、河崎さんも、FPSを?」
なんか。
森本くんが、前のめり。
「いやぁ、たしなむ程度って言うか、時々サバイバルゲームに付き合わされるけど、わたしは鳥撮りがメインなんで、FPSはまったく」
「そうですか……」
がっかり森本くん、それに、若林くんも。
そういうゲーム、やってるんだね、きっと。
あわよくば、お仲間に、って感じだった、のかな?
「あ、ちなみに、バイクは黒のニンジャ乗ってまーす」
河崎さん、今度は、ユイナおねえちゃんの方へ、向けて。
「おぉ、ってことは、緑のニンジャが蘭さんで、青いZZRはホンダさんのだね」
なにげに。
一部、盛り上がってますが。
他の方々は。
多少、わけわからないと言った表情の、方も。
あたしもだけど。
バイクも興味ないし、FPS? も。
まぁ、でも、皆さん、野鳥撮影とかも含めて。
いろいろと、ご趣味をお持ちのようで。
あたしは?
あたしの、趣味かぁ……。
……女装?
ぷるぷる。
それは、さすがに。
でも?
ふと、そんな事を考えそうになっていたらば。
「ありがとうでしたー。さぁ、さぁ、次も焼けて来てるので、どんどん食べちゃってくださいねー」
またも。
空気の読める金髪子先輩、頃合いを見測る。
シズさんが裏で糸を引いてる疑惑は、あれど。
意外と、シズさんではなく、おさげ子先輩かもしれないけど。
金髪子先輩のスペックを考えると、ご本人の力、とも。
そう言えば。
先輩たちの好きなもの、趣味、とかっていうのも。
ほとんど聞いたこと、無いかな?
エリ先生の、コスプレは、知ってしまったけど、ね。
さて。
自己紹介も、終えて。
フリートーク、フリー飲食の、お時間、ですね。
あたしが、特に、お話したいのは……。